手紙185 WHO・8 タイ北部の町。
こんにちは。
前回は途上国のHIV対策の
モデルケースのひとつとなっている、
タイ北部の町に行くことになったことをお話しました。
今日はその町で見たことをお伝えしようと思います。
前日まで札幌にいて、
びゅーびゅーとふく吹雪に凍えていたのですが、
タイの首都バンコクに着いたら、真夏でした。
バンコクから北部の都市まで飛行機で1時間。
それから小さなバンに乗って
時速100キロくらいで山道を越えて2時間半。
運転手さんは、腕に覚えあり、という感じで
タイヤを時にきしませながら運転していきます。
揺れがすごくて、座席からおっこちそうになります。
そういえば、友人が
「昔卒業旅行でタイに行った友達が、交通事故で死んだ」と
言ってた、と不吉なことを思い出し不安になりました。
タイのトヨタのバンでシートベルトがあるのは
運転席と助手席だけで
後部座席には、
シートベルトもどこか握るところもありません。
トヨタの人には
輸出する車にもちゃんとシートベルトをつけてください、と
お願いしたいと思います。
怖かったです。
山越えの道は左右に山林が広がっているのですが
ときどき、どうみても白樺、という林がありました。
摂氏30度を越える山道に
白樺、しかもすべて落葉後というのは変なので
何なのだろうな、などと考えてるうちに
ようやく目的地に無事に到着しました。
ホテルの6階の部屋からは
町全体が見渡せました。
野良犬が路地に集まってるのが見え、
民家の庭ではたくさん鶏を飼っているようでした。
町の中心部にはデパートもあって、
おもな産業は農業と漁業。
ひとことで言えば、とても質素なすごく田舎の町です。
とても辺鄙な町ですが、
10年ほど前には20人に1人が
HIVに感染している、という
とても深刻な問題を抱えた地域でした。
でも、この辺鄙な町に
国際機関や各国政府の援助が届けられ、
そして、もちろんタイ政府の政策も功を奏し、
現在では、HIV対策のモデルケースのひとつとして
世界に広く知られるようになりました。
この町で数日間、
世界中の途上国で進められている
HIV治療の大プロジェクト、
3by5計画の成果の一端を
見せてもらうことになりました。
では、今日はこの辺で。
道中の話だけになってしまって、すみません。
みなさま、どうぞお元気で。
本田美和子
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