すばらしいゲーム作家の方々は
たくさんいらっしゃいますが、
なかでも任天堂の宮本茂さんは、
スターですね。
いいんだよなあ、あの人は。品があって。
お会いしたことはないんですが、
ほんとうにおもしろいものをつくる人って
ああいう人のことを言うんだなあと思います。
ノーベル賞もさ、早くあげとかないと!
(あきれたかんじで)ほんと、どうすんのかねえ。
まったくです。
もうね、レコード大賞でもいいですよ。
は?
みんなが「すげえなあ」と思う賞なら
とにかく何でもいいんですよ。
早く宮本さんにあげないと。
何してんすかねぇ、ほんとに!!!
そ、そうですね、
何をのろのろしてるんでしょうか、世の中は。
宮本さんは、海外での評価も高く、
ポール・マッカートニーに
サインを求められたことがあるというお話もあります。
ああ、聞いたことある、それ。
わかってんじゃん、ポール!
僕はポール派じゃないんですけどね。
みうらさんは、ジョン派でしたね。
(※みうらさんは
ポール・マッカートニーだけでなく
シルベスター・スタローンなど、
たれ目がちな方には
ピンとこられないようです)
うん。でもポールは、そのあたりのことを
ちゃんとわかってるんですよ。
ポール・マッカートニーは、宮本さん、
で、
ポール・サイモンは、阪神タイガースが
好きなんですよね。
えぇぇぇええ?
わ‥わざわざニッポンの球団を?
わかってらっしゃるんですよ、
おふたりとも。
世界には、わかってらっしゃる方が多いんです!
ややや、ちょっとクーラーを入れましょうか?
力が入って、暑くなっちゃったよ。
あああ、涼しいです。
(みうらさんは撮影時、暑くなると
窓を開けることで解決なさり、
「俺はクーラーが嫌い」と
無言でおっしゃっていましたので、
みうらさんをはじめ一同、いつもは汗だくで
「恩返し」をお送りしております)
ファミコンやゲームに関する話になると、
さすがのみうらさんもクーラーなしではいられない。
ちょっとキレぎみになられる、
その理由をお聞かせいただいていいでしょうか。
初代ファミコンで闘ってきた
ファミコン戦中派としては、
「わかってないやつが多すぎる」と、
僕はきっと思い込んでいるんだと思うんです。
でも、容赦はしません。
たわけたことをいうやつは、
たいてい撃沈させています。
いま、ゲームはここまで進化しました。
もう、みうらさんは
家庭用ゲームで遊ばれることはないですね。
いやいや、やりますよ。
各メーカーの新しい機種を、ちゃんと持ってるし。
でもね、若者、特に子どもには
勝てなくなってきちゃったんです。
あの人たちは、もう手がそう「なって」いるんです。
僕らの時代の手といえば、
夏木マリさんかポール牧さんしかなかったからね。
だいたい、ボタンが
コントローラーの裏にあるのが、もうだめです。
でも、どうしても子どもに勝ちたくて、
いとうせいこうさんとふたりで組んで
子ども相手にボンバーマンでいやらしい作戦をして
泣かせてしまったこともあります。
何をしてるんですか。
ひどいことをしましたね。
みうらさんは、宮本茂さんのことを
まるでディズニーランドのようだ、と言います。
マリオ、ゼルダをはじめ
宮本さんが生んだゲームソフトは
時代時代の限られた技術のなかで、
クリアする醍醐味、息もつかせぬストーリー、
女性も子どもも虜にするプリティさなどで、
ゲームのエンタテイメントを一気に開花させました。
顔のうえでゴキブリをつぶすことでしか
女性に頼られることのなかったみうらさんに
ひとすじの光をあてたのも、宮本さんでした。
(くわしくは、動画でごらんください)
熟練した腕を持つみうら老兵は、
そういいながらもまだまだ次の戦地で
闘っていくことでしょうし、
宮本さんはたくさんのゲームを
ニッコニコしながら生んでいかれることでしょう。
これからも、たのしい時間を、みんなが待っています。
宮本は、武蔵ではなく、茂。
みうらさんの、30個めの恩返しでした。
(C)Nintendo
トップオブ日本が誇る偉人、宮本茂。
「ほぼ日」にも、何度か登場していただきました。