オトナ語ニュース。 〜『オトナ語の謎。』の余波を追え!〜 |
昼下がりのオフィスに電話が鳴った。 AOR西本の席である。 「はい、糸井事務所です。 え? はあはあ、えっ! そうですか! ありがとうございます!」 テンションの高い受け答えに、 職場の誰もがなにごとかと見る。 電話を切った西本が高らかに告げる。 「来た来た来た、もう来た! 紀伊國屋書店から1000冊追加発注!」 驚愕する一同。 だって、紀伊國屋書店で売り出されたのは ほんの2日前のことである。 しかも、全店舗ではなくて、 一部の紀伊國屋書店での販売である。 ──なのに、もう、追加発注? ともあれ、吉報を拍手で迎える一同。 よかったよかった、すげーすげー。 「でも1000冊、どうします?」と 冷静に切り返したのは在庫管理を担当する ナカバヤシである。 「倉庫から出すとなると、 いまの発送作業の予定がくるうかもしれません。 明日には出せますけど、 それだと年内に全国の紀伊國屋に 届かないかも‥‥」 今日中に1000冊を、 紀伊國屋の発送センターに届けなければならない。 しかし、倉庫から出すにはタイムロスが生じる。 すると、西本がひらめいた。 「事務所に、明後日送る予定の1500冊がある。 あれを紀伊國屋分に回して、 明後日送るぶんは倉庫から出せば?」 「1000冊も、どうやって?」 「クルマで」 いっそ自分たちで発送センターまで 運んでしまおうという作戦である。 事務所から発送センターまで、 高速を使えば1時間もあれば着くはず。 幸い、社用車のハイエースは空いている。 よしよし、それなら積み込みだ、と 一同は盛り上がりかけたが、 ことはそう簡単に進まなかった。 「運転手はどうするの?」 「うーさんは?」 「風邪でダウンしてる」 一難去ってまた一難とはこのことである。 悪いことに今日はバンを運転できる人間がいない。 ていうか、そもそも力仕事を任せられる 男手がほとんど出払っているのだ。 途方にくれる乗組員一同。 ──そのときだった。 「あたしが運転しよう!」 「あかりさん!」 「バンの運転経験は?」 「ない!」 どひゃー、とずっこける一同。 「けど、なんとかなるやろ」 とにかく時間がない。 細かいことは現場対応。 「なんとかなるやろ」を合い言葉に、 一同は行動に移った。 そういうわけで12月25日、 「女だらけの『オトナ語』配達大作戦」が 決行されたわけである。 どちらさまもメリークリスマス。 事務所の片隅に積まれていた『オトナ語の謎。』。 見るからに弱々しい発送風景です。 手前でふらついているのは、 経理担当のナガサカ。大丈夫かなあ。 台車に本を積んでいきますが、 その台車の小ささに呆れます。 大丈夫かなあ。 とにかくどんどん積んでいこう。 しかし、見るからに計画性のない積み方。 大丈夫かなあ。 ちなみに、ひとつの包みに10冊入ってます。 それが100個必要です。おいおいほんとかよ。 台車がいっぱいになったら、下へ運べ。 男性陣でただひとり作業に参加したシェフ武井。 ただし、運転免許なし。 エレベータが下についたら押せ! 手の空いてるやつは先回りしろ! 写真左を走り抜けているのは、 事務所に居合わせた、ゆーないとさん。 下に運んだら、バケツリレーだ! 「アイデアがないときは努力で補え!」 というのは我が社のモットーのひとつ。 発言者はもちろんdarlingこと糸井重里。 とりあえず、半分ほど積んでみたところ。 いやはやなんとも素人くさい積み方である。 いわゆる金の延べ棒状態。 こんなんで大丈夫かなあ。 「かまへんかまへん」 とにかく積んで、あとは現場対応! しゃにむに積み込む、あかりとオガー。 ふと我に返って心配そうな、りかとナガサカ。 とりあえず、積み込み完了!! いざゆけ我らのハイエース! 紀伊國屋発送センターへ! 「ほないくで!」 と言ったかどうかは知らないが、 通天閣あかり、ドルルルとエンジンを吹かし、 ハイヒールでアクセルを踏む。 慌てて後部座席に飛び乗るナカバヤシ。 ドルルルル、ドキャーーン! 我らがハイエース、 国道1号線を猛スピードで北東へ走る!! すると、後部座席では‥‥。 「きゃーーーー!」 言わんこっちゃない。 揺られて、本が右へ左へ。 おさえるナカバヤシも右へ左へ。 「しっかりつかまっときや!」 ガシュッ、ズガッ(稲妻シフトチェンジ)! ギャグァワワワァーン!!!! 「きゃーーーーー!」 「どけどけどけーい!」 ガンッ、グワィィィィン(逆ハン切ってドリフト)! ブシュワァァァァアアアッ!! 「きゃーーーーーー!」 (以下、1時間ほどくり返し) 「む! 近い! 近いで、ナカバヤシ!」 「見えたでーー!」 「ほんとだーーー! 紀伊國屋だーー!」 グキャキャキャキャァアアアッ! (カウンターを当てて制動) 「おろせ、ナカバヤシ!」 「はい!」 「違うがな、こう持つんや!」 「ははぁ、なるほど!」 「もうチョイやで!」 「はいなっ!」 「これで全部か?!」 「ひい、ふう、みい、よお、 ‥‥さんびゃくにじゅうよん、 ‥‥ろっぴゃくとんでなな、 ‥‥せん! 全部です!」 「よっしゃ!」 「紀伊國屋のおにいさん、 納品終了しました!」 「ハイ、ごくろーさん」 「ハイ、じゃあ、これ、受け取りね」 「どうも、ありがとうございました!」 空っぽになったハイエース。 そういうわけで、配達大作戦は 無事に終了したのでした。 ‥‥めでたしめでたし。 なお、以上の 「女だらけの『オトナ語』配達大作戦」は、 10の事実を12くらいに脚色してお届けしました。 交通ルールはもちろん守っております。 ええと、主題がなんだかわからなくなりましたが、 とにかく書店からの追加注文が早くもあり、 『オトナ語の謎。』がどんどん 世の中に飛び出しているというわけです! ※こちらは、オトナ語バナーを貼ってくださった方の ホームページをぽつぽつ紹介していくコーナーです。
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2003-12-26-FRI
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