田島 |
とんでもないところに来ちゃったな。
うわー、こえええよ運転が。
いまのとこ、あきらかに横は崖でしょ?
名人の車、スピード落とそうよ!
山を熟知してるね、あの走りは!
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── |
どんなようすで走っているのかを知りたい方は、
こちらの動画をどうぞ。
(↑こちらをクリックしていただくと、動画をごらんいただけます。) |
田島 |
どうしよう、カーブが多すぎて、
名人たちの車が見えなくなっちゃったよ。
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── |
おそらくここから先は一本道でしょうから、
ゆっくり走っても大丈夫じゃないでしょうか。
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田島 |
そうだな、焦らずに行こう。転落はいやだし。
しっかし、待ってないね、名人たちは。
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── |
待ってないですね。
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田島 |
姿が見えなくなって随分たつけど、
ほんとにこっちでいいんだろうな?!
ッハハハハハハハハハハ。あれ?
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── |
あれ?
そこには、予期していない光景が
広がっていました。
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田島 |
行き止まりだ。
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── |
行き止まりですね‥‥。
名人たちの車が、消えた?
どこかで、道が分かれていた?!
背筋ズワワワー!!!
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田島 |
やばいよ、これほんとにやばい!

あたりは物音ひとつしません。
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── |
一大事です。
キノコを狩ってもいないのに
名人たちとはぐれてしまいました。
どうするどうなる、オレのニュース2005!
山奥で行き止まり、携帯電話はもちろん圏外、
完全パニックで青ざめても
高笑いの我らが番長をごらんになりたい方は、
こちらの動画をどうぞ。
(↑こちらをクリックしていただくと、動画をごらんいただけます。)
さて、こういった状況でどうするかというと、
これまで来た道を戻ることしかできません。
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田島 |
どぉぉすんだよ、ね?
さっそくはぐれたね。
どこではぐれたんだろうな?
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── |
ですよね? |
田島 |
ハハハハハハ。
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── |
ハハハハハハ。
暗黒の不安が募りますが、
こんなとき、人間は、皆とりあえず
人形のように明るくなるものです。
‥‥あ、遠くから人影が!

おおーい。ぜえぜえ。ハアハア。
西田さんです! |
田島 |
助かったな。
いま、命を完全に拾った音がしたな!
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西田 |
いやいや、驚いた。
奥が行き止まりでよかったです。
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田島 |
あのままずっと道がつづいていたら、
身も心も永遠に
走りつづけていたところです。 |
西田 |
車が速くて困ったでしょう。
みんな、山しか見てない人たちだから。
もうちょっとゆっくり、って
何度か言ったんですけど。
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田島 |
いやいや、
にゃはははは。 |
── |

みなさんとふたたび合流できました。
番長、よかったですね。
死、と思いました。

心からホッとしたようすです。 |
田島 |
びっくりしたね。
ま、イナゴがあるから大丈夫だと
思っていたけどな!
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── |
では、今日の案内をしていただく
キノコ名人3人をご紹介します。
左から荒谷博さん、西田誠之さん、
中山民男さん、です。

最強のキノコ名人トリオ。よろしくお願いします。
山道ぶっとばしカーを運転していたのは
右端の中山さんです。
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田島 |
さあて、採りまくるよ、今日は。
でも、はぐれないようにね!

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中山 |
この山は、はぐれてしまうと、
ぜったいに出てこられないからね。 |
── |
ええ? そうなんですか?
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荒谷 |
まったく方向がわからないと思います。
迷ったときは、
そこから動かないようにしてください。
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西田 |
動くと、どんどん迷うからねぇ。
以前、私の友人は、山で迷ってしまって、
抜けられる道があると思ったらしく、
迷ったまま移動してしまったんです。
そして、とうとう最後は、
履いていたズボンだけになって
帰ってきました。 |
── |
そうなんですか。
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田島 |
‥‥くれぐれも、はぐれないようにしないとな。 |
中山 |
ま、だいじょうぶだよ。
ここは、ハイヒールでも入れるような山だから。 |
── |
ところで、
このあたりはクマは出るんですか。 |
中山 |
出るよ。
ほら、あそこに先を折ったような
木があるでしょう。
ああいうのは、クマの仕業。
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田島 |
ちょっとぶたれるだけで、
手が吹っ飛んだりするんですか?
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中山 |
おお、するよ。
だから、最初の一撃を
かわさないとだめなんだ。
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── |
番長、注意するのは
クマの最初の一撃だそうです。
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田島 |
そんなこと言われたって‥‥、
防御のためのナイフなどを
持っていったほうがいいんでしょうか。
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中山 |
いんや、クマには、刃物使っちゃだめだよ。
クマを傷つけたら、
もう二度とその山には、人間は入れないから。
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西田 |
でも、これだけ人数がいれば、
彼らも利口だから、出てこないでしょう。
もし、実際にクマに会ったら、
きっと動けないと思います。
私は、過去に何度か出会ったことがありますが、
やっぱり少しも動けず、呆然としました。
知りあいに、クマに背中に乗っかられて
頭の骨を5~6回ゴリゴリかじられた人もいます。
完全には噛み砕かれなかったから、
一命はとりとめたんですけど。

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田島 |
ええええー!!
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西田 |
ま、アゴは取られましたけどね。
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田島 |
えええええー!!
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荒谷 |
ま、大丈夫でしょう。
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中山 |
じゃ、出発しましょう!
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── |
えええ?
もうですか。
あたふたあたふた。
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田島 |
ほら、置いていかれちゃうぞ!
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