手紙45 集中治療室2 薬剤師
こんにちは。
前回お伝えしたように、
先月は集中治療室・ユニットで働いていました。
内科と麻酔科のレジデントと、薬剤師のレジデント、
学生などが集まるので、
一般病棟に比べると、大所帯です。
今日は、その中のひとり
薬剤師のレジデントについて
お知らせしようと思います。
わたしが通った学校には、薬学部がなかったので
日本の薬学部の学生さんが
どのように臨床の実習をしているのかよくわかりませんが
今働いている大学病院には、医学部の学生だけではなく
薬学部の学生も臨床実習として、
たとえば内科の診療チームに一人ずつ配属されて
患者さんのことを一緒にフォローしています。
薬学部を卒業して、試験に合格すると
薬剤師の資格がとれるのですが、
病院の中で働く専門家となるには
さらに進んで
PharmDと呼ばれる資格を取る必要があるんだそうです。
ユニットで一緒に働いた薬剤師のレジデントは
薬学部を卒業した後、
さらに(わたしたちと同じように)安月給で働きながら
この、PharmDをとるために勉強していました。
薬には副作用というのが必ずありますし、
とくにユニットに入院している患者さんたちは
腎臓や、肝臓など薬を代謝する器官の働きが
極端に落ちている場合が多いので
量を細かく調節することが大切になってきます。
彼は、ユニットに入院中の患者さんに
投与しているすべての薬と
患者さんそれぞれの、腎機能や肝機能について
細かく把握していて、
薬の量についてアドバイスをくれたり
血中濃度を測るタイミングについて教えてくれたり、と
ほんとにいろいろとお世話になりました。
こういうトレーニングを受けたPharmDが
病棟の各階にある薬局にいるので
ユニットに限らず、一般病棟の入院患者さんについても
気軽に相談できます。
患者さんの薬については、血液検査の結果と同様に
コンピュータで一括管理となっていて、アレルギーや、
これまでの薬の記録についてもすぐわかるので、
うっかりアレルギーのある薬に似た構造をもつ薬を
処方したり、通常より多い量を処方したり,
腎臓の働きが落ちてるのに量を減らさずに
処方したりするとすぐにポケベルで呼ばれて、
本当にこれでいいのか、と確認されます。
医者がよくよく気をつけて処方することが
大切なのはもちろんなのですが、
患者さんの安全のために複数のチェック体制をとっている
というのは、いいことだな、と思います。
医療事故を少しでも減らすためにも。
次回は、日頃お世話になってる人々のひとり
栄養士について、お伝えしようと思います。
では、今日はこの辺で。
みなさまどうぞお元気で。
本田美和子
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