ショーガール。
奥野史子・ラスベガスからの出発。

第12回目 お馬さんたちのショー

いやはや、最近いろんなことがありまして、
なかなか原稿が書けないんです。
いきなり言い訳がましいなあ…わたし。

と言うのは、つい1週間前、
買ったばかりの車、WVビートル(中古)が
路上で止まってしまい、
おまけにそれを治してもらった翌日、
更に窓が閉まらなくなり、
ついにぶち切れて売ってしまいました。
それ、買って4週間目の出来事でした。
結局、新車買いました。
怒りついでにかなり値切ってやった。ははっ。

安いもんには気をつけろとはよく言いますが、
日本の感覚以上にこっちはそのようです。
安全はお金で買う。
これほんまに…。

さてさて、そんなこんなの先週でしたが、
週末はショーを2つ観てきました。
1つ目は“O”と同じCIRQUE DU SOLEILの
“MISTERE”(ミスティア)、
もうひとつはこれもCIRQUEのSPOT SHOW
“CHEVAL”(シャバール)。
どちらも素敵なショーなんですが、
今日は、今しかやってない“CHEVAL”を
先にご報告しますね。

さて、“CHEVAL”とはフランス語で「馬」を意味し、
このショーは、その名の通り馬を使ったショーです。
CIRQUEはこれまで基本的に動物を使わないショーを
手掛けてきましたが、
私の知る限りでは、
今回初めて動物を使ったショーを行いました。
私が行ったのは初日の公演で、
基礎知識がほとんどなかった私は、
ただお馬さんがぱっかぱっかしてるショーだろう…
くらいの乗りで行ったんです。
けどけど、観てみてびっくらこきました。

馬、めちゃ賢いっ!
なんでそんなに言うこと聞くねんっ!
危なすぎるわ、そんなんしたら〜〜〜っ、
そんな馬の上で飛んだり跳ねたりしたら落ちるで…。
馬、痛いやんっ。
馬、めっちゃ綺麗…。
って、そんな感じでした。
どんな感じやねんっ、それっ。

まあなんせ、馬と人間の一体感の凄さ、
いわゆる「人馬一体」っちゅうやつですな。

これまでオリンピックの取材やなんやで、
馬術の試合を何度か見てきた私ですが、
オリンピックも凄いけど、こっちもすごいっ!
って思いました。
すごく細かいところでこだわりが見えて、
例えば馬の毛並みがチェック模様にカットしていたり、
馬の鞍がアクロバット用に工夫されていたり、
はたまた凄技の合間に所々入ってくるおふざけコーナーが
意外と凄いことやってたり…。
何よりも、さすがCIRQUEと思わせる衣装やメイク、
照明、舞台装置が美しかったり、
見所盛りだくさんのショーでした。
笑いあり、感動あり、涙することはなかったけれども
(私はねっ)、
とにかく心に残るショーでした。
もし近々こちらに来られる予定のある方は
是非見てくださいまし。
お勧めの逸品です。

ここラスベガスにいると、
なんだか街全体がショーの様で、
なんだか作り物のおもちゃの様で、
ふとした瞬間に「ここはどこ?私はだあれ?」
ってなることがあります。
夢の中にいるような、
私は夢を見ているんじゃないか?
そんな気分になることがしばしば。
スーパーに行ったり、車を買ったり、
引っ越す家を探したり、保険に入ったり、
現実的な生活をしているにもかかわらず、
そんな風に思うんです。
なんだか未だに不思議です。

こっちに来て7週間が過ぎ、
いろんなことが正気で見えてきた今、
ここが本当に好きだと思えてきました。
やかまし過ぎる街並みは、
気分が沈んでいる時、本当にむかつきます。
乾燥しすぎている気候も、のどに悪いから嫌いです。
美味しくない食事(日本に比べて)にも、
悲しくなります。
けれどもここは、毎日何か発見できる、
私にとっては刺激的な街です。
当然日本は一番好きだけど、
ここも悪くない、
しばらくの間、ここで頑張ろう!
そう決心した私です。

また来週!

2001-10-26-FRI

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