「ウルトラQ」って、
「ウルトラマン」とはちがうんですか?




ウルトラQは、ウルトラマンの前に放映された
テレビドラマです。
ウルトラマンシリーズで僕がはまったのは、
おもにウルトラセブンまで、でした。
その後、僕はエロに走っていたので、
怪獣を忘れてた時期がありました。
でもそれまでは夢中でした。
当時は、怪獣雑誌を買ってきてはバラバラにし、
怪獣の写真を切り抜いて貼ったものです。
そうやって作った写真集がございます。



これです。
僕のスクラップ人生は
ここからはじまったと言っても
過言ではありません。





このスクラップは、
小学3年生のときにつくられたものですね。
この、表紙にある絵は‥‥?







これが当時の僕のサインです。




(爆笑)




「三」はわかるけど、
「浦」と「純」は意味がないね。
いつ町でサインを求められてもいいように、と
思っていたんだけど、役に立たなかったです。





これは、カエルですか?




カエルじゃなくて、僕のオリジナルの
「秘密怪獣バグラ」というものです。





オ、オリジナル‥‥?




僕は小学校のときに、
同じクラスの池山君とふたりで、
怪獣クラブというものを結成しまして、
というのも、
当時世の中は、怪獣の大ブームだったんだけど、
よくわかっていないような奴らまで乗っかってきて
「ピグモンがかわいい」とか言い出して、
怪獣に「かわいい」なんてないわけですよ、
怪獣は「かっこいい」に決まってるだろ!と
カッチーンときた僕は、
ほんとうの怪獣好きだけを集めようと思って、
あ、まだ、聞いてます? 僕の話聞いてます?




はい、聞いてます、聞いてます。




で、池山君とふたりで怪獣クラブをつくったんです。
そこに、お菓子屋のマモルくんが
「僕も入れてくれよ」と、来たわけです。
「いつ入れてくれるんだ、怪獣クラブに」
と、しつこく言うんです。
でも、僕たちは
ほんとうの怪獣好きしか入れないんだぞ、
というか、見栄えがイケてないとだめなんだぞ、
と思い、入れたくないばっかりに
マモル君に対して「怪獣テスト」を
行なうことにしました。
僕たちの出す質問10問に正解すると入れてやる、
という約束だったのですが、
マモル君は、次々に出す問題に
ことごとく正しく答えるんです。
マモル君はお菓子屋の息子なので、
遊びに来るたびにココナッツサブレなどを持ってくるんで
それは食べたかったんだけど、でも、
どうしても落としたかった。
最後に手詰まりになって、
とうとう僕の生み出した怪獣、
すなわち、この秘密怪獣バグラの絵を見せて
「この怪獣の名は?」という問題を出しました。
そうしたら、「わからない」って言うんですよ。




それは、その‥‥あたりまえですね。




ええ。それで、
「残念!」と、
マモル君を撃退した。





すごいエピソードが
この1冊に詰まっていますね。




ウルトラQは
僕が小学校に入る前からはじまったテレビ番組で
僕にとってはいまだにドラマのナンバーワンです。
円谷英二さんという人に、僕はすごく憧れて、
多大な影響を受けました。
公園の砂場でみんなが怪獣の人形で遊んでいるのに
僕ひとりだけがジャングルジムにのぼって
上から指示を出していました。
つまり、僕は円谷英二さんの役をしていたわけです。
というようなことに、
公園中の誰もが
気づいていませんでした。





動画の中でみうらさんが力説しておられたように、
子どもだましだといわれることを、
大人が、どれだけ一生懸命やってきたか。
考えると泣きたくなるような時代のお話です。
恩返しがしたいです。
ありがとう「ウルトラQ」。
みうらさんの、ふたつめの恩返しでした。





円谷プロ公式サイト「円谷ステーション」(携帯&WEB)


ウルトラQ
ウルトラシリーズ(空想特撮シリーズ)第1作のテレビドラマで、
日本の特撮番組黎明期の大傑作。
昭和41年(1966年)の1月より放映がスタートした。
怪獣が出てきたり、怪奇ドラマふうだったり、
内容は毎回恐怖と奇想天外のオン・パレード。
当時の子どもたちは、とりこになった。

スクラップ
みうらさんが「怪獣スクラップ」をはじめたのは、小学校1年生のとき。
それ以来、興味を持ったあらゆるものをスクラップしはじめ、
「仏像スクラップ」などを経て、
ライフワーク「エロスクラップ」(現在174冊目をスクラップ中)に至る。

カエル
「ほぼ日」乗組員が秘密怪獣バグラと間違えたのは、
みうらさんのマイブームのひとつでもあった、カエル。
みうらさんの自画像キャラとして活躍もしている。


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2005-05-27 FRI
(c) Hobo Nikkan Itoi Shinbun 2005