■ニュース その１■
田島めぐりの旅。
第７回
逃げ道がない。
ふたつめの田島である
会津田島に到着しました。
会津田島駅前のメインストリートには、
お店屋さんが並んでいます。
「ちょっと！！
なんか、いいかんじじゃん。
街のムード、よくない？」
落ち込んで到着したにもかかわらず、
こりゃ、かなりすてきな街ですよ。
「ね、あそこ！
甘いもの屋なんじゃないの？」
おだんごの看板があります。
「よらんしょって
書いてあるよ」
寄ってけ、ってことですか。
「そうだよ！
行かんしょ、行かんしょ、
よらんしょ！」
街にお店があるだけで
ほんっとに、うれしいですね。
では、はいらんしょ！
中学生が下校途中に
寄り道するようなかんじの小さなお店で、
みそを塗った「ばんざい餅」とたい焼きをオーダー。
番長は、お店に置いてあった
田島の地図を広げています
「田島警察署、田島町役場、
田島タクシー‥‥
こう田島だらけだと、なんだか征服感があるな。
王になった気分だよ」
田島王国ですね。
では、せっかくですし、
田島町役場をめざして
街を少し歩いてみましょう。
「しっかし、あるな！」
ええ！
「田島だらけ！」
「ちょちょちょちょっっ！
これ、見てみてよ」
わあああ、
おまけに貴男まで！
貴男さんにまで出会ってしまいました。
「こんなにたくさん田島があると
自分があちこちにいるみたいで
逃げ場がないな」
そういう気分になりますか。
「ほんとうに自分探しの旅みたいだな、
プププ、40歳すぎてからの自分探し！
自分がたくさん見つかってまいっちゃうよ」
「しっかし、歩いてて気持ちのいい街だよね。
できすぎてない？ この街。
なんなんだろう、この雰囲気」
我々はこうやってさきほどから
よく考えると不自然なくらいに
たのしく歩いているのですが、
いっこうに人に会えないのが気になります。
まさか避けられているのでしょうか。
どう見ても不審者だったから？
そろそろ田島町役場に到着するころですが、
番長、あの案内板‥‥。
南会津町役場？
「南会津ぅ？」
どうやら町村合併にともない、
田島町役場から南会津町役場へ
名称を変更したようです。
警察署も、
南会津警察署に変わっています。
「田島‥‥南会津に変わったのか」
ガーン。
（一同、シーン）
「‥‥オレも改名しようかな。
みなさんこんにちは、
オリジナル・ラヴの南会津です」
今日のゲストは南会津貴男さんです。
「アイヅ〜って、呼んでください」
でも、さきほどの案内板によると、
小学校と中学校はまだ
田島を名乗っているようですし、
気を取り直して行ってみましょう。
ほらほら、裁判所もまだ、
田島のようです。
「田島が田島で
なくなりつつある街か」
中学校に着きましたよ！
残念ながら確実に不審に思われるので、
外から記念写真を、ほら、番長！
田島が南会津に完全に変わる前に、
ここに来られてよかったですね。
「ま、そうだな」
呼ばれた、とも言えます。
「田島にな」
番長、この近くに
田島万古焼という陶芸の工房があるんですが、
行ってみませんか。
「田島、ばんこやき？」
簡単なものなら、
うつわを手びねりで
つくらせてくれるそうなんです。
「おもしろそーー！！」
＊
田島番長、
田島郵便局前から
田島タクシーに飛び乗り、
田島万古焼の工房に向かいます。
田島だらけ、田島だらけの旅でございます。
|
