では、これから
みうらさんが恩返しをしたいものについて
お話をうかがっていきます。
「じゅんの恩返し」のはじまりです!
先日からの、このコンテンツの連載について
「みうらさんはたくさんしゃべっているが
ずっと同じ服を着ている」
との投書がありました。
みなさんのご想像のとおり、
あれは一日で収録したものです。
めざすは「年の数だけ恩返し」ですが、
本日も、一気にいきましょうか?
無理ですね。
恩返ししたいものを
前もって自分で挙げてみたんだけど
ひとつのことを話すのに、長くかかるよ。
ものすごく長くかかるよ。
俺の年の数といったら、47個ですよ。
1日に10個とかに制限しないと、
たいへんなことになります。
たしかに、各々、
ひと晩は飲み明かせそうなネタばかりですね。
今後、このページでは、
「みうらさんの服はいったい何回目で変わるのか?」
も、ひとつの見どころといえましょう。
では、記念すべきひとつめの恩返しは?
ドルドルドルドル‥‥
映画「大脱走」ですね。
昔の日本はね、年末に「大脱走」を観て、
自分が一年間どれだけがんばってきたのかを
考えるようなシステムになっていたんです。
はああ、なるほど。
だいたい「大脱走」というタイトルからして
無性に、がんばらなくてはいけないような
気持ちになりますね。
年末といえば、いまは忠臣蔵などを中心とした
日本の時代劇がテレビで放映されていますが、
昔はちがったんですね。
ええ。
だめですね、「忠臣蔵」じゃ。
あれじゃ国民は、自分を振り返らない。
年末には、一年の締めくくりとして
自分が大脱走の
メンバーになれるかどうかを
考えなきゃいけないんですから。
昨今の世の中の乱れを真剣に考えるとするならば、
年末の「大脱走」の放映は、いまいちばん
求められているものだと思うんです。
「大脱走」は、みうらさんが5歳のときの映画ですが、
最初にごらんになったのはテレビで、ですか?
いや、「大脱走」がリバイバルされたときに
映画館で観ました。
その頃は、チャールズ・ブロンソンが
マンダムのCMで大人気になっていまして、
そのチャールズ・ブロンソン人気によって
リバイバルがかかったわけです。
でね、劇場の看板に
スティーブ・マックイーンをはじめとする
出演者の絵が描いてあったんですけども、
チャールズ・ブロンソンも、バーンとメインで
描かれていたわけです。
それには、きっちりマンダムのようなヒゲが
こう、こうやって、
たくわえてあったんですけれども、
劇中ではヒゲは
まったくないです。
「大脱走」に出ていたのは、
ヒゲのない頃の、ブロンソンだったんです。
そのへんはまあ、
日本の昭和が得意な情報操作ですね。
映画館の看板のブロンソンには立派なヒゲが。
「マンダムの、あの人ですよ〜」といわんばかりに
ブロンソンは大きく描かれていた。
佐野厄よけ大師のCMの前には「大脱走」。
日本の古きよき風習「大脱走」。
スティーブ・マックイーンがかっこいい、
切なく明るく哀しく楽しく大興奮な映画「大脱走」。
みうらさんの、ひとつめの恩返しでした。
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20世紀フォックス ホームエンターテイメント