田島貴男の
2004年 オレの
5大ニュース(予定)。
2004年も残すところ、あとわずかとなりました。
そんなときに焦っている男がひとり、
オリジナル・ラヴの田島貴男さんです。
「いまからオレは今年の5大ニュースをつくります」
そもそもニュースは"つくる"ものではないですが、
誰からのオーダーもない状況での
無駄ながんばりが得意です。
5つできるかどうかわかりませんので、
タイトルに(予定)とつけさせていただきます。
日本全国を(いや、世界を?)田島貴男さんが
オレのニュースめがけて駆け抜けます。

田島貴男さんプロフィール

ニュース その1
飛行機整備工場でハート奪われる。


ニュース前




ニュース後

第1回
天文物理に
無駄にくわしいミュージシャン。


「オレの5大ニュース」の
記念すべきひとつめのニュースに
田島貴男さんが選んだのは「飛行機」でした。
まずはこの際「やりたかったことをやってみよう!」
と思っているふしがある、田島さんです。

「どうもみなさん! 田島です。
 飛行機にはつねづね興味がありまして、
 サン・テグジュペリの『星の王子さま』だったっけ、
 いや違う違う、『夜間飛行』か。
 あの本を読んで、オレもいつか操縦したいなあ、
 と思ってね。
 調布にある飛行場にもよく行ってるんです。
 あそこにサ店があって、
 い〜い作詞ポイントなんですよね、
 ッハハハハ!

のっけからハイテンションです。
今回見学させていただくのは、
羽田空港の整備場地区にある
ANA機体メンテナンスセンターです。
ここは、前もって予約をしておけば
誰でも無料で見学ができるんですよ。


館内ロビーにある立看板から顔を出し、
はしゃぐ田島さん。


工場のロビーには、使わなくなったコックピットが
設置してあります。さっそく腰をおろし、
スイッチ類をやたらさわります。
「こーれは、男の子ゴコロをくすぐるね。
 オレは電車マニアだったんですよ、ガキのころ。
 畳のヘリにそって電車をはしらせてさ、
 あのころの気持ちを思い出します」
 

ごちゃごちゃしたスイッチ類に心魅かれるかんじは、
男であれば、誰もがわかる喜びですね。


田島さんは、岡本太郎の特集コンテンツ
「なんだ、これは!」で、
Tシャツに銀河の絵を描いたことから
宇宙に興味をお持ちなのだとは思っていましたが、
飛行機が好きなことは知りませんでした。
待ち時間は、宇宙話に花が咲きます。
「宇宙情報系は、アツいですよね、ここ何年かは。
 ハッブル宇宙望遠鏡の写真、サイトで見ました?
 あとね、あれだよ、火星に水の痕跡があったとか、
 知ってます? あっ、知らない?
 でも、生命がいたかどうかはわかんないよねえ。
 地球だって、30数億年までは何もなかったんでしょ?
 カッシーニの画像も見た? 土星の輪。
 あーれ、やばかったっすね!!(以下略)」

とかなんとか話しているうちに、
工場見学のはじまりです。
まずは、教室に入って
飛行機についてのレクチャーを受けます。
机には「ようこそ、機体メンテナンスセンターへ」
と書かれたしおりがスタンバイされていて、
飛行機のこまかい部分の名称が記されています。
「こういうの、見るだけでたのしいじゃん!」
ウキウキワクワク度が高まります。


頭ひとつぶん出ているのが田島さんです。

今日いっしょに見学をするのは、
小学生が約30名、
おじさまがたの団体が約20名、
そして、アテンダント研修とおぼしき
ギャルのみなさんが10名ほどいらっしゃいます。
こうやって授業を受けるのは、きっと久しぶりですね。
田島さんは、どんな生徒さんだったんですか?
「すっごい睡魔に襲われて、寝ていると
 先生にバーンってどつかれて、
 みんなに大注目された瞬間にヨダレがバーって垂れて
 爆笑されたことがありました。
 でもオレは起きた瞬間
 なんでみんなが爆笑してるのか、わかんなかった。
 先生も笑ってたよ。
 でも今日は寝てらんないな!!」

そうです、子どもたちの手前ということもあります。
おっ!!!
先生が話しはじめたとたん、カバンから
ノートを取り出した田島さん。



ここにいるどの生徒よりも
「やる気」でいらっしゃるようです。
めちゃめちゃノートを
とりまくっています。
見渡しても、こんなに熱心な生徒は
やはりほかにいません!!
何やらわからない「気」があたりにみなぎっています。



授業は、たのしいクイズ形式で進みます。
なになに、正解すると全日空のシールがもらえる?
これは、いやがおうにも燃えてきますね。


よっしゃ、やるぞ! 子ども相手にメラメラしています。

先生からのクイズ、まずは第一問目です。
「同じ飛行機でも
 国内線と国際線では、お客さまの数が違います。
 国際線のほうが乗客数が少ないんです。
 それは、あるものを、国際線では
 よけいに積まなくてはならないからです。
 あるもの、とは、いったいなんでしょう?」

さすが田島さん、すぐに正解を思い描きました。
燃料に決まってるじゃん!!
「ハイ!」「ハイ!」
手を挙げる、小学生と田島さん。
しかし、先生からは指されず。
田島さんは目に見えて
ショボクレ気味になってしまいました。
くそぅノートとってないくせに、と
心の声が聞こえるようです。
くじけるな、のっぽ番長。

そんなMr.ショボクレに次なるクイズが。
「395トンの重量の機体を離陸させるための
 エンジンの力は何トンでしょう?」
田島さん、考え込みます。
「うう〜うう〜4000。 4000トンッ(小声)」
しかし先生は、ホワイトボードにこう大書しました。
「エンジンの力=105トン」
ははあ、ちょーっとはずれてしまいましたね、番長。
ああ、みるみる番長の顔が暗く
なっていきます。
「そうか‥‥バカだなオレ‥‥、
 翼だ、翼だな」
翼の力を計算に入れていなかった自分を
小声で責めつづけています。ものすごい闘志です。
空の神さま、どうか田島さんに答えるチャンスを!

「クイズもそろそろ終盤ですよ。
 東京からニューヨークまで行くには、
 地球の円周の約4分の1を飛ぶことになります。
 さて、ここで質問です。
 地球の円周は何キロでしょう?」
シーン。
子どもたちは静まりかえっています。
「まだ習ってないよ」

ここで、わけもなく天文物理学にくわしい
ミュージシャンの手が、
勢いよく、教室の天井に届かんばかりに
上がりました。
先生「はい、そこの黒い服のかた」
「4万キロ」

先生「正解!」
ああ、番長、シールゲットです。
「いいっすね、これ。机に並べとこ」
よかったですね。
教室内にあたたかい拍手が起こっています。
「もう今日はこれで帰ってもいいくらいです」
よかったです。よかった。
「でもさ、そうとう楽しいよね!」
ほんとうによかったです。
みなさまは、そのもようを動画でどうぞ。
(↑こちらをクリックしていただくと、動画をごらんいただけます。)

(次回につづく!)

田島さんが執念でゲットした
クイズの賞品、つまりANAのシールを、
「5大ニュース」第1回記念として
1名様にさしあげます。



ご希望の方は、件名を「5大ニュースシール」として
postman@1101.comまで
メールにてご応募くださいね。
締め切りは11月25日20:00まで。
当選された方には、「ほぼ日」より
メールでご連絡を差し上げます。
(必ず連絡の取れるメールアドレスからご応募ください)
田島さんへのメッセージや感想などを
お書き添えいただければうれしいです。

最近の、オリジナル・ラヴ

『街男 街女』(ポニーキャニオン)

10月27日に発売されたニューアルバム。次々と進化を遂げるオリジナル・ラヴの真骨頂ともいえる1枚です。聴き終えると、映画を観たあとのように、ある街の情景がうかんだり、フィクションでつくりあげられた人物をあじわったような気分に。ひとつひとつの歌詞に秘められた奥深さ、吟味されたメロディーと、そこにぶつけられた田島さんの力強さが聴くたびに心にせまります。 

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2004-11-24-WED

POMPEII
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