手紙123 ほぼ日ブックス・2 糸井さんのあとがき
こんにちは。
前回は
本になることが決まったwebでの連載に、
「ほぼ日ブックス」バージョンとして
糸井さんとの往復メールを
いくつか入れることにしたことまでお伝えしました。
今日は、その後のお話です。
朝日出版社の赤井さんから最初にいただいたメールには、
「ほぼ日ブックス」バージョンの
おおまかな構成案がありました。
1 前書き
2 本文と糸井さんとの往復メール
3 あとがきのような、糸井さんのお話
4 備忘録
本当に本のような形になってる、と
なんだか不思議な気がしました。
これまで書いた100以上の話の
すべてを収録することは難しくて、
その中から、いくつかを選んで掲載することになったのですが、
この選択については
朝日出版社の赤井さんにお任せすることにしました。
赤井さんは、HIVのシリーズの最後に紹介した
MoMAでの話をとても気に入ってくださっていて、
ぜひ、と勧めてくださいました。
HIVの話は
昨年の今ごろからずーっと続けて書いたシリーズです。
病気についての話では、
HIVに限らず、「喘息について」や「胸が痛いとき」も
自分では好きなのですが、
これだけ強く勧めてくださるのには
読む方が面白い、と
思ってくださる理由があるのだろうと思いましたし、
とても早いサイクルで
ガイドラインが変わっていくHIVの治療について
それが古くならないうちに本の形で紹介できるのは
いいかもしれない、と思えたので
入れることにしました。
糸井さんとのメールも、
全部そのままお渡しして選んでもらいました。
本の形になった後で読んだメールは
なんだかわたしは人の噂話ばかりしていて、
ちょっと自分にがっかりしています。
でも、ああいったリラックスした気分で
この連載を続けている様子が
本をお読みになる方々へ伝わればうれしいです。
前書きについては、
思いがけず大変でした。
書く内容については、
ほぼ日でスペースをいただくようになった経緯や
ここで、わたしがやってみたいことなどについて書く、と
決まっていたのですが、
実際に原稿を編集部にお送りすると、
「本文がどちらかというと淡々としているので
『転調』のような形で
少しトーンを上げてみてはどうですか」と
お返事がありました。
わたしは途方に暮れてしまいました。
ほぼ日でのわたしは、そのまま、いつものわたしなので、
「普通に、いつも話しているように書く」ことは
できるのですが、
「トーンをちょっと上げてみて」と言われると
どうしたらいいのか、本当にわかりませんでした。
出版のプロの方のお言葉だし、できるだけ、
その意見を反映できるように考えてみたのですが、
書けば書くほど、どんどん変な感じになっていって
結局最初の形に戻してもらいました。
という訳で、いつもと同じ感じの前書きになっていますが、
お伝えしたいことは、みんな入っています。
あとがきは、糸井さんが書いてくださいました。
ほぼ日では、みなさまご存知のように
すべてのコンテンツの更新時に
糸井さんが短い紹介文と
お勧め度を示す☆をつけて下さっているのですが、
このところわたしの☆は少なめです。
あんまり良くないのかなあ、と少々気にしていたのですが
メールで送られてきたあとがきは、
ため息をつくほど、暖かさに満ちた言葉でした。
☆は少なくても、愛はある、ということが
よくわかりました。
わたしのことをこのように見てくださっている方のもとで
続けていけることを、本当に幸せに思っています。
と、いうわけで、今日は
ほぼ日ブックスの構成についてお話ししてみました。
次回は、休暇で日本に帰っている間に
たくさんの友達に
力を貸してもらったことをお伝えしようかと思っています。
では、みなさま、どうぞお元気で。
本田美和子
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