ファミコンをはじめとするゲーム類に
みうらさんが熱中した原因は
何だったんですか?
もともとはゲーセンからです。
これは、またもやですが、
糸井さんがきっかけでした。
糸井さんの事務所に遊びに行くと、
「おまえとは何もすることないから
下の喫茶店でゲームをやろう」
ということになって、
よく連れて行ってもらったんです。
ちょうどスペースインベーダーの
時代だったかな。
そこで、向かい側に僕を座らせて、
糸井さんはテーブルに百円玉を積むんです。
で、当然僕は無視されて、糸井さんは
ずーっとゲームをなさっていたんですけれども。
はははは。
でも、途中で
たばこタイムというのがあって。
つまり、糸井重里の
ゲームの休憩時間ですね。
うん。それで、「よ!」と、百円玉を
銭形平次のようにこちらに寄越してくださって。
それを「あ、ありがとうございます」と受け取り、
ゲームをやっていたことが、すべてのはじまりでした。
みうらさんはたしか、
シューティングゲームがお得意だと
うかがったんですが。
はい。まわりの人も、
「僕はみうらくんのことは認めたことがないけど
シューティングだけは、神様だ」
とも言ってくれたりしました。
シューティングに関しては、
とにかく僕はすごかったんです。
あるとき、香港に行きまして、
ホテルにゲームコーナーがあったんです。
そこに香港の、近所のちびっ子たちが
観戦しに来るんですよ。
僕がカッチョよく
1UP(ワンナップ)を取ったりすると
「名人が来てる! ウワー!」
というようなかんじで
拍手と歓声が起こったりもしました。
思いも寄らぬところで
ものすごいヒーローになられたんですね。
うん。僕はとにかくすごかったんです。
PCエンジンのゲームに
「カトちゃんケンちゃん」というのがありまして、
おならで敵を倒すという、
いま考えればトンマな内容なんですけれども、
そのときの僕は本気でした。
最終面をクリアするとき、
たまたま友達が見に来ていて
「うぉおおおお!」
と声をあげていましたよ。
僕も、神さまが自分に乗り移って
クリアしたんじゃないか、と思ったくらいです。
それを見ていた友達は感嘆のあまり
「ほんっとにお前は
カトちゃんケンちゃんがうめえなあ!!
カトちゃんケンちゃんをやるお前はすげえなあ!!」
と言ってくれて。
‥‥とてもせまい、そんな気がします。
ええ。しばらくしたらもう、
時代はロールプレイングに移ってしまいました。
ゆっくりやってもいい。
謎がある。知的である。
ゲーム全体が、あのとき、変わりました。
シューティング派としては、歯がゆいですね。
完全に、取り残されました。
かかとにゴムひものあるトレーニングウエアをはいた人が
ガムを噛みながら、コインランドリーで
洗濯物が乾くあいだにだけ好んでやる、
シューティングはそんなゲームになりました。
そんなことが得意な僕になりました。
ところで、クソゲームとは、つまり、
クソをつかまされたような気分になるゲーム、
ということだそうですが。
有名なキャラクターが出てくるゲームは
著作権料がいっぱいかかっているにちがいないから、
技術にかけるお金がないんだろうと
僕は勝手に予想していたんですけれども、
関係ないようです。
だって、こんな場合がありますからね。
パッケージに「暴れん坊天狗」と書いていあります。
これは、
天狗のお面が横スクロールで
なぜか都会のビルをぼんぼんこわしていく、
というゲームです。
さっぱりわからないです。
天狗にはきっと、著作権は払わなくていいと思うんで、
キャラクター使用料うんぬんとは
いっさい関係がないと思うんです。
どこにクソゲーが潜んでいるか
わからないものですね。
みうらさんは動画の最後で、マリオ時代の
ファミコン戦中派のことに話が及ぶと
とたんに語気が荒くなります。
ゲーム初期の荒れ野でズタズタになるまで奮闘した
マリオというひげのおじさんを好きな気持ちは
ほんとうに伝わってきますので、
これは、改めて話をお聞きするとして。
クソゲーもあわせ
こんなにもハマったゲームおよびファミコンに、
みうらさんの28個めの恩返しでした。
(C)1983 Nintendo
みうら事務所に「接待用」として
設置もされたファミコン。
結果、なかなか客が帰らず、
仕事がはかどらないことに。
●おしらせ:
前回の更新でみうらさんが洋服を変えましたので、
7月14日にメールをくださった方のなかから
抽選で3名さまに赤いトートバッグをプレゼントします。
当選された方には「ほぼ日」から
住所などをおうかがいするご連絡をいたします。
次にみうらさんが洋服を変えた
更新日の24:00までにメールをくださった方のなかから
抽選で2名さまに歯磨きセットをプレゼントいたしますよ。
もしかしたらちょっと先のことになるかもしれませんので、
どうぞどうぞ、忘れないでくださいね。