チャールズ・ブロンソンは映画俳優で、
マンダムのCM「う〜ん、マンダム」でおなじみの
比較的暑い顔をしたヒゲの男性です。
吉田拓郎さん、横尾忠則さんにつづき、
チャールズ・ブロンソン。
このあたりは、みうらさんが「なりたかった人」が
続々出てきますね。
というより、いまでも「なりたい」です。
僕はつまり、
なれなーい、遠ーーい人に
憧れてるだけなんですよね。
チャールズ・ブロンソンはハリウッドの映画俳優ですが、
生涯「アクションひとすじ」だったんです。
アクションひとすじって、
ちょっとバカじゃないかなと
思われた時期がありましてね。
「アクションバカ」という言葉が
横行したこともありましたよ。
スティーブ・マックインでさえ文芸作品に出たりする中、
この方だけはkeep onした。
日本では、藤岡弘、さんという方がいらっしゃいますが、
藤岡さんも、ずーっと続けたから、
あんなに認められることになったんです。
ずーっとアクションをされていた、ブロンソン。
晩年は、もう、すごいことになってました。
どう見ても
定年をとっくに過ぎている刑事(コップ)だったり
逃げ足がびっくりするほど遅かったり‥‥。
(くわしくは動画でお聞きくださいね)
ところで、みうらさんが憧れる方は、
一般的に女性に人気が出るような
タイプではないですね。
僕は、
チャラチャラした女子にではなく、
いわゆる「女前」な女にモテる人が
好きなんですよ。
なるほど。
そんな、チャラチャラした人にね、
モテたってねえ。
モテたいですよそりゃ!
モテたいんですか!
そりゃそうですよ。
失礼いたしました。
この人は、ジルさんという奥さんとともに
人生を歩みました。
ジルさんも再婚、
ブロンソンも再婚なんです。
ジルさんは、ブロンソンの前に
デビット・マッカラムという
男前の俳優さんと結婚していたんです。
ジルさんの連れ子はかっこよくて、
ブロンソンの連れ子はぶちゃむくれだった。
でもね、ブロンソンはいつもファミリーで動きました。
来日の話も、何回もあったんですけど
ブロンソンが「ファミリーで」
と言うんで、日本側は
呼びたくても呼べなかったんですよ。
予算が、かつかつでね。
ほんとうの話ですか‥‥。
しかもブロンソンは
奥さんと共演じゃないと嫌だと言っていたんです。
では、映画では、ずっと奥さんと共演を?
ええ。奥さんね、映画の中では
25歳ぐらいの設定もあったんですよ。
すっごいきついんですよ。
でもへーっちゃらで出てた。
そこがすごいんだよ。
ジルさんは、結局、
ブロンソンより先に亡くなってしまうんですけれども、
ジルさんがお亡くなりになったとき、
ブロンソンは、もう映画を辞めて、
自分は島を買ってそこに住むと言い出したんです。
すごい夫婦愛を感じます。
それでも、ブロンソンを敬愛する
映画関係者や俳優さんが
彼を映画界に引き戻したんですね。
ブロンソンは、俳優としてはたいへん遅咲きで、
いろいろとご苦労なさっていたようですね。
ええ。レンガ職人とか、いろいろやってました
ちょい役ではずーっと出てたんだけどね。
やっぱりアラン・ドロンより
かっこいいですね。
アラン・ドロンより
チャールズ・ブロンソンになりたいですね。
うん‥‥
でも、当時、つまり中学生のとき、
映画館で、実際に
「どっちかの顔にしてやる」って言われたら絶対
「アラン・ドロン」って言ったと思うんだ、俺。
さっき(動画)の話と違うじゃないですか!
ま、スピリッツの話ね。
スピリチュアルだから、僕は。
もてたくないと言ったりもてたいと言ったり、
アラン・ドロンよりブロンソンと言っておいて
そうじゃなかったり、揺れる男心です。
もてるのはブロンソンですが、
「キャー!」と言われるのは確実にアラン・ドロンです。
なぜか動画では、この方のときだけ語りかけ口調だった、
みうらさんの、16個めの恩返しでした。
(写真左)チャールズ・ブロンソン。
マンダム社史より掲載
(写真右)みうらじゅん画/ブロンソン大陸
チャールズ・ブロンソン
「男の中の男」と称された映画スター。
日本では、CM「う〜んマンダム」で一世を風靡。
ブロンソンの男気に惚れたみうらさんと田口トモロヲさんが
ユニット「ブロンソンズ」を、何の断りもなく結成。
ブロンソンズは1995年に
「マンダム〜男の世界/大脱走95」でデビューした。
田口トモロヲ(たぐち・ともろを)
俳優。
みうらさんと同い年。
映画「鉄男」に主役で出演し、
その作品が第9回ローマ国際ファンタスティック映画祭で
グランプリを受賞。
たくさんの映画に出演。
映画「アイデン&ティティ」では監督をつとめる。
NHKの「プロジェクトX」のナレーターは、この方です。
大林宣彦(おおばやし・のぶひこ)
男映画監督。
「HOUSE/ハウス」で劇場映画に進出。
作品には、故郷である広島県尾道市を舞台にした
「転校生」「時をかける少女」のほか、
「異人たちとの夏」「理由」などがあり、
1997年「SADA」でベルリン映画祭国際批評家連盟賞を受賞。
2004年春の紫綬褒章を受賞。
「う〜んマンダム」を撮影したのがこの方とは、
みうらさんにお聞きするまでまったく知りませんでした。
藤岡弘、(ふじおか・ひろし)
男優。
「仮面ライダー」「特捜最前線」などに出演。
空手初段、居合道初段、柔道三段、抜刀道四段、
小刀護身道四段、刀道七段(教士)。
すばらしい方です。