お医者さんと患者さん。 「遥か彼方で働くひとよ」が変わりました。 |
手紙231 日本のHIV レベッカ・ブラウン こんにちは。 前回は 「体の贈り物」や「家庭の医学」といった “健康や介護に関する文学”の分野において 素晴らしい作品を発表している、 米国の小説家、レベッカ・ブラウンさんに お目にかかれることになったいきさつを ご紹介しました。 彼女と彼女のパートナー・クリスさんと一緒に 夕食をとれることになったとき、 わたしはこの貴重な機会を どのように過ごせばいいのか、 喜びにあふれる一方、途方に暮れてもいました。 彼女の作品をもう一度読み直しながら たどりついたわたしの結論は、 「レベッカ・ブラウンさんと友達になってこよう」 ということでした。 彼女の作品の中で 優しさと冷静さとが 信じがたい絶妙なバランスで語られているのは、 きっと、 彼女ご自身がそのような方だからだろう、と わたしは勝手にそう思い、 そんな素敵な人と一緒に御飯を食べられれば、 それで充分だ、と考えなおしました。 結局、当初考えていた録音の道具や いろいろ考えて書いていたメモは 自宅に置いたまま、 わたしはシアトルに出発しました。 約束のレストランに おふたりはすでにいらしていました。 わたしたちは3時間近く いろいろなことを話しました。 クリスは、 HIVに関する研究をなさっている方で、 日本の文楽がとてもお好きでいらっしゃること。 レベッカは 7月15日から22日に ワシントン州のPort Townsendという町で開かれる 小説に関するワークショップ:Writing in the World) を主催していて、 その準備にいそがしいこと。 そんなことを とても楽しくお話しくださる一方で おふたりとも、 話を聞いてくださるのが本当に上手でした。 わたしは調子に乗って、 相当いろんな話をしてしまい ちょっと反省しています。 シアトルは サンフランシスコとちょっと似ていて、 坂の多い街です。 ホテル近くまで送ってくださったおふたりが ゆっくりと坂を登っていく後姿を見送りながら、 わたしはしみじみと 今日のできごとに感謝していました。 途中でご紹介した、 小説に関するワークショップ: Writing in the Worldは、 どなたでも参加できるそうです。 日程も迫っていますが、 もしご興味のあるかたは、 ぜひサイトをご覧になってみてください。 レベッカが“これぞ”と見込んで 個人的に声をかけた作家の方々が 講師として教えてくれるのだそうです。 とても楽しそうです。 では、今日はこの辺で。 次回は、 思いがけない方が、 HIVについて 興味を持ってくださっていることがわかって、 心強く思っている、ということについて ご紹介しようと思います。 みなさま、どうぞお元気で。 本田美和子 |
2007-07-06-FRI
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