渡辺真理さんのお菓子食べ部。ゲスト持田香織さん(Every Little Thing)
マリーナ部屋 PRESENTS
その4
バナナと生クリームとスポンジは合うけれどいちごと生クリームとスポンジはどうなのか問題。
渡辺
そんなに練習不足で、
「やっぱりマラソンを走るのは、
 ちょっとやめておこうかな、今年は」
ってことは‥‥なかったんですよね。
すごく不安でも、やってみる、
っていう感じだったんですか?
持田
それまでに、いろんなところで、
「走り終えた自分に出会いたいです」
みたいなことをいっぱい言っちゃったんで(笑)、
まったく後に引けないっていうような状況でした。
渡辺
比べるものではないのかもしれないですが、
ほかに経験した不安感とは違うものでした?
持田
たとえば、風邪を引いて、
「声が出ないな」っていう時でも、
ステージに立って歌うわけですが、
その時は「わたしに何ができるかな」
っていう不安感なんです。
けれどもマラソンは予想がし切れない。
やったことがないことだったので、緊張しました。
どんなペースで走りだせば、最後まで持つのか? とか。
でも一緒に走ってくれてたトレーナーの方が、
すごくポジティブな方で、人に不安を与えない。
渡辺
あ、いいですね。
持田
「大丈夫です!」って言ってくれるので、
「あ、大丈夫なのかな?」みたいな。
それでも前の晩は1時間しか眠れなくて。
そのままスタートをしたので。
その日は──、ドリフのコントみたいな
感じがするくらいの豪雨で、
本当にもう、ブシャーッって、
吹きつけるような雨が降っていたんです。
もうメイクもこんなになっちゃって、
「目が開けられない!」みたいな感じのだったんですよ。
渡辺
そうとうな悪コンディション‥‥。
持田
あんなに大勢の、
雨の中にひびく足音を聴いたのは初めてでした。
ダッダッダッダっていう、あの足音。
すごく心地よかったです。
渡辺
やっぱり20キロまでは大丈夫でした?
持田
20キロまでは全然大丈夫でした。
景色がいろいろ変わって、
「わぁ、やっぱり初めてのフルマラソンが
 ホノルルでよかったな」
っていう感じだったんですけど、
20キロを超えた辺りから、
景色が何も変わらない高速道路で、
折り返しの人たちと会うのに、
その折り返し地点にまったく着かないんです。
あれが辛かったですね。
渡辺
その辛いのは、足が痛いとか、そういうことではなく?
持田
精神的に「これ、やりきれるかな」っていう感じです。
渡辺
「最後まで行ける!」って思ったのって、
どの辺りなんですか。
持田
ゴールが見えた時ですね。
そこまでは、いつ終わりになるかって思っていて。
一朗さん(ELTの伊藤一朗さん)が応援に来てくれて、
途中で、「持田、もうすぐだぁ!」
みたいに言うんですけど、
ごめんね、かまってられないので、
みたいな感じで(笑)。
渡辺
でも、持田さん、ゴールまで
「持ちこたえる力」がすごいですね。
普通、20キロちょっとしか走ってなくて、
本番で42.195を完走って、
なかなかできないと思うんですよね。
持田
みんなで一緒に走れていたことも
大きかったと思います。
1人じゃなかったので。
マネージャーさんも一緒に走り、
元選手だったトレーナーさんも伴走しながら
「この坂は、あえて、前かがみで」とか、
「登り坂は歩かず、がんばって走って!
 下りは膝をいためないように歩いていいですよ」
というように、ぜんぶ教えてくださったので。
渡辺
じゃあ、もうゴールした時は!
持田
うれしかったですね!
走り終わってシャワーを浴びて、
ごはんを食べて乾杯して。
部屋に戻っておふとんの中に入った時の気持ちは、
もう過去最高ですね。
そのまま気が遠くなって眠っていくっていう、
あの心地よさは、あれのためだけに
もう1回走ることができる気がするっていうくらい。
やっぱりいい経験でしたね。
いろんな方々も「モッチー、頑張れ!」
みたいに言ってくださってましたし、
これまでに経験してきたライブもそうですけど、
たくさんの人と同じ思いで時間を共有することって、
滅多にあることじゃないなと思います。
マラソンもそれと一緒です。
あんなに大勢の人と一緒に走るって、
すごいことですよね。
4万人くらいいたんですよ。
渡辺
もう1回とか、なさるんですか、マラソン?
持田
生きてるうちにまたホノルルで
走りたいなとは思いました。
今年とか来年は休憩したいなって思いますけど(笑)。
走っていると、ご夫婦で参加なさっている方たちもいて、
すごく素敵だな、そういうのいいな、と思ったんです。
渡辺
じゃあ、結婚した暁には、
一緒にトレーニングをゆっくりしつつ。
持田
一緒に走ったりとか、
いいなぁと思います。
渡辺
ね。
すっかりマラソンの話になりましたが、
切りますか、これ(バナナケーキ)。
食べましょうか!
──
急におやつの話に戻りました。
渡辺
あ、そうですね(笑)。
いやぁ~、すごいですね!
どこを切っても、バナナの断面が出て嬉しい。
持田
そうなんです。
変な切り目が出てきたのを見たことがないです。
渡辺
やっぱり千疋屋はすごいですよ。
では、いただきます。
持田
いただきまーす。
渡辺
‥‥すっごい‥‥‥‥おいしい!
──
いちごがない寂しさはないんですか?
持田
ないですよね。
渡辺
えーと、告白しますと、
わたし、いちごショートケーキって、
いちごと分けて食べるんです。
持田
えっ(笑)。
渡辺
自分でもちょっと変な人だとは思うんだけれど、
なんか、いちごはね、
以前苺大福ともちょっと似てて、
いちごの酸っぱさが余計に際立つ気がして。
だから、分けて食べたいんです。せっかく
食べるんだから、どっちも最高においしいように。
でも、このバナナショートは完璧においしいです。
持田
この生クリームもおいしいんですよね。
渡辺
おいしいですねぇ。
この、中に入ってるバナナの立派なことって。
バナナの王者みたいなのが入ってますよ。
持田
王者(笑)。
渡辺
いや、すごいものを教えていただいた。
持田
これ、喜ばれますよね。
渡辺
喜ばれますね、確実に。
(つづきます)