ショーガール。
奥野史子・ラスベガスからの出発。

第4回 なんでシンクロ?

これまで3回はショーガールになるまでのプロセスを
書いてきましたが、
そーいえば、その前に、なんでシンクロやねんっ!
という大元については触れてこなかったので
その辺ちょいといってみよっ!

さて、「シンクロナイズド・スイミング」って
摩訶不思議なスポーツだと思いませんか?
私もそう思います。
なんで水中であんなにぐるぐる回ったり
水面上に飛び上がったり出来るのか?
なんであんなに同調しているのか?
不思議ですねぇ…。

しかしながら、
小1(6歳)からシンクロを始めた私にとっては
なんら不思議なことではなかったのです。
現役選手をやめた今だからこそ、
「よ~あんなこと出来てたもんやっ」って思うのです。
やっぱり、普通の人間が普通に生活していたら
どうやっても通過しない世界ですもんね。
いってみたら、スキーのジャンプやフィギアスケートも
その類でしょうかね。
原田さんのジャンプを見て、
あんなのぜ~ったいできひん!
と私が思うように、
シンクロもそう思われているのでしょう…。
(温泉や海水浴でやったりはするかもしれません)

では、そのシンクロを、なぜ始めたのか。
それは、たまたま私の姉がやっていたからです。
理由はそれだけです。
これで説明が終わってしまうのもなんなので、
もう少し話しますと、
たまたま近くに、
競泳・水球・シンクロ・日本泳法を教えている
京都踏水会というスイミングスクールがありました。
競泳か水球かシンクロかという選択肢があったんですが、
迷わずシンクロを選びました。
理由は綺麗だから…。
でもでも、実際のシンクロは白鳥のごとく
水面上は優雅に、
水中では必死に手足をかきかきしているんです。
普段の練習も多いときは一日10時間以上
水中にいたりするんです。
だから、
人によっては「水かき」ができている人もいます。
そのうち「えら呼吸」できるんちゃうかと
思ってしまいます。

また、なぜあんなに体が浮くのか?
不思議でしょ。
あれはそうなるように体を作っているんです。
当然トレーニングによって浮く技術も習得するのですが、
それ以外に、浮力をつけるために
皮下脂肪をつけるのです。
脂って水に浮くでしょ。
そのために夜寝る前に
ケーキやパンやプリンやなんやかんや
食べてから寝ます。
それ、毎日のお勤めです。
食べたくないときも食べるんです。
一日4000~5000kcalも摂取します。
そうすることが浮ける体作りにつながり、
強いシンクロ選手に成長していくんです。

ニコニコ笑っていても、見えないところでは
結構大変な生活を送っていたんですよー。

それからもうひとつ、
一般的にシンクロは女子のスポーツと思われがちですが、
男子もやっているんですよ。
日本ではまだまだ競技の域には達していませんが、
映画「ウォーター・ボーイズ」(みました?)
のように、シンクロを楽しんでいる人たちは
着実に増えているんだと思うのです。
欧米では試合にも男性が登場してくることもありますし、
(この場合、デュエットでペアになったり、
 チームに入っていたり、うまい人ならソロでも出ます)
もし、未だに女子のみのスポーツだと思っていたら
そうじゃないことを知ってくださいね。

もし、わたしが双子の男の子を産むことができたら、
シンクロをやってほしいと思うでしょう。
あんまり見たくない?
いやいや、スポーツだから大丈夫。
日本初、男子シンクロデュオの誕生ですよ。
楽しみ楽しみ。

こんなことばっかり言ってますが、
シンクロって本当に素敵なスポーツです。
見る人を感動させる要素がいっぱ~いあって、
美しくって、強くって…。
Welcome to Synchro World!

2001-09-07-FRI

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