ゲーム界を背負ってひた走った 働き者のマリオに恩返し。



前回フライングなさっていましたが、
今日は待ちに待った、マリオへの恩返しです。
「マリオブラザーズ」などでおなじみの、
ヒゲのおじさんです。
言うまでもありませんが、ゲームのなかの人です。
ゲームのなかの人に恩返しです。



とにかく、これまで何度か言いましたが、
あのヒゲのおじさんがいたおかげで、
いまの平和があるわけです。




みなさん、あくまでもゲームのお話です。
設定はイタリア系アメリカ人で、
オーバーオールにヒゲという
いでたちをしているマリオさん。
ひとつ疑問がありまして、
「マリオブラザーズ」と
「スーパーマリオブラザーズ」では
内容がちがうんですか?




全然ちがいます。
僕が感動したのは、最初に出た
「マリオブラザーズ」ですが
「スーパーマリオブラザーズ」のほうは、
これがまた、ぐんとおもしろくなっていました。
蝦子能収(えびすよしかず)さんが息子さんに
「マリオ買ってきて」と頼まれて、
あの人は麻雀ばっかりやってるおじさんだから
わかんなくて、
でもたまにはいいことをしようと思って買って帰ったら
「"スーパー"じゃない!!」
ということだけでひどく怒られ
さらに嫌われた、というエピソードもあるくらい、
「マリオブラザーズ」から
「スーパーマリオブラザーズ」に移る、
あの時期のゲームの日進月歩はすごかったんです。



僕がいちばん好きなのは
「スーパーマリオUSA」というやつなんですけれどもね。





カメを下から叩くやつは‥‥?




あ、それは"スーパー"がないほうの
最初の「マリオブラザーズ」です。





印象は強かったのですが、
残念ながら数面しかやったことがないです。
あのあとに、動画でみうらさんがおっしゃっている
仏教的な物語が展開されていくんですね。




そうです。
三蔵法師が持ち帰った教典を
マリオが体現している、ということですんで。




ははは、またまた。




いやいや、僕に言わせれば、
孫悟空とマリオは同じなんです。
孫悟空は調子に乗りすぎたら、頭をキキーッと
三蔵に絞められるでしょう。



マリオだって、いい気になっていると
崖から落ちちゃったり
毒キノコをくらったりするんです。
いいですか、おのれがマリオですから、
その日の体調や気分が
全部マリオに出るわけです。
ギャバクラなんかに調子づいて行ったあとに
マリオをやっても、そりゃあダメですよ。




ダメですか。





ダメです。
浮わついた気持ちで
マリオなんて
できないはずです。




ところで、みうらさんの年代の方々がみなさん
「マリオ、マリオ」とおっしゃるんですけれども、
いったい、それまでのゲームと
どこがちがったんでしょうか。





ひとことで言うとマリオは、それまでに
経験したことのない展開だったんです。
あのマリオの何部作かのシリーズは、
「スタ−・ウォーズ」と同じですよ。
僕は「スタ−・ウォーズ」の1作めであるエピソード4を
28年前に、観に行きましたよ。
グウウォォォォォオオオーって、母船が、



グウウォォォォォオオオー
グウウォォォォォオオオー



グウウォォォォォオオオー
グウウォォォォォオオオアアアア



グウウォォォォォオオオアアアア
アアアアアアーーーー
まだかよ!!



という、息もつかせぬ、あの展開。
いまだったらびっくりしないかもしれないけど、
当時はすごかったんです。
マリオには、あれに通ずるものがありました。
だから、きっと、エピソード1とか2とか
マリオがまだ幼かった頃の話が
これからどんどん出てくると思うな。
マリオのお父さんの、ブリオ、ボリオとか。




そんな名前じゃないと思いますが。




ワリオだけじゃないんですよ、関係者は。
ビリオ、ベリオとか。




オーバーオールを着た、気ままなヒゲの働き者が
ピーチ姫に巡り会う瞬間に至るまで、
崖から落ちた自らの腐乱死体の山を
いくつ築き上げたことでしょう。
初代ファミコンをもっておられる方、
もしいらっしゃいましたら、
押入れの奥から取り出して、
マリオのソフトを入れ、
どうぞスイッチを押してみてください。
ひたむきにがんばっているヒゲ男の、
その二次元の小さな背中が
いまの華やかなゲーム界を背負っています。
ふだんあなたがやっているいまのゲームがおもしろいのも
赤青のヒゲ男のおかげです。
チャチャッチャッチャチャーチャ♪ピョ−ン
みうらさんの、29個めの恩返しでした。




(C)Nintendo
マリオは、時とともに顔や衣装が変わっていった。
「マリオブラザーズ」「スーパーマリオブラザーズ」ともに
「ファミコンミニ」として、
昨年任天堂からソフトが復活販売されていた。


マリオ
ゲームのキャラクターの名。
赤い帽子と口ひげがトレードマーク。
1985年に任天堂から発売された
「スーパーマリオブラザーズ」の発売で人気が爆発し、
世界的キャラクターとして認知されるようになった。
ゲームのキャラクターの、元祖的存在。
弟の名はルイージで、帽子の色は緑、
お兄さんよりちょっと背が高い。

スター・ウォーズ
1977年に公開されて以来、
全世界で大人気シリーズとなったSF映画。
製作はジョージ・ルーカス。
黒いかぶとをかぶったダース・ベイダーや
金ぴかのインテリみたいなロボットC-3P0、
耳が大きく身長66センチのおじいさんヨーダなどが登場する。
エピソード4→5→6→1→2→3の順で公開された。
トップページへ戻る


2005-07-21 THU
(c) Hobo Nikkan Itoi Shinbun 2005