手紙180 WHO・3 ホーチミンのタクシーとバイク
こんにちは。
前回は、ベトナムのホーチミン市で
HIV治療に携わる医師や看護師を養成する、
WHOのプログラムのお手伝いに
出かけることになったことについて
お話ししていました。
飛行機の窓から見下ろす初めてのベトナムは、
深い緑に覆われていました。
出張によっては、
空港の出口や、もっと幸運なときは飛行機の搭乗口まで
誰かが迎えに来てくれることもありますが、
今回は、基本は「罰ゲーム」なので
もちろん、誰も来てくれません。
飛行機の隣の座席に座っていた人に
タクシーの乗り方を教わり、
空港内でタクシーチケットを買って建物を出ると、
いきなり100人くらいのタクシーの運転手さんたちに
囲まれてしまいました。
ぼんやりしていると、
手荷物を持って車まで連れて行かれそうです。
チケットを買うときに、念を押された
「途中のタクシーには絶対に乗らずに、
左手奥の『空港タクシー』と書かれた看板の所まで
行くように」という言いつけを守って、
何とか空港タクシー乗り場までたどりつき、
ようやくホテルに到着することができました。
この街がフランスの植民地であったことを
強く思わせるたたずまいのホテルは、
とても落ち着いて、静かな、居心地の良い宿でした。
荷物をほどいた後は、
日本で渡されていた携帯電話番号に連絡です。
電話の相手は
太い声のフランス語なまりの英語を話す男性でした。
「あ、着いた? 疲れてないかい?
今日はゆっくり休んで、明日の朝ロビーに下りてきて。」
では、夕食でも食べに行こうか、と
ホテルの玄関を出たところで、
わたしは立ちつくしてしまいました。
おそらくホーチミン市の繁華街の一角である
ホテルの前の通りは、
信じられない数のバイクが行き交っていました。
しかも、2人乗りどころか、子供まで含めると
5人くらいの人が乗ってるバイクもあります。
また、自転車も
すごい速さで飛ばして交差点に突っ込んできます。
一応信号はありますが、
あまり機能しているようには思えません。
通りを渡って
向かいのレストランに行ってみようと思うのですが、
一歩踏み出すタイミングがつかめません。
有給休暇を使っての出張なので、
ここでバイクにはねられても
労災にはならないんだろうなあと思いながら
地元の人の後ろにくっついて、
ようやく道を横切ることができました。
翌朝、ロビーに集まったのは
今回使う教育用教材を作った
タイ赤十字の医師(オーストラリア人)、
ベトナム駐在のWHO職員(フランス人)、
カンボジア駐在のWHO職員(フランス人の医師)、
現地のコーディネートと通訳をしてくれる
ベトナム人内科医とわたしの4人でした。
軽く自己紹介をした後、
車に乗り込んで
わたしたちは講習会場に向かいました。
では、今日はこの辺で。
みなさま、どうぞお元気で。
本田美和子
追伸;
12月1日は世界エイズデーと定められていて
この日をはさんでいろいろな催しが開かれています。
以下のサイトに、
都道府県毎にまとめて紹介してあります。
ご興味のある方はぜひお出かけ下さい。
http://api-net.jfap.or.jp/event/aidsday/ad_event/list.asp?nen=2005
東京都内でのキャンペーンのひとつには、
厚生労働省とエイズ予防財団、港区保健所などが主催して
今週の土曜日(11月26日)の午後、
港区六本木にある、六本木ヒルズで
その日に結果をお知らせできるHIV抗体検査を含めた、
エイズに関する催しがあります。
http://www.city.minato.tokyo.jp/koho/2005/km051111/1600tps2.html
検査をお受けできる人数が限られているのは残念なのですが
無料・匿名で受けられるのは
他の保健所等で行われている場合と同じです。
お近くの方はどうぞお越し下さい。
本田美和子
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