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■ニュース
その2■
星空につづく道。
第10回
地球の影。
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田島貴男番長は、ふたたび、
マウナケア山頂に向かいます。
標高4200mの場所から、地球の淵に沈みゆく
大きな夕陽を眺めるため、
そして、澄んだ夜空に現れる
数えきれない星々に会うために。
車内で宇宙食を試食。わくわくして移動しています。
「いよいよだな。
いい天気じゃーーん?」
そう言いながら
うれしそうに肘でつつく番長の笑顔は、
我々クルーにとって、
この旅最高の贈りものです。
ほんとうに、まったく、冗談のように、
空には雲がありません。
“晴れるといいですね”
“日本から祈っていますよ”
“番長一行がいつハワイに行くのかわからないけど
毎日ハワイ島の天気予報をチェックしています”
日本を発つ前に、みなさんから
メールをたくさんいただきました。
ほんとうにありがとうございます。
番長、 これまでの数多の苦行が
報われる瞬間がやってきましたね。
「ププププ、
すべてがここにつづく道だった、
ってことだな」
さて、ここからのガイドはBIGTIの
ショーンさん(しつこいギャグ好き)です。
山頂に向かうバンは、満員御礼状態です。
カッ飛ばしガイドのショーンさん。
ショーンさん
「ハーーーイ! 右手に見えるこの岩ね、
2ヶ月前まで、なかったんだけど、
これ、隕石なんです。
2ヶ月前に落ちてきたの!」
へえええええ。
ショーンさん
「あらー、みなさん、信じた!!
そォォんなわけないでしょう。
隕石だったら
NASAがすぐ来て持ってちゃうよ、
ヒャハーーーッッハハハハ、
ヒーーーーーハウーー!
オンモシロイネェーーー!!」
(車内のお客さん一同、シーン)
ショーンさん
「あ、あの山見て!
あれ、フジサンよ!
ヒーッハハハ、今日のお客さん、
ひっかかりやすいねー、ラクねー!」
(車内のお客さん一同、シーン)
ははは、おかしいですね(ひそひそ)。
番長? 聞いてます?
「すごいねえ(ひそひそ)」
このテイスト、
どこかで味わった気がします。
「どこで?」
ショーンさん
「このまえ、ここにふくろう飛んでたよ、
でもなんだか飛び方がおかしいよ、
ナゼナラーーーーー高山病だったから!
ヒーーーーーハウ!!!」
ははは‥‥、
さっき車で山を降りたときと
同じような頭痛がしてきました。
「なんで?」
下りは番長のはしゃぎすぎ、
登りはショーンさんのはしゃぎすぎ。
「ほぼ日」クルーは今回都合三度目の
自滅をするわけにはいきません。
心のスイッチをオフにして
山頂にたどりつきました。
山頂で突如チョー薄着になるショーンさん。
捨て身なプロ意識に敬意を表し、記念撮影。
さて、番長。
お約束はお約束ですので、
念願の、山頂で歌う歌を歌いましょう。
カメのウクレレさん、どうぞー。
ビョ−ンビョーン。
ひ、ひどい。
「だめだ、気圧のせいか、
弦がゆるゆるになっちゃうよ」
ビョーンビョーン。
弦がのびきって、
まったくだめですね。
チューニング不可能にもほどがあります。
「ひははははは」
は、はははは。
酸欠のせいか、すごくおかしいです。
ビョーンビョーン。
各国の立派な天文台をバックに
ミュージシャンの番長が
ビョンビョンとまぬけ音を連発する姿が
おかしくてたまりません。
4200m地点で、できるなら永遠に
そうやっていてほしいのですが、
ほかのお客さんたちが
この行為を不安がっていますので、
そろそろやめましょう。
ほかのお客さんたちから
「シャッター押してくださーい」と声を掛けられ、
こころよく応える番長。
ああ、布施先生のいるすばる望遠鏡が
金色に輝きはじめました。
番長、夕陽が沈みはじめています。
いそいでこれを!
「プッ! いつのまに用意を!」
「ほぼ日」のなかで、番長はもっとも
レイの似合う人ですので。
あああ、似合う。
さて、夕陽が沈みます。
レイを頭にのせたままの番長も、
息をのみます。
地球の昼を支配する太陽が雲に沈んだあと、
一瞬だけ、
我々は反対側の方角の空に、
地球の影を見ることができます。
矢印の先の青い部分が地球の影です。
沈む太陽と番長を、
短いムービーでごらんください。
地球と自分の比較については、
これまで思いつきもしませんでした。
さすがは184cmの番長です。
さて、地球からいちばん大きく見える天体が
去ったあとは、そうです、
すぐに星空がやってきます。
明日につづきます。
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