SHIRU
まっ白いカミ。

#55 "ジャンク・ボーイの唐突な死"


モクモク…

 ジャンク・ボーイ。彼はマックシェイクを離乳食に育った世紀末の赤ん坊。催奇形性の不完全な心からはいつもテトラクロロ・ジベンゾ・パラ・ダイオキシンの煙をメンソールに混ぜて吐きだして。ドライアイの瞳は泣いてもチュニジアのトカゲのよう。スマイル0円以外の笑顔を知らなかった彼が初めて女性から微笑まれた日。ジャンク・ボーイは嬉しさのあまり大声で街の広場を駆けずり回った。そのあまりの気恥ずかしさに彼女は想いを秘めたまま街を離れ、そして30年後。とある偶然から2人は再開した。ジャンク・ボーイは成人病予備軍の立派なジャンク中年になり、彼女はミセス・オーガニックになっていた。「野菜、食べなさいよ。」微生物たっぷりの彼女の一言に中年ジャンク・ボーイの不健康な動脈はトドメをさされた。安っぽい一生。近頃ではありふれすぎて涙も出ないコレステロール型悲劇。



Email : Kohji-3200 * A L P H A C O H J I X : URL
×
Email : シル * 『深夜特急 ヒンデンブルク号』 : URL

1999-07-20-TUE

BACK
戻る