まるでハガキのように。 |
◆「まるでハガキのように。」によせられた 「怖い話」を、楽しみましょう。 |
●けし ●ogawa いとこの体験談です。 結婚して嫁ぎ先の墓参りに行き、 親戚筋に幼くして亡くなった子がいると聞き、 小学校の先生もしていた彼女は 「可哀想に」と思いながら、手を合わせました。 その夜激痛が彼女を襲い病院に運ばれ、 検査を受けても何も異常は無いと言う。 そのとき片方の耳からは子供の泣き声が、 もう片方の耳からは、お経が聞こえてきました。 お経が何とか痛みをやわらげる作用をしていました。 御祓いにいったところ、 いっしょに行ったご主人に子供の霊がとりついて 泣き出してしまいました。 子供好きの彼女に子供が憑いて 霊障をひきおこしていたようです。 御祓いが済んだあと 「あなたのご先祖のお守りとして 短刀があるから奉って毎日手を合わせなさい」 と言われました。 実家の本家の物置を探したところ、 本当に短刀が見つかりました。 霊の類など信じなかった彼女ですが 毎日お守り刀を奉り、お水をあげ手を合わせました。 子供の霊は現れなくなったそうです。 ●後前原猿彦 中学1年の林間学校は軽井沢でした。 6畳の部屋の間のふすまを外した、 ちょっとした広間状態のところに 布団を敷き詰めての夜は、 例のごとく告白大会&怖い話大会に終始。 ひとりまたひとりと眠りにつき、 いつしか気付くと起きているのは 僕一人になっていました。 部屋からは広い庭が見え、 夜間灯の青白い灯が白樺を照らしています。 白樺のむこうは林間道路で、 時折行き交う車の音とヘッドライトの明かりが、 余計に静けさを強調します。 と、庭のむこうから、 呼子のような、口笛のような、 リコーダーを弱く吹いているような、 何とも言えない音色が聞こえてきました。 「ぴー、ぴー、ぴー・・・・・・」 まるで何かの合図のように3度ほど鳴ると、 その音は一定の周期を保ったまま移動を始めました。 音はゆっくり歩くくらいの早さで、 宿の周囲をまわってきます。 庭を過ぎ、林を抜けて、やがて音は 庭と反対側の壁の向こうがわまで近付きました。 その壁の外に音の主がいる。 そう思った途端に、音がぴたりと止みました。 音の主がこっちをみている。 じっとみている。 得も言われぬ恐怖が僕を襲いました。 もちろん体は動きません。 起きているのは僕だけだ。 そのことを音の主は知っている。 何も出来ず、じっと壁をみつめる僕。 そのむこうでこっちをじっと見つめる音の主。 気の遠くなるような時間が経ちました。 と、こちらを見つめる気配に動きを感じました。 目線がそれた。 「ぴー、」 とさっきの音がすると、 再び一定の周期で繰り返しがら歩き出しました。 林を抜け、ちょうど宿を一周した庭の向こうで 一度止まると、 音はそのまま林間道路の向こうのほうに 消えてゆきました。 数年後、超常現象モノのテレビに、 河童研究家を名乗る老人が出演していました。 河童の鳴き声を録音したというのです。 番組で紹介されたその音は、 何とも言えないか細い音色といい、 一定の周期といい、 まぎれもなくあの日聞いたあの音でした。 ●玲子 20年ほど前の話です。 父の友人の引越しの手伝いのため、 その新居に着いたとき、 ここは定年退職で空いた家じゃないと感じました。 天気のいい日だし、炭鉱住宅だけど新しいしきれいだし、 なのに変な感じが頭から離れず、 早く帰りたくてたまらなかった。 その晩、自宅で寝つきが悪くどうしょうと思ったとき、 どこからともなく読経が・・・・ いくら隣りがお寺といっても、 70歳の和尚さん一人で午前2時という時間に しかも複数の読経が 閉めきった窓から聞こえるはずがない。 そのうち寝付いたものの、気がつくと 自分は足を引っ張られ、 頭は布団の中に・・・・ もう一人の自分は枕に頭をのせて、すやすや寝ていた。 どうやって自分に戻ったのかは覚えていない。 ●マルS 10年くらい前の話です。 いつも出歩いて帰ってこないことも あたりまえのAさんが、 ほんとになかなか帰ってこないので、 それを心配したご両親が わかる範囲の友達に連絡をとってみても 居場所がわからない。 ところがある日、 偶然にもAさんのお父さんが いつもは会社へ車で行くのに なんとなく電車で行きたくなり、 その途中でなんとなくの胸騒ぎとともに 「お父さん」と聞こえた気がして 降りたことのないホームへ降りたんだそうです。 そしておさまらぬ胸騒ぎのままに 駅員さんに事故はなかったかと聞くと、 「一ヶ月前に若い男の方が はねられて亡くなりましたので保管しています」 と言われ、確認すると自分の息子だった、と・・。 そのことをAさんの友達に通知したときに その友達は信じなかったそうです。 その一ヶ月の間に 友達はAさんとお酒を飲みに行き、 タクシーでAさん宅までいっしょに乗って、 Aさんが玄関をあけて入っていくのを見たそうです。 でもそのときはすでにAさんは亡くなっていたんです。 私はそのAさんのお葬式に行きました。 ●勇一 友達から聞いた話です。 女子大生のKさんは、 大学のサークルの飲み会の後、遅くなったので、 一人暮らしをしているサークル仲間のTさんの部屋に 泊めてもらう事にしました。 Tさんの部屋につき、 まだ少し酔っていたKさんは ベットの上に座らせてもらい、 Tさんはその正面に座りました。 少し話をしたところでTさんが、急に 「のど乾かない?」 と聞きました。 Kさんは、 「うん。大丈夫。」 と答えました。 しかしTさんは、 「のど乾いたでしょ?」 としつこく聞きます。 仕方ないので 「じゃあ、なんかちょうだい」 とKさんが答えると、Tさんは 「外に買いに行こう」 と言います。 「それならいいよ」 と断っても 「行こう行こう」 とTさんは強引に手をひっぱっていきます。 外に出て、今度はTさんは、 コンビニがある方向とは、 逆の方にどんどん歩いていきます。 途中自販機があっても立ち止まらず、 まっしぐらにKさんの手を引いて歩いていくのでのです。 そしてついたのが、交番のまえ。 中に入るなりTさんは 「人殺しです!」 叫びました。 中のいたおまわりさんも驚きましたが、 何より驚いたのはKさんです。 「どういうこと?」 と聞くと、Tさんは少し震えながら答えました。 実はKさんの座っていたベットの下には、 なたを持った少年がいたのです。 しかしTさんは、 気づいた事を相手に知られては殺されると思い、 何とか外の出ようとKさんを連れ出したのでした。 警察が踏み込んだ時も少年はまだいたそうです。 そして、パトカーに乗せられようとした時、 無表情のまま小さく 「チッ」と舌打ちしたそうです。 これは事実らしく、新聞にも載ったと聞きました。 |
2000-08-23-WED
●えれき ●くまリン 私が小学生の時の話です。 毎土曜日の夕方、 私は自転車で学習塾に通っていました。 その日、授業が長引いて一寸帰りが遅くなった私は、 一生懸命ペダルを踏んで家路を辿っていました。 冬場だった為、あたりはとっぷりと日も暮れ、 暗闇が覆っていました。 すると、突然、私が着ていたジャンパーの裾が、 物凄い力で引っ張られ、 私は自転車ごと転びそうに成ってしまいました。 咄嗟に、木の枝か何かに 引っかかったのだと思った私は、 すんでのことで体勢を立て直すと、 ジャンパーが破れていないかどうかを気にしながら、 後ろを振り返りました。 後ろには、何も有りませんでした。 何故なら、私は広い田んぼの真ん中のあぜ道を 走っていたのですから。 恐怖に駆られた私は、 一散に自転車を漕いで、必死で家に帰り着きました。 後でジャンパーを見てみると、 大人の指の形通りに、生地が伸びていました。 実話です。 ●けんいち! これは実際に僕の友達が経験した、 怖いというより不思議な話です。 僕は東京の文京区というところに住んでいました。 当時中学生だった僕の友人には場所柄からか、 お金持ちの息子が多かったのです。 (僕の家は違いましたが) その友達も大きな家に住んでいました。 しかし、戦前からあるような古い屋敷で、 その家の庭には、古い井戸があったのです。 彼の両親は、庭にある古い井戸に 子供でも落ちたら大変だ! と埋め立てる計画を立てたそうです。 そんな話を聞いた晩に、 彼が床に着いていると、 庭の方で物音が聞こえたそうで、 半分寝ぼけながらカーテンを開けると、 なにやら時代劇に出てきそうな 江戸時代を思わせる格好の人が走って逃げていき、 その後ろをお侍のような人が 刀を抜いて追いかけていたそうです。 気が付くと、朝になっていて夢でも見たんだろうと思い、 井戸の埋め立ての日を迎えたそうです。 コンクリートを流したそうなのですが、 いくら流し込んでも井戸は埋まらなかったそうです。 なぜなのか、業者の方が調べてみると、 その井戸は、彼の家からだいぶ離れた キリシタン坂というところまでつながっていて、 そのせいで井戸が埋まらないと言うのです。 文京区は坂で有名な町ですが、 そのキリシタン坂というのは、 彼が夜に見た、 遠い昔の、隠れキリシタンたちに由来する坂なのです。 彼はその話を聞いてゾッとしたそうですが、 彼が見たものは夢だったのかそれとも・・・ ●ヤギダイ あれは幼稚園くらいのころのことです。 夜目が覚めると、 部屋に面した庭が月明かりに照らされて、 やたら明るく見えました。 そのためか、庭沿いの廊下には影がさし、 いつもと違う重苦しい雰囲気。 やがて廊下の奥から、 錫杖(お坊さんとかが持つ杖)の 「シャン!シャン!」 という音が聞こえてきました。 どうやら2〜3人のお坊さんが 廊下を歩いてくるようです。 怖くなって布団をかぶると、 その「シャン!シャン!」がだんだん近づき、 私の枕元で止まったのです。 (和室で布団で寝てました) 布団の隙間から、 先頭の人の裸足の足下を見ていると、 その人は身をかがめ私の顔を覗きました。 ここから後は残念ながら覚えていません。 ●Dax 私が某家電メーカーに勤めていた時の話で、 私自身が体験してものでは無いですが、 記録に残っています。 ある日、新しい守衛さんが入社してきました。 その守衛さんは、その日の巡回日誌に 「夜中に工場を巡回していると、 一人で仕事している人がいるので 『ご苦労様です』とか何とか話して、 Tさんが第3棟で一人で四時頃仕事していた。」 と、書きました。 明けて次の日、巡回日誌を読んでいた人事の人が 昼食時Tさんと会ったので 「遅くまでしてたんだってねー」 と言うと、してない、との事。 夕方出社して来た日誌を書いた守衛さんに 何気なくそんな事を言うと 守衛さんは、 「名札にT Iと書いてあった」と言ったので、 廻りに居た人たちはビックリしたらしい。 さらにその人の特徴も言ったらしいので、 数人の女子社員は キャーッと震え上がったとの事でした。 人事の人が食堂で話かけたのはTUさん、 守衛さんが夜中に会ったのはTIさん。 数日前に入社してきた自衛隊上がりの守衛さんが 2年前に亡くなったTIさんの事など 知るはずがないので、 やはり出たか、TIさんの幽霊が。 瞬く間にこの話は社内に広まった。 何故やはりかと申しますと、 生前TIさんは上司のS課長に とにかくイビリ倒されてました。 人間でないかのように、 傍で聞いてても耐えられない位毎日毎日。 そして胃ガンで亡くなりました。 別の守衛さんと話していると 「Tさんだけじゃない(出るのは)」 「怖い事ないの」 と聞くと 「そんな(出る)時はなんとなく判るんぞ、 アッやっぱり、あそこにおる。と」 「それで、どーすん」 と更に聞くと 「見て見ん振り、知らぬ顔してサッサと通る」 「そんな怖い仕事よーやっとるわ」 「もっと恐ろしい物もでるぞ」 「何?まさか屁じゃないやろなー」 「聞かん方がええ。 だいたい出るのはお墓が荒れとるからよ。 (亭主が)死んだら家のローンは払えるし、 ガッポリお金が入るし、 2.3年たったら荒れるお墓も有るんやろなー」 その後S課長は海外単身赴任となり、 そしてTIさんと同じ病名で亡くなりました。 せめて、あの世では 二人は仲良くしている事と信じてます。 私たちは。 ●裏拳先生 中学校のバカ友達で コワイ話をいっぱいしてくれる子がいました。 もともと、その子の家系は 霊感というものが強いらしくて 家族全員が色々な霊体験を持っていたんです。 今日はその中から一つ、お話ししましょう。 ある日、お兄さんが寝ていたところ、 金縛りに襲われ、 その時は 「また来たな」ぐらいにしか 思わなかったそうです。 しかし、そのうち、 首を絞められているような気がして苦しくなり、 必死で 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」 と唱えたところ、 太い男の声で・・・・・・・・・・ 「そんなん効かへんわ!!!」 |
2000-08-22-TUE
●ぼんぼん ●satti わたしの友人の、そのまた友人に Mさんという女性がいます。 夏の暑い日、彼氏のアパートに遊びにいったMさん。 お昼に冷し中華を作って食べたあと、 彼氏がタバコを買いにでかけました。 Mさんはお皿をさげながら、 ちらかった彼氏の部屋を掃除しようと思いたちました。 Mさんはまず、窓を開けようと思いました。 しかし、彼が 『窓だけは開けるな』 と言っていたのを思い出しました。 一階の部屋で、 開ければすぐ裏通りに面していますから、 通行人に部屋を見られるのが嫌だったんでしょう。 こればっかりはしょうがないもんね、と、 Mさんは一気に窓を開けました。 夏なのに、ひんやりした空気が部屋に入ってきます。 路地には打ち水がキラキラと輝いています。 夏のにおいをいっぱいに吸って、 Mさんは部屋をかたづけはじめました。 すると、ある気配に気付きました。 窓の方です。 Mさんが窓に振り返ると、 小学3〜4年生ぐらいのおかっぱの女の子が、 窓のさんに両肘を乗せ、そのうえに顎をのせて、 Mさんを見守るように微笑んでいました。 『あ。こんにちわ』 Mさんが声をかけました。 女の子は返事もせずに、 ニコニコとMさんに向かって微笑んでいます。 『夏休み?いいわね。いっぱい遊んでいる?』Mさんはほう きを片手に話し掛けました。 またもや、女の子は返事をせず、 ニコニコと微笑んでいるだけです。 耳が聞こえないのかな? 夏だというのに透き通るような白い肌をした女の子は、 もしかすると病気がちで、 海にも行けないのかもしれない。 よく見ると、すこし頬がこけていて、病弱そう。 悪いこと言っちゃったかな・・・? Mさんはなんだか女の子が可哀想になりました。 Mさんは、冷蔵庫に冷やしてあった カルピスに氷を浮かべて、 『おねえさんとカルピス飲もうか。おいで!』 と手招きしました。 女の子は、両肘に顔をのせたまま、 ちょっと驚いたような顔をしました。 『どうしたの?大丈夫よ。 向こうにドアがあるから。 おいで!』 おいで! Mさんが、ふたたび手招きしたその時です。 女の子が再び満面の笑顔をたたえたと思った瞬間、 女の子の顔と両肘だけが、 Mさんに向かって飛んできたのです。 ニコニコ、ニコニコ笑いながら・・・。 開けてはいけないと言われた窓は、 決して開けてはいけませんね。 ● 田中 こんにちは。 怖い話・・・かどうか分からないんですけれど、 投稿します。 小学生の私は怖い話が大好きでした。 漫画や小説、昼間はいっぱい読みました。 明るい太陽の下では怖い話って平気じゃないですか。 でも、夜になるとそこらへんのものが 全部怖いものに見えてしまって泣き出したり・・・ トイレに一人で行けなかったり。 今となっては、その頃見た幽霊らしきものは 全て自分の恐怖心が生み出したものだろう、 という結論で納得しているのですけれど。 どうしても納得できない事が一つあるんです。 それは小学3年のとき。 季節は冬・・かな。 母親と、ふざけていたんです。 どうしてそうなったのかよく覚えてませんが、 くすぐってこようとする母親をかわし、 2階の寝室に逃げ込みました。 隠れるところはベットしかなく、 もちろんダッシュでもぐりこみました。 頭は上、脚は下の普通の入り方です。 ドアが開き、母親が入ってきた気配がしました。 そしてすぐに、私の上に乗ってきたのです。 母親は体重60キロ、死ぬかと思いました。 さらに、両足をムギュー、と掴まれたのです。 あまりに強い力で引っ張られるので、 対抗しようと、布団から顔を出したのです。 ベットの頭のとこにある棒 (なんていうんですかね?)につかまろうと思って。 そしたらなんと、母親の顔が見えるじゃないですか。 足を引っ張ってくるので、 てっきり母親の顔は 私の足のほうにあると思っていたんです。 それと同時に足を掴む手もなくなって・・。 子供だったので、キャー、で済ましていましたが、 ・・・変ですよね。 だって部屋にはほかに人なんかいなかったし、 ベットの端っこは壁にくっついていたんですから。 あ、あたしの母親の手は、 普通の人とおんなじ長さです。 念のため。 ではでは。 ●アントニオ猪木の子 6年前の夏の夜のことでございます。 3夜続けて不思議な夢を見ました。 1夜目は何千、何万という本のページを 延々とめくる音が頭の上でするのです。 パラパラ、パラパラ・・。 私のベッドの頭の上は壁で 誰も入る余地なんてありません。 一晩中めくられ続けていました。 2夜目は兵隊さんが私の部屋を歩いているのです。 ザッ、ザッ、ザッ、ザッ・・。 目を開けているわけでもないのに、 兵隊さんだということがわかりました。 あの土を踏みしめるような音の感覚が そうわからせたのでしょう。 一晩中歩いておられました。 3夜目は首を誰かにはがいじめにされて どんどん落ちていきました。 一晩中落ち続けてとても疲れました。 3夜とも夢か現実化わからないような感覚で 疲れかなー、と思っていた4夜目に テレビに霊感があるので 有名な稲川淳二さんが出ていらっしゃいました。 稲川さんは私と全く同じ夢を見たとおっしゃっていて、 私のように3夜連続ではなく、一度に見られたそうです。 そしてたぶんそれは夢ではなく・・。 それから意識を失っていました。 私、見えるわけではないんですが、 どうやら感じる人らしいです。 それから滝に行くと 涙が出るようになってしまいました。 滝は水子の霊がまつられたりしてるらしいですね。 ●Ricorico この世の存在ではないヒトを 「感じる」感度の高い私は、 度々彼らを呼び寄せてしまう。 7月のある雨の夜、青山のカウンターバーで、 「見てしまう」能力のある友人Wが私に言った。 「ねぇ。さっきから、居るでしょう? 気づいている?」 ・・・背後に居る「彼」は、 30歳ぐらいで、全身ずぶ濡れ。 長い前髪からしずくをたらしながら、 口をぱくぱくさせて、私を見つめているらしい。 数日前から、毎夜重苦しい男の存在(気配)に 不眠状態が続いていた私は、 彼がその張本人だということを悟った。 「どうして祓わないのよ!」 友人がバーのマスターに了解を得て 店の入り口と外側に塩をまき、 めだたないところに「盛り塩」をする。 「普段は消えるんだけど・・・」とwが言葉を飲みこむ。 そう。 「彼」は強いのだ。 私も感じてる。 相変らず「彼」は背後に立ち、 さらに強い視線で私をニラミつけているのだ。 「お持ち帰り」をしてしまった私は、 生まれて始めて「盛り塩」をした。 部屋の入り口に、塩を盛った小皿を置く。 部屋の外にも塩をまく。 首筋に今まで感じたことのない 冷たい吐息を感じながら、 「アンタといっしょに寝るつもりはないのよ」 と心で叫ぶ。 それでも部屋の片隅に、「彼」を感じる。 外では止む事のない雨が、 しとしとと音をたてつづける。 「だから、あんたは嫌いなのよ」 激情にかられて、 部屋中に塩をばらまき、 布団にもぐりこむ。 目をつぶり、息をひそめ、ひたすら心に念じつづけた。 「ここはアンタの居場所じゃないのよ!」 目覚めると、塩でざらざらするフローリングに、 朝の光がさしこんでいた。 ひさしぶりに熟睡した後は、何かからだが軽い。 部屋の空気はココロなしか軽くさわやかだ。 出掛けに目にとまった「盛り塩」の小皿の塩は、 その「小山」のてっぺんまでが、水につかっていた。 ●グッドマン 小学校の低学年の頃、家の建て替えをするので 一時的に一家でアパートに住んだことがありました。 学校が遠い、という理由だけでなく、 なぜか僕はその家が好きではなく、 早くもとの家に戻りたいと思っていました。 そんなある日、真夜中、家族全員が就寝中、 僕は自分が泣いているのに気づきました。 それも、大声を出してわんわん泣いているのです。 ちょっと冷静な自分が、怖い夢を見たのだと 言い聞かせるのですが、言い様のない怖さで なかなか泣きやむことができません。 ずっと目をつぶったまま泣いていたのですが ふと気づくと、僕は布団の中にはいませんでした。 僕がいたのは、玄関脇の一角、電話機のところ。 受話器を握りしめ、耳に当てたまま、泣いていたんです。 その状況に怖くなって、さらに大きな声で泣いたところ 母が気づいて連れ戻し、気つけの小児用丸薬を飲ませて 僕を寝かしました。 いったい何に呼ばれて、誰からの電話をとったのか、 いまとなってはわかりません。 受話器からはただ「プー」という発信音が聞こえていたと 記憶しています……。 ●瓜坊 高校2年生の夏、暑い日でした。 自分の部屋で、夜寝ていたら金縛りにかかりました。 ぐうたらと怠惰な夏休みを過ごしていたので、 身体が疲れている時にかかる種類の 金縛りではありません。 黒い圧迫感があって、脂汗がだらだらと出るのです。 その時私は右にある壁の方を向いて寝ていたのですが、 眺めているうちに、白い壁の向こう側に、 荒野と呼ぶべき景色が だぶるようにして見え始めたのです。 黒い人影がその景色の中に立っていました。 何故か「これは見てはいけないものだ」と直感し、 目をぎゅっと閉じると 上を向いている左耳のすぐ耳元で 「そうだ、お前は見なくていい」 という低い男の声がしたのです。 本当に誰かが近くで囁いた気配がしました。 あれから6年経つ今でも、 あのリアルな声を忘れられません。 |
2000-08-19-SAT
●ゆう子氏 ●とても彼女の声じゃない 私が小学校5年ぐらいの時 「新聞係」で夜遅くまで学校に残って、 友達5人で 最後の仕上げをやってました。 当然、学校は早く校舎の電気を消します。 私達は怖くなってきて 早く済まして帰ろうということになり、 急いでいました。 やっと「新聞」の方ができ、 もう電気は消され帰りの廊下が真っ暗。 当然外も真っ暗。 大変みんな怖くなり全力で走り、 階段まで走りました。 そうすると5人の中の1人の Hさん様子がおかしいのです。 なんか息が荒いとゆうか・・・ 私が「大丈夫?」とHさんに聞くと 「うん・・・大丈夫・・・」と、 とても彼女の声じゃない 低い男性の様な声で答えました。 Hさんは普段もの凄く高い声なんです。 みんな一瞬凍りつきました。 顔も変にゆがんでるというか・・・ そして私がHさんの肩を叩いたんです。 そしたら、なにか我に返った様に、 いつもの高い声でなにごともなかったように 「どーしたの?」といったんです。 今思えば、取り憑かれてたんでしょうか・・・・ ほんとにあの時のこと忘れもしません。 怖い体験でした・・・ ●テリー こんばんわ・・・。 みなさんは輪廻転生を信じていらっしゃいますか? 僕は信じるも信じないも・・・。 あれは小学校3年生の頃(昭和44年頃)のこと。 近所のみんなの遊び場「テニスコート」 (呼び名はそうですが正確には元テニスコートで、 ほとんど草むらのようなところです。 古いアパート群に囲まれて ひっそりしているところでした)で、 いつものように虫をつかまえて遊んでいたんです。 当時の草むらやどぶ川といえば もう昆虫図鑑が作れるくらい生き物の宝庫でしたね。 獲ってはつぶし、引き裂き、投げ飛ばし、 好き勝手やっていました。 その日はとかげを捕まえて尻尾を切って遊んでたんです。 そうこうしているうちに陽が暮れて 歩いて10分ほどのところにある家に帰りました。 で、最初にトイレに行ったんです。 (その時の家のトイレは裏の庭にあったんです。 つまり外に)トイレのドアを空けました。 すると居たんです、そこに。 あの尻尾を切られたとかげが。 でね、僕を見上げて笑ったんです。 それから後のことは覚えていません。 気を失ったらしくて目が覚めたら 布団に横になっていました。 あのとかげ前世は高等動物ですよ、絶対。 それから約30年、今だに とかげはおろか虫一匹殺せません。 ●こぐま係 『幽霊と目が合った』お話 私が中学2年生のある夏の夜のことです。 夜中にふと目を覚ますと 誰かが裸足で廊下を歩いているようです。 ヒタヒタ。 私の部屋の前でぴたりと止まり、 ドアの前に立ちました。 もしドアが開いて 恐ろしい形相のお化けがのぞいたら怖い、 見たくない、 そう思った私は必死で目を閉じようとしましたが 閉じられません。 布団をかぶろうとしても手は動かないし、 ドアから目を逸らそうにも頭が動きません。 ついにドアがギーっと鳴り、 15センチほど開いて止まりました。 そこには血まみれの顔も、 ゾンビのような顔もありませんでしたが、 私は確かに誰かと目が合ったのです。 じっとこっちを見ています。 でも姿は見えないのです。 幽霊は私の部屋のドアを閉めると、 今度は隣の兄の部屋のドアを開けたようです。 私は怖くて朝まで一睡もできませんでした。 「ひょっとしたらお兄ちゃんかも、、」 という淡い期待を胸に 汗だくで朝を待ちました。 外が白み始めたのと同時に、 やっとの思いでベッドを抜け出し、 ベランダづたいに兄の部屋へ行きました。 すると兄は、 「まり、昨日の夜、部屋のぞいたろーが。」 と言ったのです。 私は「ギャー」と叫び、 兄も「ギャー」と叫び、 2人で怖くて収拾がつかない状況になりました。 2人して寝ぼけたんじゃあ・・・ ということに一応、なりました。 でも・・・。 「幽霊がドア開けるの?」とか 「目的は何だったの?」とか、 ああいう気配を感じたことがない人は 本当に幸せだと思います。 ●やまにょ あれは9月の終わり頃、私が小学6年の時でした。 生徒会役員だった私は 他の役員達と一緒に、 次の週末に開かれる運動会の準備に追われていました。 時間ははっきり覚えていませんが、 下校時刻をとっくに過ぎ、 残りわずかな夕日が真っ赤だったことだけは はっきりしています。 大きな看板にスローガンを一文字ずつ書いているとき、 悪戯心から、私は後輩に向けてこう言いました。 「そういえばさ、この学校、 昔、人が死んだの知ってる?」 ……実際に、私が幼稚園だった時、 「自殺ごっこ」といって 窓辺で遊んでいた小学6年生の男の子が、 校舎の窓枠から滑り落ちて 亡くなったことがあったのです。 勿論、私よりも小さかった後輩は、 その話を知りませんでした。 怖がる後輩を見て、私や同級生は笑いながら こう付け加えたんです。 「実際に出てきたら面白いよね〜」 ……数日後の運動会。 母親が私の姿をとった写真の中に、 「彼」の姿が小さく写りこんでいました……。 ●olive ある日のこと、自宅で、 お母さんが夕飯の支度をしていました。 彼女は、すぐそばにいたそうです。 お母さんは立って、 何かまな板で切っていたようです。 夕暮れ時、薄暗くなっていました。 ふと、彼女が気が付くと、 お母さんのスカートのすそに、 手がついていたんです。 ひじから先の手で、 お母さんのスカートをつかんでいました。 彼女が「手が!」といって、叫ぶと、 お母さんも気がついて、 あわててスカートをはらったのだけど、 手はぶらさがったまま、とれない。 お母さんは、とにかく、 スカートから手をふりおとそうとするのだけど、 どうにもならない。 ある程度の重みもあるようで、 スカートにぶらさがったまま放さない。 慌てて、お母さんは、外に出て、 彼女もいっしょに飛び出したんだけど、 外に出たら、手はふっと消えたそうです。 ●雪中庵 協力隊でケニアに住んでいた頃、 突然、足の裏の中指の付け根あたりに かゆみを感じました。 最初は『暑い所だし水虫だろう』 ぐらいに思ってましたが、 日に日にひどくなっていきます。 ある日あまりのかゆみに足の裏を見て、 ギョッとしました。 1cmほどの白い円形の真ん中にポツンと黒い点があり、 ちょうど魚の目のようになっているのです。 そういえば、ケニア人から 「ジガという人に卵を産みつける虫がいて、 刺された所は魚の目のようになる」 と聞いた事がある。 放っておくと卵がかえり、ウジが全身にまわる、とも。 6百km離れた首都の病院までは、まる一日かかります。 既にかなり放置していたので、 今にも孵化しそうに思え、意を決して、 自分で切除する事にしました。 登山ナイフを火であぶり、足の裏を十字に切り裂くと、 その血まみれの中に、タラコのような卵の塊が見えます。 一瞬気が遠くなりながらも、 ピンセットでほじくり出すと、 跡には1cmほどの穴がポッカリあきました。 |
2000-08-18-FRI
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