── |
中山さんが
なにやら発見したようです。 |
中山 |
これはカバノアナタケといってね、
ロシアでは薬なんだよ。
がんの特効薬って言われてる。
木も感染しているから、木を削れば
多少の薬効成分はあるんだよ。 |
── |
中山さん、目が光っています。

中山さんが
カバノアナタケを採取しているあいだ、
周囲には、つかの間の
ホッとした時間が訪れたようです。
番長は、西田さんの説明を
熱心に聞いています。
 |
西田 |
この、小さくプツプツしているのが菌糸です。
これがキノコの本体です。

キノコは、よく言われるようにカビの仲間ですが、
植物でも、動物でもない、菌類という生物です。
菌類といっても細菌などとはちがって、
私たちと同じように、ちゃんと核を持っている、
進化した生きものなんですよ。
キノコは、菌糸が
自分の子孫を残すためにつくり出す生殖器官、
植物で言えば、花にあたります。

大好きな理系の話で、番長は興奮気味です。 |
── |
キノコは、植物をはじめ
地球上のいろんなものを分解する、
たいへん大きな役割を果たしているのです。
番長がたいへん熱心に聞いていた
西田さんのやさしい解説を
こちらのページでごらんください。 |
田島 |
うーん、キノコは
比較的新しい生きものなんですね!!
見た目は、すごく原始的ですけれども。 |
西田 |
いまのようなキノコをつくる菌類が誕生してから、
まだ、2億年から1億年といわれています。 |
── |
中山さんは、カバノアナタケを
すっかり採り終えて、
またすごい勢いで進んでいます。
番長と西田さんが
なかよくキノコを採るするようすを
動画でごらんください。
(↑こちらをクリックしていただくと、動画をごらんいただけます。)
ワサビタケを味見したり、
いまキノコ界で注目のヤマブシタケを、
採っている映像も見られます。

アイシメジ発見。
黄色くて、見わけのつきやすいキノコです。 |
西田 |
アイシメジは、うまいですよ。
みそ汁に入れたり、サッとゆでて
大根おろしやワカメとあえたり。 |
田島 |
採ろう採ろう。
いっぱいあるな!

ドッチャリ採ってこ!

採って食おう!

ガー! |
── |
番長、こんなことをしているうちに
また置いていかれています。 |
田島 |
死、という言葉が、よぎった。
ギャハハ!
急ごう! |
西田 |
中山さんは、どうやら
ホンシメジをさがしているようなそぶりだねぇ。 |
田島 |
荒谷さんは?

荒谷さんは森と一体化しています。 |
西田 |
あ、ここはクマがいましたね。 |
田島 |
でぇぇ! |
西田 |
あの木を見てください。
先が折れているでしょう。
クマが登ってドングリを採ったあとです。
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── |
クマに会いませんように、会いませんように。
ここからしばらくは、また、
いちめんの薮のなかを進みます。
道のない薮をかきわけて歩くことを
キノコギョーカイ用語では
「薮こぎ」と言うそうです。

足がからんでからんで。 |
西田 |
木に逆らわずに歩いてください。
くたびれちゃうからね。
かなり山慣れた人でないと、
ちょっときつい場所です。 |
── |
うぷぷ、いま、薮が自分の身長を超えました。 |
田島 |
こりゃ迷宮だね。
こんなとこ、ひとりで入ったら
命がいくつあっても足りないよ。 |
西田 |
いやあ、これは本格的な
キノコ狩りですよ? |
田島 |
そうですよね。
だって、もう、
びっくりしてるもん、
現在、我々! |