■ニュース その1■
田島めぐりの旅。
第2回
キタブーム。
今日は田島貴男番長と
「田島」と名のつく駅をめぐる一日です。
*
こんな朝6時くんだりから
いい年齢の大人がいったい何をしているんだ、
ということが
どうしても時折、頭をかすめますね。
「そうねそうね」
ずっと電車。
しかもずっと旅情あふれない、
通勤電車の旅です。
「ところで、
腹、減んない?」
まだ出発して
15分と経っていませんが、もう??
しかし、次の北千住での乗り換え時間は
たったの4分ですし‥‥。
「腹減ったなあ」
困ったなあ。
「駅弁食いたいねえ」
朝の7時にもなっていないので、
時間的にも、
まだ売っていないんじゃないでしょうか。
「朝昼晩、ぜんぶ駅弁でもいいね。
パックのお茶と、
あとは冷凍みかん」
はい。
(話しながらのどあめを取り出す)
「あ、のどあめ。
ちょうだいちょうだい」
どうぞ。
よろしければ、
のどあめの包みまるごと
差し上げます。
「ありがと。
このあたりは、何駅?」
次は、えーっと、堀切ですね。
「掘切ジャンクションの
堀切ね。
堀切ジャンクション!」
‥‥‥‥?
「ジャンクション!
ジャンクション!
ねぇ、ジャンクションって言葉の響きに
ハマっちゃったな、いま。
ジャンクションって、
何回も言いたくなるかんじ、あるよね。
ない?
連呼したい言葉、あるでしょ。
ジャンクション!
たまーに、ありませんか?」
ありません。
「ほー。ない」
トワイライト、とかでしょうか?
「うーん、トワイライトね、
ちょっとふわっとしてるな」
だめですか。サルティンバンコとか。
「サルティンバンコ、いいね。
ジャンクション!
言ってるうちに
テンションがあがっていくかんじ!
わかる?
ホ・リ・キ・リ・ジャンクション!
グルーヴが発生していくかんじよ!」
キタセンジュ、はだめですか。
ちょっとフランス語っぽいでしょうか。
「アンドゥトロワカトルサンクシス!!」
それはフランス語で数を数えているだけでは
ありませんでしょうか。
「そうそう。フフフ、北千住、いいね。
北千住‥‥
シェルズ・ゲンズブール。
北シェンジュブール、ッハハハ。
キタ・ジェルズ・ゲンズブール!
キタ、ってつけたいな、何にでも。
キタ田島です!」
北?
「そう。我々は今日、
いずれにせよ北に向かっているわけでしょう?
なんだか、キタブームが到来しそうだよ。
そういう予感がしない?
何にでもキタを‥‥キタみかん、とか」
(また、みかん‥‥)
「キタロック、キタグルーヴ、
今日のグルーヴ、オレちょっとキタなんだよね、
とか言ってキャハハハ 」
北酒場もいいですよね。
「細川たかしさんでしょ?
あの人の盛り上げ力、すごいよね。
このまえお店で流れてたんだけど
踊り出したい気分だったよ。
天にものぼりそうなんだよ、細川たかしさんの歌は!
すっごいいいんだ、盛り上げが」
あ、番長、キタ・シェンジュブールに
到着しました。乗り換えです!
「よし、乗り換え4分だよな!
こうやってオレの町・田島に
近づいていくわけだよ。
カモン、みんな、オレの町へ!
あめちゃん、いるか?」
(それは、こちらが差し上げたあめでは‥‥?)
い‥‥いただきます。
「関西のおばちゃんってさ、
ぜったいあめ持ってんのな。
あれ、なんでだろう」
あのー、番長、
パスネット(電車に乗るためのカード)を
あめとセットにして
ずっと手に持ちつづけておられるのは
なんだか不安です。
「ほんとだな、なんで手に持ってるんだろう。
キャッハハハハハ!
なくしちゃうような気がしてさ」
パスネットは、どこか、入れるところを
決めておいたほうがいいですよ。
おしりのポケットはいかがでしょう。
*
北に向かう、ごきげんな旅のスタートです。
しかし、この一日が
ごきげんなままでいられるわけはありませんでした。
なぜなら、今回はほかならぬ
「田島めぐり」なのですから‥‥。
明日は、何かに導かれるように、
番長、過去を振り返りはじめます。つづきます!
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