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■ニュース
その2■
星空につづく道。
第3回
限界。
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田島貴男番長率いる一行は、
緑色の砂浜をもつといわれるビーチで
ひと泳ぎすることを本日の目的に掲げ、
いま、過酷な道のりを進んでいます。
ぜえぜえ、番長、
どこでしょう、ここは。
「ぜえぜえ、原始地球みたいだね」
ぜえぜえ、果てしないですね。
「ね‥‥、
ずーーーーーーーーっっと向こうに、
人が見えるよ。
ずーーーーーっっっっっと向こうだよ!」
ゴツゴツした岩の勾配もまいりますが、
道がひらけたらひらけたで、
はるか遠くまで何もないことがわかり、
完全に、途方に暮れますね。
「果てしないな」
番長、ガイドブックには
徒歩1時間程度と書いてありましたが、
もう1時間以上、歩いてますよね。
遭難していませんか?
ああ、機材が重い。
ああ、い、いたたたた。
「ど×××××ー?」
ちょっと離れると、風が強くて声が届きません。
番長ーーーー、足から火、火が吹きました。
「×××××?」
おしゃれサンダルの靴ずれにより
一気に形成された水疱4つが
すべて破裂しましたーーー。
前にも後ろにも
一歩も動くことができませんーーー!
すみませーーーん!!
「××××!」
なんですかー?
「おーい」
「見えたぞー、
どうやら着いたらしいぞー」
靴ずれしたスタッフは、ここから先、
もはや人類であることを忘れ、
地面を這い進みました。
写真を撮る余裕メーターがゼロでしたので、
ここからビーチまでの画像がないことを
みなさまどうぞお許しください。
たどりついたのは、
こんな場所でした。
ビーチへは、とどめのように断崖を降りなくてはならず、
泣くほどつらかったです。
砂が抹茶色をしていました。
ここに来るまであまりに強風だったため、
全員がはっきりと
わかりきっていたのですが、
ビーチは遊泳禁止なみの高波です。
しかし、ここまで
泳ぎをがまんしてきた番長です、
何も言いません、日が暮れる前に
泳いでください。
果敢に海に挑むのは
番長と、ちょっと恰幅のいい
おじさんのふたりだけです。
「泳げたもんじゃなかったが」と語る
番長のようすを、
動画でごらんください。
「じゃ、ま、泳いだことだし、
メンバー1名の足の傷が膿んで
腐る前に帰ろっか!」
ありがとうございます。
足の靴ずれ水疱から流血、
血という血に砂がこびりつき、
もう、よくわからない時代の生物の足に
なり果てましたよ。
そして、泣きっ面に蜂の帰り道、
サンダルの紐が摩耗により切断。
下はゴツゴツした岩ですので、
指で靴底をつまみながら進むしか歩行法はありません。
帰り道は地獄。
一瞬、何もかもがどうでもよくなる境地に
陥りました。
日が暮れる前に車にたどりつく自信は皆無です。
暗い気持ちをたずさえ
1ミリずつ進む牛歩なメンバーに向かって
クルリと振り返った番長は、
このような声をおかけになりました。
カメラマンの心の限界を通して
映る番長を、動画でごらんください。
「長さんだよ」と言われた瞬間、
すべての力が抜けました。
すべての力が抜けて地面に伏せていると、
なんと、天からの使いがやってきました。
この車です。
車の中の人
「へーイ!
乗ってく(英語)?」
「乗る乗る!
めっちゃ、乗る乗る!!(日本語)」
悲惨なオーラの一行は、
どこの誰かわからないミックスグループ風のみなさんの、
オフロードジープの荷台に乗せていただきました。
命を拾った音がしました、ほんとに。
ハワイの陽気で親切なジープ乗りに
あつくお礼を言い、初日が終わりました。
明日は当初の計画どおりに
血だらけの足のスタッフにもオフは与えられず、
朝の8時に集合、ヒロの街へ向かいます。
ありがとうありがとう。
みなさん、まだメインはこれからです。
メインはマウナケアです。
明日につづきます!
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