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■ニュース
その2■
星空につづく道。
第11回
星空。
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マウナケア4200mの山頂に
今度こそ別れを告げて、
2800mのオニヅカセンターへ戻ります。
ここで念願の「星空」を見ます。
今日は新月。
あたりに一点の光もありません。
まさに真っ暗です。
こんなカンジ。
闇に目が慣れてくると、
頭上ですごいことが起こっていました。
「うぁぁぁぁ!
うっじゃうじゃあるよ!!」
まるで塵が浮かんでいるような星空です。
とりあえずオリオン座などの
見慣れた星座を探そうとしますが、
なかなか見つけられないほどに、
ほかの星に埋もれています。
「すっげぇぇぇー」
「おわっ、見た?
いっぱい流れ星!」
暗闇で、番長の声が
遠くに行ったり近くに来たり
とんでもなくあちゃこちゃから
聞こえてきます。
(どういう動きをしているのかまったく不明)
「あこがれのアンドロメダは!」
月より大きいアンドロメダですよね、
ちょっと、わかんないですね‥‥。
でも、天の川はわかります。
あのあたり、ズワーッとしているのが
そうですよね?
「わかるよねえ、ミルキーウェーね!
あ!! すばるだよ、プレアデス」
明るい!!!
以上 、暗闇保全のため
ムービーも写真もなく
ほんとうにすみません。
どうぞこちらを参考に、みなさま、
星空を思い浮かべてください。すみません。
(検索エンジンGoogleのイメージ検索を利用しています)
ガイドのショーンさんが
アンドロメダ星雲や一等星のシリウスを、
望遠鏡でみんなに見せてくれました。
「うっひゃー!
すっげえよ、これ!!
ウシャシャシャシャシャ」
ショーンさん
「お兄さん、リアクションいいねえ!
明日も来る?」
「来・た・い・で・す!」
(まわりのお客さん一同笑)
暗闇ですべてが野放しになっているうちに、
番長はいつのまにか、
ツアーグループのアイドルになっておられました。
望遠鏡を通して見たアンドロメダは、
思い描いていたとおりの
楕円の美しい姿をしていました。
あそこに2千億個の星。イスカンダル‥‥
「イスカンダルはちがうよ、
あれは、大マゼラン星雲ね」
そうでしたか。
しかし、アンドロメダ、
月より大きくは見えない感じですね。
「ボワーってところを含めると、
大きいんだってば!」
夏のほうが、比較的
銀河はハッキリ見えるらしいですね。
「昔の人たちは、こんな星空が
いつも見えていたのかもしれないね。
うらやましいなあ」
毎晩こんなふうに、
ぞっとしていたとしたら
すごいですね。
「あのさ、今度は宇宙船に乗りたいね」
え?
「でも、つらいだろうね。
マウナケアでこれだけつらいんだから」
そ、そうですね。
番長と一行は、
首が痛くなるほど、
ずっとずっとずっと
星空を眺めつづけました。
いまでも目を閉じると、
このときのウワッとした星空が
頭上に大きく浮かびます。
*
さて、宿泊先へ帰る車で番長は、
「胃の中がサクサクしてる‥‥」
などという寝言が飛び出すほどの、
(例の“火星クッキー”の食べすぎですね)
スイッチオフ状態になりました。
電源が切れたまま宿泊ホテルに到着し、
巨大な疲れに身をまかせればいいものを、
このままは、眠りがたい。
そんな番長を“いいほうのウクレレ”が
けなげに待っていました。
「ちょっと待って、
練習するから」
番長はあらゆる曲を片っ端から練習し、
15分経過。
30分経過。
‥‥番長、このままですと夜が明けます。
「んーーーーと、
んーーーーーと、
ああ、これがギターだったら!」
ウクレレでは、
ギターのように手が自動的に動きません。
「ああああああ!
頭の中がぐっちゃぐちゃになってる、完全に!」
はあああ。
「もっと練習が必要だな。
もう1日くらい!
もう1日、いる? ハワイに」
いえ、番長、ほんとうに無理はやめましょう。
今日は大きな1日でした。
ウクレレを断念する番長を
ムービーでごらんください。
「じゃあ、ウクレレをあきらめるかわりに
“なぜなに番長”をしようよ」
そりゃまた唐突ですね。
じゃ、眠い頭でやりましょう。
ちょっぴり復活、“なぜなに番長!”
「はーい!」
えーーっと、えっと、
なぜなに番長に質問です。
番長がチャレンジしてダメだったことは?
「‥‥‥‥‥‥(考え中)
ぜんぶですね!」
ぜんぶがダメ?
「ぜんぶダメだったけど
ぜんぶ懲りてないです!
まだまだいけますよー!」
ありがとうございます。
つづいて、ですよね、つづいて、
‥‥えーっと、
なぜなに番長に質問です。
信号にもう一色あったら?
「‥‥‥‥(考え中)
ゴールド」
すごい。
すごいですけど、
黄色との見分けがつきづらいですね。
「いいの、いいの」
ゴールド信号は
何を示すのでしょうか?
「逆走かな?
ちがう、あぶない。
‥‥‥‥(考え中)
小咄を言う!」
ハンドルを握ったままですか。
「そうそう。
ゴールドがついちゃったら、
すてきな小咄を言わなきゃなんないの」
すてきじゃないと、信号が変わらずに
いつまでたっても発進できないんですね。
「ウプププ、かわいそう。
しかし、ハワイ島に着いて最初に
我々の車、逆走したよね。
いままであんなに正面から
車が来たことある?」
なかったです、もちろん。
この後、一瞬で全員が
無意識の彼方へ旅立ちました。
夜が明ければすぐに、
ハワイ島をあとにします。
星空につづく道の
ゴールにたどりついた、今回の旅。
田島番長と「オレのニュース」は、
これからどこへ向かうのでしょうか。
しかしそもそもどこからやってきたのでしょうか。
土曜の、一回休みをはさみまして、
次の更新は日曜日。
最終回です。
おたのしみに。
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