■ニュース
その3■
ホイップ派田島流で茶道にチャレンジ。
第2回
あやつりロボット化現象。
茶室に入るなり上座に座らされ、
ちょっぴり不安げな番長です。
5分経過。
「じつはもう、
足が痛いんだけど」
番長が弱音を吐こうとしたその瞬間、
今日の茶道の師匠となる、
厳しいと前評判たっぷりの
「旅館 銀閣」の女将が
茶室に入って来ました。
おお、うつくしい方ですよ、番長。
よろしくお願いします!
女将
「こちらこそ、
どうぞよろしくお願いいたします」
まずは、女将によるお手前の見本です。
女将が番長に手順を説明しながら、
お茶を入れます。
女将
「では、まず私が
田島さんにお茶をお出ししますね。
まずは、えんぴつのようにひしゃくを持ち、
お茶碗にお湯を入れて、その湯の中で
茶筅を湯通しします。
次に、お茶碗のなかのお湯を捨て、
茶巾でお茶碗を拭きます。
3回半まわしてふちを拭き、
ひらがなの「い」と「り」を書くように
お茶碗の底を拭きます」
「はああ」
これからオレ、どうすんだ?
と、番長の心の声が聞こえます。
ぽっかーん。
ぽっかーん。
ぽっかーん。
番長!
「ハッ!」
番長がいま座っている場所は
いちばんの上客が座るところだそうですよ。
「ええっ、そうなんだ」
女将
「この席に座るお客さまを
お正客(しょうきゃく)さんといいます。
正客は、お茶会で
茶碗や道具のことを質問したり
話題を盛り上げたりしなきゃいけないんです。
他の方はまあ、聞いているだけでいいんですが、
この場所に座った方は、
わりとたいへんなんですよ」
「じゃあ、オレいま、客なんですね!」
ガイィィーーーン。
それすらもわかっていなかったんですね、
ぽっかーん番長!
今後はもっと説明するようにします、すみません。
とにかくいまは客としての作法を
ひととおり習いますが、
あとでお茶を立てていただきますので、
女将のやっている手順を
ちゃんと見ておいてくださいね。
「あ、わかった。はい、はい。
難しいな」
女将
「では、お菓子をどうぞ」
番長、お菓子を取るんですよ。
女将
「菓子鉢を取って、隣の方と目を合わせ
『お先に』とごあいさつをお願いします」
「あ、はい、はい」
ここはニッポンの茶室です。
長髪長身落語見習い風男と金髪男が
視界に入っていますが
ここは古都京都の茶室です。
女将
「あっ、田島さん。箸の持ち方がちがいますね。
箸を持つときは、右手で箸のまんなかをつまみ、
左手をそえてから、右手をぐるっと箸に添わせて
下にもっていくんですよ。
それから左手でお菓子鉢にそえて、
ご自分の好きなお菓子を取ります。
お箸を使ったら、懐紙でお箸の先を拭きます」
「はい、はい」
番長、完全に操りロボット状態になっています。
「あ、おいしいです!
このぎんなんもち」
好物の和菓子を注入することで
とたんに緊張を忘れ、イキイキする番長。
変わり身の早さは人並み以上。
ところで、お菓子は、
お茶といっしょに食べるのではなく、
お茶が出てくる前に食べるのですね。
女将
「お口のなかが甘くなってから、
ちょっと苦めのお茶をいただくことで、
お茶がおいしくなるんです 」
なるほど、お菓子は
お茶をたのしむためにあるんですね。
おや? 番長がお菓子を食べている間に、
女将はお茶を立て出しました。
女将
「お客さまがお菓子を
ちょうど食べ終わったころに
出せるようにするんです」
「ははあ! なるほど。
お客さまがお菓子を食べ終えるころを
見計らって、お茶を立て終える!
すげえなあ」
さて、お茶を出されたら、
さきほどのお菓子の場合と同様に、
隣の人との間にお茶を置いて、
「お先に」と挨拶します。
ここはニッポンのキョウトです。
女将
「そして、お茶碗を自分の前に持ってきて、
お茶を立てた人に対して、
『お手前ちょうだいいたします』とご挨拶します 」
「お手前ちょうだいいたします」
お茶碗を時計まわりに2回まわし、
お茶碗の正面をはずして飲みます。
だいたい3回くらいで、
全部を飲み干すんだそうですよ。
番長がおいしそうにお茶を飲む姿を
動画でごらんください。
(↑こちらをクリックしていただくと、動画をごらんいただけます。)
次は番長がお茶を立てる番ですよ。
いまの女将の手順を見て、
ひととおりわかりましたか?
「だいたいね‥‥」
「‥‥‥」
お、 番長、
余裕メーターゼロ状態
になっています。
女将
「では、こちらに座っていただいて、
お手前をお願いいたしましょうか」
「ぜんっぜん
覚えてねえな‥‥
(小声)」
どうするオレ、どうするオレ。
どうする巨匠、田島貴男!
どうする、こんなところで何の因果か
ニュースなんぞをつくっているが
ほんとは音楽界の重鎮、田島貴男!
(次回につづく!)
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