手紙177 ご無沙汰いたしております。
こんにちは。
ご無沙汰いたしております。
以前、体や健康についての話などをしていた
本田美和子と申します。
昔、米国の病院で働いていたことがあり、
今は東京の病院で働いている、内科医です。
前回の掲載は1年半以上も前のことですが、
医療制度についての話をしていて
しかも、それが途中のまま、という事態になっていました。
ぐずぐずしているうちに
月日ばかりが経ってしまいましたが、
みなさまにお伝えしたいことは尽きないので
また始めることにいたしました。
もし、読んでいただければ、とても嬉しいです。
以前続けていた話は、
日本、米国、カナダなどの医療制度の話でした。
医療を行うには、技術と人と施設とお金が必要で、
そのどれもに限りがあるために
どのようにお金を配分するか、ということが
どこの国でも問題になっている、というようなことを
お話ししていたと思います。
先日、日本の厚生労働省が
医療制度の構造改革試案というアイディアを発表しましたが
ここでもお金の配分をどうするか、ということが
大きな問題となっているみたいでした。
前回(といっても、去年の2月のことですが)
ご紹介したように、
医療制度というのは
1)医療の質(quality)
2)医療にかかる費用(cost)
3)医療へたどりつくまでの手間や時間(accessibility)
の3つの柱から成り立っていて、
日本の場合、
3)の医療へたどりつくまでの手間や時間に関しては
他国の追随を許さない、
ぶっちぎりの良さを持っています。
この良さをあまり損なわない形で
質を上げてや費用を抑える、という
魔法のような医療政策が作り上げられるといいなあ、
と思いながらこの試案を眺めています。
日本に戻ってきてからは
普通の内科医の生活をしているのですが、
ときどき、海外の医師とも
一緒に仕事をするようになりました。
わたしの仕事の経験は日本と米国しかなかったので、
アジアで働く医師たちの話を聞いたり、
一緒に現地で働いてみたりすると
今まで自分が気づいていなかった
医療の新しい面を知る良い機会となって
とても楽しいです。
また、日本でも
病院で働く臨床医以外の
健康に関心のある方々と知り合う機会も増えてきて
こちらも楽しみです。
何だかだんだん
ただの近況報告になってきてしまいましたが、
次回は世界保健機関(WHO)の人たちと
仕事をしたときの話をお伝えしようかと思います。
では、今日はこの辺で。
みなさま、どうぞお元気で。
次回は絶対に1週間以内に。
本田美和子 |