SHIRU
まっ白いカミ。

127枚目:「毛玉をうりたい。」

シルチョフ(詩人)×天野慶(歌人)
【採集地】新宿のカレー屋さんにて。

 

うう…目覚めたらセーターが毛玉だらけになっちゃって。

着たまま寝ると毛玉できますよー。

この無限に増殖する一途の毛玉を
なんとかして活用できないものか…。

毛玉売りとか。

そう、街の毛玉売り。

マリモみたいにキーホルダーにいれて。

マリモみたいに…って売れないもんかねえ。

毛玉って誰でも作れるもの。

じゃあ、毛玉の需要をつくらないと。

毛玉クリーナーってあるじゃないですか?

うん、うちにもある。

あれで成長する。

クリーナーが大きくなるの!?

いや、毛玉クリーナーじゃなくて
毛玉を与えると成長するペットみたいなものが…。

わあ、すごいよ!
それは毛玉が欲しくなる。

でしょ?

すると毛玉がもっと大量生産されたりして。

毛玉工場。

セーターを着た男達が昼間からごろごろ転がって毛玉作り。

寝相が悪い人が出世するっ。
「田中君、君はいい毛玉を作るねえ。」

毛玉不足の折はみんなして労働基準法違反で
1日20時間は寝転がりっぱなし。

それで寝疲れたら家に休みに帰るの。

睡眠薬まで使っているのがばれて
工場が営業停止に追い込まれたり。

毛玉のできやすいセーターが開発されたり。

あらかじめ毛玉つきのセーターが売られたり。

いいなあ、毛玉売り。

でも夏は仕事なくなっちゃうね。

うん…。

 

2000-02-15-TUE

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