お母さんとお父さんの喜ぶ、
そして先生も喜ぶ
女の子になるということは、
わがままな男の子の前で、
その子の言うことを聞いてあげたり、
自分のものを譲ってあげたりする
ということなのです。
自分というものを持たないこと、いつも、
その場の「みんな」になること、
それが「女らしさ」です。
どういう人が恋人にふさわしいのか。
あなたの夢も、「みんな」が
教えてくれたものかもしれません。
みんなではない本当のあなたは、
どこで何をしたり
思ったりしているのでしょう?
オンナらしさ入門(笑)
小倉千加子
(購入はこちらAmazon.co.jp)
女子のみなさんへ。
よ、キミって女らしいねー。
もし、こんなふうに唐突に声をかけられたとしたら、
どうっすかね?
アリガト〜って、うれしい?
あたりまえじゃん、って淡々と聞き流す?
それとも「てめーヨケーなお世話なんだよ」って、
グーで殴る?
いつ、誰に、
どういうシチュエーションで言われたかによって、
ことばを受け取る気分はもちろん、
ぜんぜん違ってくるだろうけどーー
でも、そういえば、
「女らしい」って何だっけ。
「女らしい」「女らしく」って言われて、
とろけるシロップみたいに甘い気持ちになったり、
地獄の血の池みたくハラワタが煮えくりかえったり
することがあるのって、どうしてなんだっけ。
よく考えたら、
ひとつの、共通の表現で、
こんなに真逆の気分が起こりえるのは、
すんごい不思議なことじゃないっスかね。
そーいや、そーだ。とうなずいた人。それから、
なーんか「オンナらしい」って、
どーも自分になじまないんだよねーべつにオトコに
なりたいわけじゃないんだけどさー。
と、そう思った人。
この本が教えてくれます、
「女らしさ」のヒミツを。
甘い気持ちになるのと、ハラワタが煮えくりかえるのとは、
実は根っこはおんなじだということを。
家や、学校や、外の世界で、さらには
「オマエハ、女ダ」「ワタシハ、女デアル」という
ふたつの意識のはざまで、
とんでもなくめんどくさいことや、
つまんない目にあなたがあわされているとしても、
あなたは、「あなた自身」を
憎んだりしなくてもいい、ということを。
女子の道はイバラの道やなー、
これはもう「オンナらしさ入門(恐っ)」やわ。
そんなつぶやきのあいまに、
小倉センセイが真摯に伝えてくれるのは、
こういうこと。
自分になじまないものを、
自分の全存在をかけて否定したり、逆に、
むりやりに肯定しなくてもいい。
ワタシにフィットしないものは、
ワタシはそれを「引き受けない」。それでいい。
あははー、なんじゃそらー。って、
「引き受けられないもの」で、
「よくよく考えたら、引き受けないといけない
理由がどこにもなかったもの」は、
正しく笑い飛ばしてあげたら、ええんとちゃう?
ーーだから、
オンナらしさ入門、のあとには、
「カッコわらい」!
自分が立っていたのは、
実は荒野のど真ん中でした。・・・そんなことに気づいて
しまった女子たちが、それでも不敵な笑みを浮かべ、
荒野をずんずん歩いていくための知恵が、
この本につまっています。
(編集担当・坂本裕美)
2007-07-09-MON
(C)Hobo Nikkan Itoi Shinbun