手紙135 家庭内暴力・6 緊急避難所
こんにちは。
あなたの大切な人が
あなたへ暴力をふるってくるとき、
自分の身を守る最も確実な方法は
その手の届かない場所へ逃げることです。
あなたが「逃げていく」ことを知った相手は
きっと怒り狂うでしょう。
何とかしてそれを妨げようと
更に激しい暴力をふるうかもしれません。
ですから、「できるだけ素早く、安全に」
逃げ延びてください。
「逃げる」という決断は、すごく辛いことだと思います。
でも、その決断ができるのは、あなただけで、
あなたがそう決めない限り、何も変わってはいきません。
辛いと思いますが、どうかご自分で決めてください。
では、次に、どこへ逃げればいいのか。
もし、近所に家族、親戚、親しい友人などがいれば
そこに身を寄せることもできます。
でも、相手もその場所を知っていて
あなたを、無理やり
そこから連れ戻そうとするかもしれません。
前回少し触れました、
「配偶者からの暴力の防止
及び被害者の保護に関する法律」では、
都道府県の婦人相談センターが
暴力の被害者を一時的に保護する、
緊急避難所・シェルターを設けることを定めています。
シェルターは
民間の団体に委託して運営されているものもありますし、
その費用に関しては
都道府県だけでなく、
国も分担することになっているそうです。
緊急避難所として
駆け込んでくる被害者を守る、という性格上
シェルターの多くはその住所を明らかにしていません。
近い将来
自分に緊急避難所が必要だ、と思われる方は
どうぞ、婦人相談センターに連絡して
係の人に話を聞いてもらい、
その場所を事前に確認しておいてください。
(電話番号の一覧表は前回お知らせしたように
http://www.ktv.co.jp/dv/tel.html にあります)
場所がわかったら
次はそこまでの移動の手段の確保です。
親しい人に事前に相談しておいて、
手を貸してもらえるようにしておけば一番安心ですが、
そうはいかない方もいらっしゃると思います。
いざ、というときに
どうやってそこまでたどりつくか、
しっかり計画を立ててみてください。
また、逃げなければいけない状況に追い込まれた時
「これだけを持っていれば、何とかなる」という
緊急持ち出しセットを作って
手の届くところに置いておくことも、すごく役に立ちます。
当座の現金、銀行のキャッシュカード、運転免許証、
住所録、健康保険証かそのコピー。
飲んでいる薬があれば、数日分。
そして着替えを少し。
一緒に連れて行くこどもがいらっしゃる方は
こどもの身の回りのものも、必要になると思います。
こんなことを準備するのは、気が滅入ります。
でも、この準備の目的は
「逃げる」ことではなくて、「自分の身を守る」ことです。
あなたが誰かに殴られ続けていい、という理由は
どこにもありません。
あなたの身を守るために、
どうか、その準備を忘れないでください。
では、今日はこの辺で。
みなさまどうぞお元気で。
本田美和子
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