またまた帰ってきた!
田島貴男の
オレのニュース



ニュース その2
星空につづく道。

第9回

番長の高山病。


すばる訪問を果たした田島貴男番長を乗せ、
BIGTIのバンは、
マウナケアの山頂から降ります。

4200mの高山で
知らず知らずのうちに体力を使い、
一行は思いのほかフラフラです。
舗装されていない山道を走るバンは
容赦なく揺れますので、
クルー全員、
顔がちょっぴり蒼白になりつつありました。

これはいけない。

暗黙の了解のように、クルー同士が
「おつかれさまです」と目で合図を交わし、
車の窓にもたれ目を閉じようとすると。


隣席よりひじょうに強い視線が注がれます。

これにはどうしても
気づかずにはいられませんでした。
気力をふりしぼって応答するほかに
天よ、いったいどうしろと言うのですか。

「どうしたの? 暗いよ?」

みなさま、はじまってしまいました。
思えば、この「オレのニュース」開始以来、
これまでいろんなことがありました。
ほんとうにいろんなことがありましたが、
この1時間が史上最高の番長地獄でした。
しかし、むりもないのです。
興奮さめやらぬ気持ち、わかるのです。
少なくとも、頭の中では
理解できております、番長。

まずは、バンがどの程度揺れていたのか、
車中がどれほど静まり返っていたのか、
番長のエンジンがいかに絶え間なく
かかりつづけていたかについて、
こちらの動画でご確認ください。



「オレ、ちょっと調子づいてきたなあ。
 寝てる人を邪魔したくなってきた、っつの?」

ね‥‥寝てませんよ。
(涙が出るほどわかりやすい牽制ですね)

「でも、ほかは全員寝てる。
 惜しいなあ!
 いまのオレは、
 人の心をくすぐるギャグ、言うよ?」



はあ、ぜひ、お願いします。

「だいいち、グルーヴが来てる。
 いま歌ったらすごいよきっと」

歌‥‥歌はいまはちょっと‥‥
みなさん寝ていらっしゃいますし、
そうですよ、夜ですよ、今日の夜、
昨日買ったいいウクレレで歌ってください。

「夜?
 夜、オレがショボーンとなってたら
 どうすんの?」

じゃ、もうすぐヒロですから、
ヒロに到着したら歌ってください。

「ヒロ?
 ヒロでオレがショボーンとなってたら
 どうすんの?」



‥‥‥‥どうしても
どうしてもいま?!

目についたものについて
片っ端からコメントする恐ろしい症状が出た
番長の次の地獄の映像をごらんください。



「いやあ、しかしね」

番長の、意味のない接続詞
(だけどさ、や、しかしね)
による、やるせない苦痛感が
急速急上昇してきました。
頭痛と激しい睡魔で、
最高に気持ち悪い‥‥
‥‥‥‥??



「ベーブルース」

‥‥‥‥

影絵?
やるに事欠いて影絵でしょうか?
何の因果で
ハワイ島はマウナケアで、
いい大人の男性による影絵を
見なくてはいけないのでしょうか。

「これはね、
 えっと、恐竜」



‥‥‥‥。

「バーウワウワウー」



‥‥
何ですか、それは。



「わかんない。
 くすくすくすくす‥‥眠いの?」

眠いこともありますが、
どちらかというと
わりに不調です。

「うそ?
 オレはすごくこんなにいいかんじだよ?」



みなさま、番長の影絵、
ごらんになりたいでしょうか。
こうなったらごらんください。どうぞ。



あのですね、
番長が話しかけるタイミングが、
眠い人間を起こす、
いいかんじにうっとうしい速度なんですよ。

「ギャハハハハハ!」

連続して話していただけると、
まだ起きていられるんですが。

「ぽつぽつと、だもんな?
 ちょっと眠くなってきたかな、と思うと、
 パーッと起こす」

そうそう、そうです。

「そうだよ、わかってんじゃん?
 キャハハ!!」

眠りにおちようとしているときに
脈略も深みもまったくゼロなことを、
しかもぽつぽつと言われると、
心底つらいです。

「だってさー、
 ただ起こしておきたいだけなんだもん、
 ひとりじゃ暇だから」

‥‥‥‥。

隣人を眠らせないためだけに、
これだけの情熱を注ぐ人、
それが田島貴男さんです。



ついにおなかも空き出して、
ダジャレを言って自分でツッコむ、
もはや手に負えない
番長地獄の最終章をごらんください。




もう、ふくろうの話は、いいです。
ヘトヘトです。

このあとバンはヒロに到着し、
番長はイミロア天文センターで
フィルム上映とプラネタリウムをたのしみ、
ばっちりランチをとっておられました。

一方、番長地獄の落雷に遭ったクルーは、
完全アウト状態に陥り、
もはや人類であることを忘れ、
ベンチでわき目もふらず
うつ伏せ寝になっていました。
プラネタリウムはすばらしかったそうです。
ものすごく惜しいと、
番長に半怒りされました。


天文センター

いま思えば、車中のハイテンションが
番長の高山病だったのかもしれません。

これよりふたたび、夕陽と星空を見るために、
夜のマウナケアに登ります。



明日につづきます。

最近のオリジナル・ラヴ

『東京 飛行』(ポニーキャニオン)

2006年12月6日に発売された、
オリジナル・ラヴの
通算13枚目のアルバムです。
先行シングル「明日の神話」を含む全11曲。
かなりカッコイイ一枚です。
「オレのニュース」を読みながら聴くと、
両方のすごいギャップと、奇妙な一致点を
味わっていただけるのではないかな、と思います。


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2007-03-07-WED

POMPEII
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