ショーガール。
奥野史子・ラスベガスからの出発。

第9回 出ましたよ、出てしまいましたよ、ショーに。

先週の土曜日、ついに、ついにショーに出ましたっ!
本当は、出たその日に書こうと思ったんですが、
いざ出番が始まってしまうと、
もうそれどころではなくって、
忙しさMAXでした。

今はやっと週末を迎え、
(こちらはショーのお休みが水木なので、
 週末は水木のことを言うんです。)
ほっと一息ついたところです。

さすがにショーは興奮しましたよ。
とはいうものの、
一番初めのショーはそれどころではなく、
タイミングやらポジショニングやら
考えることが山ほどあって、
興奮やら緊張やらを感じてる隙すらなかった…。
あれよあれよという間に終わってしまった…。
そんなもんかいな?って思っていたら、
回数踏むたびに感激がおっきくなってきた。

一観客として見ていたショーと、
演じる側にいるショーでは全く違う感動があった。
お客さんの感動している顔が、間近に見える。
それが私たちの一番のエネルギーになるんだよね。
そんなことわかってたつもりでも、
やっぱり実際にその表情を見ると違うんだなぁ。

徐々に余裕が出てきて、
お客さんの表情が見え始めると、
「おお〜っ」って感じで口あけて見てる人とか、
泣きそうになってる人がいたりして、
それを見ては、マスクの下で、にやっ、てしたり…。
それがちょっと快感だったりして…。
やっぱりそういう感覚って、
やってみないとわからないし、
それが今一番嬉しいことかな。
これ、今の私のささやかな喜び。

ショーの最中はメイクも衣装もすごいし、
おまけにマスクをかぶってる時もあるから、
きっと見てるお客さんには
誰が誰だかさっぱり分からないと思う。
笑ってようが、怒ってようが、
表情は確認できないと思う。
きっと私の家族が見に来ても、
私がどれやらさっぱり分からないはず。

でも、そんなところがこのショーの素敵なところで、
現実味の無さというか、
その得体の知れなさが魅力なんだと思う。
これは本当に見てもらわないと
どんな魅力かというのは説明し難いなぁ…。
だから気になる人は、ぜひ見に来て下さい。
お待ちしております。

ただ、こういうことを書きながらも、
今はやっぱり危険な時だし、
あまり来て来てとも言えません。
こちらにいて一番感じることは、
とにかく今、日本人が一番少ないということです。

ショーは連日満員で、
ラスベガスは観光地なので、
観光客はいっぱい。
こんな時でも、いっぱい。
私たち日本人の感覚では理解し難いんですが、
いっぱいなんです。ほんとうに…。
私もこちらに来て一番驚いたことがそれでした。
なんなんでしょうね、これって?

そんなこととか、
こちらに来て、まだいろいろと
不思議だなあと思うことがいっぱいあります。
そのうちわかってくるのかもしれませんが、
今はよくわかりません。

今はとにかくショーを一生懸命頑張ってます。
一度にとやかく考えず、
今やるべきことをやる。
そんな毎日です。

ショーを締めくくる最後のカーテンコール、
その瞬間がたまらないんだな。
観客のほぼ全員がスタンディングオベーションで大歓声。
それが胸にじ〜んと沁みてくるんですよね。
一日2公演の週5日間。
決して楽ではないけれど、
毎回のその大歓声に感激し、
ここに来てよかったと感じることができています。

この週末、リフレッシュして、
また来週楽しんできます。
今みたいに楽しんでいる気持ちを
来週も再来週も、この先もずっと持ち続けていたいと思う今日この頃です。

2001-10-26-FRI

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