PHILADELPHIA
遙か彼方で働くひとよ。
ニューヨークの病院からの手紙。

手紙124 ほぼ日ブックス3・浦谷くんの番組

こんにちは。

休暇で日本に帰るときはいつも、
親しい友達に、「遊んでね」と連絡をとります。
今回も、そうやってメールを送ったのですが、
もらった返事の中に、いくつか
「もしよかったら、
 仕事のことや本のことを話してくれない?」
というものがありました。

今日は、そんなお誘いをくれた友達の一人について
お話ししようかと思います。

彼の名前は浦谷英明くんといいます。

浦谷くんは高校の同級生で、
学校でも、とても頭がよくて剣道のうまい
かっこいい男の子として有名でした。

わたしたちは高校を卒業するまで
ずっと熊本で過ごしました。

彼は、東京の大学を出てから
東京のテレビ局に勤めていましたが、
現在は熊本の放送局で報道の仕事をしています。

浦谷くんからのメールには
「もしよかったら、
 熊本に帰ってきた時に取材をして、
 本田さんのことを番組で紹介させてもらえないだろうか」
とありました。

わたしが、テレビに?

突然の話で、びっくりしました。

でも、取材に関して彼が話してくれたアイディアは
とてもわかりやすく、信頼できるものでしたし、
何しろ取材してくれるのが浦谷くん本人です。

それに、ほぼ日ブックスのことも取り上げてくれるので
コンピュータにあまり縁のない方々にも
本のことを知っていただく、いい機会になると思いました。

何度か相談を重ねた結果、
10月の31日に
彼の職場で撮影をすることになりました。

気恥ずかしくて、本人には直接言えなかったのですが
収録の時、わたしは自分でも不思議なくらい
気分が落ち着いていました。

理由はわかっていました。

まだちょっとおどおどしていた時、
「大丈夫。
 僕がちゃんと撮るから。
 いつもの通りに話してね」と
彼が声をかけてくれたからです。

昔からの友達が見守ってくれている、というのは
それだけで何だかとても安心できました。

ニュースキャスターの方と
お話をする形で収録したビデオは、
浦谷くんの手で5分程度にまとめられ
当日の夕方の熊本のニュースの時間に放送されました。

もしかしたら、ご覧になってくださった方も
いらっしゃるかもしれませんね。

今回の休みの間には
たくさんの方に初めてお目にかかることになって、
いつもとはちょっと違った休暇になりました。

多くの方々に話を聞いていただく、という
これまであまり馴染みのない出来事が続きましたが、
何とかいつもと同じようなペースを保てたのは
その最初が浦谷くんの番組だったこと、
そして、彼に「大丈夫」と言ってもらえたことが
何よりも大きかったと思っています。

本当に、ありがとう。

では、今日はこの辺で。
みなさま、どうぞお元気で。

本田美和子

2001-12-02-SUN

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