16枚目。エッセイを書いてきました。
第2回:「ワンダホウインタネット」
世界のみなさん、こんにちは。私はカモメ(気分)。
ところで今さきほど
プリングルスを食べていました。
そしてこれによれば中国では「ポテトチップス」の事を
「洋芋片」というらしいのです。
中国の方には申し訳ないけれど、私は
見た途端、中国に生まれてやっていく自信がなくなりました。
ワールドワイドな気分で始まります。
世界は広くてインターネットで繋がっている。
…そんなお話。
私がインターネットに繋げるようになったのは
2年ほど前になります。
TVや雑誌でも散々すごいぞと崇め奉られていて。
インターネットさまに謁見すれば私だって
顔は引き締まるし就職もできるし深爪だってもうしない。
そんな気がしていました。気が。
ねじ回しや鈍器を腰にぶら下げた男が
わが家にやってきた。
そんなその日はISDN記念日。
まずはICQというソフトをインストールして
リアルタイムに世界中と繋がっている感覚を楽しみました。
シル:「こんにちは私は日本の学生です。これはペンです。」
軍人:「やあ、僕はアメリカの退役軍人さ。
これからワイフとランチだから。またあおうね。」
こっちは深夜なのに。
学生:「くそぼけ。←これあってる?
日本の留学生に教えてもらいました。
マレーシアの小学生です。」
シル:「こんばんは。
たぶんその留学生にからかわれたんですよ。
日本での正しい挨拶はデアエデアエといいます。」
おまえもうそつき。
男性:「ねえ。窓の外に何がみえる?
フィンランドでは狼がみえるよ。」
…ちょっと。ほんとですか。
ともかくそんな事を楽しんでいたのですが
英検4級の語学力じゃ、電子辞書片手でもつらくて
挨拶もままなりません。1週間ですぐに諦めました。
メキシコのゴンザ君は
運動会のタコス喰い競争で優勝したんだとか
モンゴルのホウさんの一家は
昨日からパオをたたんで移動中だ。
…そんなコミュニケーションを夢みていたのに。
英語と相手がPCを持っているかという
2重の前提に阻まれてしまいました。
懲りずに今度は日本を中心とした
世界に向かって情報を発信。
日本語だけだって十分楽しくて
狭い日本なんて誰がいったか
まだまだ知らない事ばっかりなのです。
ネットがあると何が出来るという事はなくても
もうネットや検索エンジンがない状態は
考えられなくなりました。
真面目に考えると、これはすごい事です。
情報の速度と距離がゼロになったのです。
残る情報の価値ですが、情報価値は
伝達しあう間の差異によるんだと私は思ってます。
自分にとっては普通の事でも
人にとっては知りたい事かもしれない。
情報のフリーマーケットみたい!
どうせなら参加した方が面白い。
ただの平凡な日記だって…
たぶん孫が喜ぶ。
具体的にどこが面白いか…
教えるのがもったいないぐらいですけど
ネットで発見、最近の秘密メモを公開しましょう。
「ふりかけは安いもんじゃないんです。
グラムで言えば、クラウン一台分とぼ同じ値段ですよ」
ふりかけ工場の方の言葉。
普通。ふりかけでクラウンと競おうなんて思いません。
生活の中で何をみても、まずふりかけの事を考えてしまう。
ふりかけに恋をされているのです。道ならぬ恋。
そこまで一途になれるものがあるなんて…妬けます。
「小児科の麻酔はイチゴ味とバニラ味が選べるらしい。」
麻酔科秘書の方から。
こっそり麻酔科の秘密を教えてもらいました。
最初に麻酔に味つけようじゃんと思った人が
お医者さんだとしたら、診療される前に
ちょっと検診受けてきて欲しいです。頭。
確かに子供の事を考えた素敵なアイデアです。
他に病院関係だと薬剤師の方に
「正月に喉に餅つまらして死ぬ人いますか?」
というとんでも無い質問をして
「病院では元旦に”餅を食べさせて平気な人リスト”が
作成されていてそれをもとに食事が配られます。」
そんな嬉しい事も教えて頂きました。
さすがはオコメアイランド日本。
元旦の入院もこれで安心です。
「それはともかく、東久留米にいい店、うまい店はありません。」
これは…うすうす気が付いていた事ですけど
改めて断定されると悲しかったです。
極私的な話なので説明します。
まっ白いカミ第1回にも書きましたが
東京都東久留米市。私はここに引っ越してから
「ろくな食べ物やがない」「肉がまずいまずい」
と約半年間言い続けてきました。
だって牛肉は焼くとシャボンのごとく虹色に光り
サーモンの刺身をキッチンペーパーにのせると
ピンク色をした刺身の魚拓が採れるんです。
…そして、そんな愚痴をどこで聞かれたか
8年半も住んでいる大先輩から
「近郊のスーパー一覧。賢い食材購入法。」
までおまけに付いたメールを頂いてしまったのです。
という事で今夜は
ひばりヶ丘西友の裏、丸正で買ったすきやき肉。
世界に向けて情報を発信しつつ
なかなかローカルに食卓がワンダホウな事になっています。
「インターネットをはじめようかと思うんだけど?」
「ホームページを作ってどうなるのさ?」
そんなお友達がいたら教えてあげてください。
「安い肉が買えるよ。」
って。
シル (shylph@ma4.justnet.ne.jp)
from 『深夜特急ヒンデンブルク号』
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