手紙163 不要の英文医学書をお持ちの方へ
こんにちは。
今日はちょっと手短に、お願いの回です。
さっき前を通りかかった、病院の職員用の掲示板に
そうかー、としみじみするお知らせが出ていました。
アフガニスタンの医師は
現在、病院などの施設も、そこで使う医療器具も
非常に限られた状態の中で仕事をしているのだそうです。
時折伝えられる、いろいろな国を経由した報道で
わたしもその様子は
なんとなくわかっているつもりでした。
でも、そこに続いていた文章は
これまで、わたしが考えてもみなかったことについて
紹介していました。
今、アフガニスタンの医学教育・医療情報の伝達は
壊滅的な状況にあって、
首都・カブールにある医学部にも
教科書はほとんどなく、
先生は覚えていることを学生へ話し、
学生はそれを筆記する、という形で
授業が進んでいるそうです。
もちろん、教える先生方にとっても
読むための書籍がないのはもちろん、
わたしたちが日常的にやっているように
ウェブサイトを使って何かを調べたりする機会は
望むべくもなく、
新しいことを学ぶ機会はあまりありません。
この掲示ではアフガニスタンへ
中古の英文医学書と中古の医療器具を送るため、
これらの品の提供を呼びかけていました。
1970年以降に出版された英文の医学書であれば
基礎医学・臨床医学を問わず、何でもいいそうです。
また、聴診器・血圧計・体温計などの
簡易医療器具も受け付けています。
昨年、ニューヨークにいたときに思ったのと同じように
今でも、わたしは世界で起きていることの
何が正しくて、何が間違っているのかということを
わからないままでいます。
ただ、現在の医療水準から
圧倒的に取り残されている場所があって、
そこで今必要とされている、
絶対に役立つ知識があるんだ、ということは確かで、
このままでは、あんまりじゃないか、と思います。
援助の物資が届くことも、
外国からの支援の医師が入国することも
大切なことだけれど、
その国で生きてきて、今後も生きていく人たちが
そこでの生活を営むために必要な知識を得ていくことは
同じようにとても大切なことだと思えます。
30年前に出版されたものでもいい、という呼びかけは、
しょっちゅう内容が変わっていく医学書の性格を考えると
その惨状を想像するのに十分ですし、
わたしたちの手元にある古い本が役に立つのなら、
ぜひ、お送りしたいな、と思いました。
さきほど、このお知らせを出した
カレーズの会というNGOの関西支部代表の
医師・江原先生と電話で話しました。
英文医学書に関しては、雑誌も受け付けています。
また、とりわけ、皮膚科・歯科・公衆衛生に
関する本が足りないそうです。
もともとは今年の12月末が締めきりなのだそうですが、
運搬に国際協力事業団の協力が得られることになって、
その整理の都合上、
できれば11月22日ごろまでに
送ってもらえるとありがたい、とのことでした。
もちろん、その後になってもいいそうです。
このNGOはウェブサイトも持っていて、
http://www.netkobe.gr.jp/karez/ ではグループの全体像
http://www.netkobe.gr.jp/karez/kansai.html では
医療に関する内容を読むことができます。
カレーズの会の関西支部代表・江原伯陽先生の連絡先は
エバラこどもクリニック
〒669-1546
兵庫県三田市弥生が丘1-11 フラワータウン駅ビル7階
電話0795-62-8580 ファックス0795-62-8581
hakuyo@pluto.dti.ne.jp
です。
期日が迫っていますが
もし、ご協力いただける方がいらっしゃいましたら、
どうぞ直接、江原伯陽先生にご連絡ください。
今日はちょっと偏った方面向けへの
お願いの回になってしまいましたが、この辺で。
みなさま、どうぞお元気で。
本田美和子
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