PHILADELPHIA
遙か彼方で働くひとよ。
フィラデルフィアの病院からの手紙。

手紙13 「フィラデルフィア観光案内」

こんにちは。
この街に住むようなってから、
何人かの友達が遊びにきてくれました。

その中の一人に、以前旅行会社に勤めていて、
添乗もしていた旅のプロがいます。
彼女は今では中西部の大学の
日本語の先生になってしまっていますが、
旅行好きは今も変わらず、あちこち出かけています。
その彼女が、
「すごく良かった。気に入った。また来る」
といって、予定を更に延ばして遊んでいった
フィラデルフィア。

自分では、結構住みやすくて気に入っている街ですが、
遊びにきても面白いといってくれる人がいるのに
勇気づけられて、今日は、読んでくださっている方に
そのうち役に立つかもしれない、
フィラデルフィア観光案内です。

とはいえ、手元には旅行用のガイドブックは何もないので、
思いつくまま箇条書き。

1 空港からのアクセスがいい。

前述の友達に言わせると
空港からの交通機関がこんなに良くできている街は
アメリカでは珍しいそうで、
空港から街の中心部まで、電車が走っています。
朝5時から深夜まで30分おき。所要時間約30分。5ドル。

タクシーだと、センターシティーとよばれる
街の中心部までは一律20ドルです。
乗合タクシーもあります。


2 近くの街からも便利。

よく聞かれるのですが、フィラデルフィアは東海岸、
ニューヨークとワシントンDCとのほぼ中間です。
どちらからも車や電車で2時間くらい。
ニューヨークのついでに寄ってくれる人がたくさんいます。
グレイハウンド長距離バスを使えば
ターミナルは街の中心部にあります。


3 街がこぢんまりしている。

観光したり、買い物をしたり、泊まったり、というエリアは
センターシティーといわれる、
市庁舎を中心とした一帯にかたまっています。
それらはだいたい徒歩圏内にあるので、街中に宿をとれば、
あとは適当にぶらぶら歩きながら見て回れます。
米国としては古い、歴史のある街並みを売りにした
観光都市でもあるので、
街の案内図はあちこちにありますし、
治安もそれほど悪くないです。


4 私が好きな場所。

<フィラデルフィアの銀座 Walnut Street>
東西に走る大通り。
お買い物がお好きな方はこの通りをどうぞ。
バナナリパブリックや、ティファニー、
ブルックスブラザーズなど
いわゆるブランドショップ街。

<フィラデルフィアの戸越銀座 Chestnut Street>
Walnutと並行して走る大通り。
店構えはチープだけど面白い。

<フィラデルフィアの原宿 South Street>
南に下った、イタリアンマーケットの近く。
ブティック、こぎれいなレストラン、
雑貨屋、CDショップ、など。
なぜにこんな昼間から遊んでるんだ、
という怪しい若者多し。

<フィラデルフィアの築地場外市場 Italian Market>
街の南、イタリア人街の中にあるイタリアンマーケット。
魚屋と八百屋がたくさんあって、安い。
チーズの種類には圧倒される。
映画のロッキーはここの出身の設定。

<フィラデルフィアの中華街 China Town>
グレイハウンドのバス停の裏に広がる一帯で、
チャイニーズマフィアの抗争もときどきある、
本物のチャイナタウン。
わたしの食生活はここに依存しています。
ここの食料品店街を見た友達は、
シカゴのヤオハンよりも品揃えが豊富だといいました。

<フィラデルフィアの駅ビル Gallery>
グレイハウンドのバス停の向かい、
Market Eastという電車の駅の上にある駅ビル。
両端はデパートで長さは600メートルぐらい。
中にはいろんな店が入っていますが、
そんなに欲しくなるものはないです。


5 ぜひお勧めしたい場所

<フィラデルフィア美術館>
センターシティーの外れ。歩いても行けますが、
街を走っている巡回観光バス“Philash”でも行ける。
まずは、正面玄関に向かってのびる階段を駆け上がって、
街の中心部に向かってこぶしを振り上げ
「エイドリアーン!(だったでしょうか?)」と叫ぶ
ロッキーごっこが出来ます。

自分でやるのは恥ずかしくても、
誰かが必ずやってるので、それを遠目で見るだけでも可。
立ち位置にはちゃんとなにか彫ってあります。

中は広大なコレクションなので、
好きなところを選んでゆっくり回らないと、疲れます。
甲冑のところが結構面白いです。

フィラデルフィア美術館と街の中心を結ぶ通りに沿っては、
「考える人」が外から見える、ロダン美術館や、
子供向けの科学博物館ですが、元理系元少年たちにも
受けている、フランクリンインスティテュートなど
たくさんの美術館、博物館があります。

<造幣局>
街の東の外れ。
割れた鐘(リバティーベル)などがある一帯の端っこです。
この街でなにかひとつ見るのなら、
わたしはここに行きたい。
持ち物検査があったり金属探知機を通ったりして、
ちょっと緊張しますが、中はほんとうに大雑把。
ざくざくと硬貨を鋳造しています。

ジーンズをはいて、袖を切ったTシャツを着た
マッチョなお兄さんたちが、
出来たばかりのぴかぴか光る1セント硬貨をざるに入れて
重そうに運んでるのを上からのぞけます。
しかも、不良品らしき硬貨が
床の上に数えられないほどばら撒かれているし、
こんなんでいいのかと、ちょっと心配になります。

もともと工場見学はとても好きなのですが、
そのなかでも一番のお気に入りです。

あと、音楽の好きな方には、
先日、日本公演もあったフィラデルフィア交響楽団も
ありますし、ちっちゃな劇場もいくつかあります。

というわけで、なんだか長くなってしまいましたが、
フィラデルフィアのご案内でした。
そうそう、今うちの近所では
ディズニーランドの建設も始まっています。
お時間のある方、ぜひどうぞお越し下さい。

では今日はこの辺で。
さようなら。

本田美和子

1999-08-24-TUE

BACK
戻る