飛び出し坊やは、
道に飛び出す男の子(女の子の場合もあります)を
イキイキと描いた、
道路端に立てられている看板のことです。
子どもが飛び出してくる危機感を
ドライバーに喚起するためにあるものですが、
これは、局地的な文化だそうで、
おもに近畿地方に発生しているそうです。
特に、滋賀県ね。
滋賀県は背後が常に琵琶湖ですから、
人は、前に飛び出していくしかないのでしょう。
滋賀県の、ある街道には、
連続でこいつら(飛び出し坊や)が
建物の角からやたら道をのぞいていて、
かえって運転が危ないくらいの状況になっています。
琵琶湖周辺に足を踏み入れると
「人間がゾンビに負けてるな」という思いが
ひしひしとしますよ。
飛び出しの国か?!ここは!
というようなありさまです。
坊やの人数が多すぎなんですね。
そもそもこの看板は、効果があるんでしょうか。
これは、もはや交通安全目的ではないでしょう。
お地蔵などさんと同じ、
道祖神の域に入ってきていると思います。
そもそもの役割は
ここは子どもが多い地域ですよ、というメッセージを
視覚に訴える、ということですね。
飛び出し坊やは、小学校の近くなどに
たくさん設置されているのですが、
滋賀県だけは
そんなことに関係なく
全域にあります。
子どもの姿がまったく見られないソープランド街でも
こいつら、たくさん飛び出していましたからね。
各看板をよく見ますと、
「帽子はこうなっていたんじゃないだろうか」
「ちょっぴりオリジナリティを出したほうが
いいんじゃないだろうか」
と、描きっぷりがそれぞれ気弱ですね。
これは私たちに、
おもに「伝来」という事象について
教えてくれていると思うんです。
たとえば仏教も
中国から日本に伝来してきたわけですけれども
「まんま」伝来しているわけじゃないんですよ。
おおもとのインドとはまた違う、
各国によるアレンジが加えてあるというところに
おもしろさがあるんです。
インドで女性だったはずの像が
日本に伝わって胸がやけに小さくなって
結局男か女かわからなくなったり。
それがいわゆる伝来ミスです。
何かの事情があって伝来ミスをしたものもあるし
逆に事情がわからなくてしかたなく
伝来ミスをしたものもある。
伝来ミスの原因としては、
「隣町にあるから、うちの町内にも看板出しておこうか」
という「とりあえず伝来」が
ひとつの引き金になっている、という気もします。
滋賀県出身のT.M.Revolutionさんは、
飛び出し坊やの存在があまりにふつうになりすぎていて
道に奴らが立っていることすら
はっきりわかっていなかったようでしたよ。
ですから、看板の効果は、もうないと思います。
それを証拠に、この制度は
全国に広まっていませんものね。
じいさんも飛び出すし
すごく見晴らしのいい田畑からも飛び出すし
かと思えばこっそりいるし
さらにこれはもう怖いので
始末したほうがいいと思います。
滋賀県で4500円で売っていたという
飛び出し坊やの看板を
みうらさんは迷わず購入しました。
うれしそうに坊やが設置されたみうらさんの事務所には
残念ながら飛び出してくるものはありません。
みうらさんオリジナル飛び出し坊やファイルを
もっとくわしくネッチリとごらんになりたい方は
豪華版! みうらじゅん解説ムービーを
クリックしてごらんください。
いつか、琵琶湖を背に立ち、
飛び出し坊やの気分を味わいたいものです。
みうらさんを夢中にした飛び出し坊やに、
48個めの恩返しでした。
常人では考えられないほどたくさんの
「飛び出し坊や」を撮影しているみうらさんは、
ついに本体を販売している店を見つけ、
これを購入、事務所玄関に飾っている。
飛び出し坊やは、
みうらじゅん事務所を訪れるスタッフや編集者、
友人たちを今日も元気に出迎えている。
ラストに近づいてきましたので おたよりコーナー |
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いつも楽しく読んでいます。 曼荼羅のようなプリントのシャツは 天狗などを語るのにぴったりです。 みうらさんは、このようなファッションを、 どういうところで、お買い求めになるのでしょうか。 (くろまめ) |
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もうすぐ終わっちゃうなんて淋しいです。 みうらさんの衣装替えも楽しみのひとつでした。 「あ、この服ラジオで着てたやつだ!」とか 思ってました。 今日のシャツもガイコツ柄でちょいワルですね。 ソファで立っている風太くんも見逃しませんよ。 ラストまで楽しみにしています。 (なな) |
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