まるでハガキのように。 |
◆「まるでハガキのように。」によせられた 「怖い話」を、楽しみましょう。 |
●ヒロコ ●かっぱあ33 旦那の子供の頃の話です。 小学2年生だったときに おばあちゃんが亡くなったそうです。 家でお葬式を出す事になったんですが、 旦那はその時風邪を引いていて、高熱が出てたんで 二階の子供部屋で寝るように言われたそうですが やはり怖い。 結局、葬式をしている部屋の近くの、 応接間のソファーで寝ることになりました。 そのとき、旦那は寝てしまっているはずなのに いわゆる幽体離脱してしまったそうです。 おばあちゃんの祭壇の前で寝ている 両親や親戚の人たちが見えて、 ボーーとした白い霊気のようなものから おばあちゃんが「おいでおいで」をしていたそうです。 行きたくてもいけないなあなんて思っていたら 朝で目が覚めたそうです。 応接室で寝ていた旦那は、 朝、お母さんに夢の事を話すと 寝ている順番などはあっていたそうです。 ついて行ってたらどうなってたんでしょうねえ・・・ ●ふっきん 中学校の時の国語の先生(美人)の話。 大家さんともめて、アパートを出ることになった彼女が 新しく見つけた部屋は家賃が激安だったらしい。 でも、部屋のど真ん中に男の人が立っている。 彼女は激安家賃をさらに値切ってそこに住んでいた。 「寝ようとすると、 ふとんのまわりを一晩中歩いているのよ」 と授業中言っていた。 そして彼女が起きているときは 部屋の真ん中に立っている。 「先生は、怖くないの?」 と尋ねてみた。 「家具だと思えば平気」 と言われた。 他にも、友人に一人 「子供の頃から自分の部屋に男の人がずっと立っている」 という人がいるが、 20年以上立っている男の人を 家具だと思ったことはないそうです。 ●ふみ 友人から聞いた話です。 彼女の郷里には、自殺の名所となっている断崖があり、 毎年必ずと言っていいほど そこから海に身投げする人がでるそうです。 とはいっても、その周辺は景観がよく、 珍しい地層があったりして、 観光名所となっているそうです。 彼女もよく友達と そのあたりに遊びに行ったりしていました。 彼女が中学生のとき、やはり友達数人と一緒に そこへ行ったときのことです。 その日は普通に楽しく過ごして家に帰りました。 数日後、彼女の友達が そのときに撮った写真を現像に出したのですが、 渡された写真が一枚少なかったのです。 おかしいと思い、お店に行って尋ねたところ、 「見ないほうがいい」との返事。 納得がいかず食い下がったところ、 店のおじさんは しぶしぶその一枚を出してきてくれました。 それは岩場で撮った写真でした。 彼女たちの一人が海をバックに写っているのですが、 その後ろ、海の中から、 おびただしい数の人の手が伸びていたのです。 写っているのは手のみで、 皆、腕のところがこころ持ち にゅるにゅると長かったそうです。 もちろん写真を撮ったときには何もなかったそうですが、 確かにそこは自殺の行われる場所に 近かったということです。 その写真とネガはお祓いに出したそうです。 ●WOWO 雪が沢山積もっている時期のことです。 当時、高校の山岳部員だった僕は 模試を受けた後で 先輩二人と夕刻から山に登り始めました。 のそのそと登っているうちに、 日も暮れてあたりは真っ暗になってきました。 見える範囲はヘッドランプの明かりの中だけで 遠くはぼんやりと見えるだけでした。 間違うはずもない踏み固められた道を外れ、 カンジキが必要な道になってきて、 道に迷ったことを自覚した我々3人は ビバーク(野宿)を決意しつつ歩きつづけました。 しばらくすると前方に ぼんやりと人影が見えてきて、 だんだんとはっきりと像を結び始めます。 3人とも無言でその人影の方向に向かいました。 しかし人影は一向に近づかず、 かえって離れて行くようにも思えますが、 歩いているようにも見えません。 じっくりと目を凝らすと、 人影はおじいさんで、半袖の開襟シャツを着ていました。 夏服です。 おかしいとは思いつつ、 ついて行かずにはいられない我々は どんどん追いかけて行き、 あるところでふと人影を見失いました。 そのまま少し進むと、踏み固められた元の道に戻り、 すぐ上に山小屋の明かりが見えていました。 あれはいったいだれだったのか・・・・ ●もひプリン 私が20年程前、 母と母方の祖母が居間でくつろいでいる、 その2階の仏間でお昼寝をしていた時、 ふと、目が醒めると、仏壇から無数の白い大蛇が にょろにょろと湧いて出てくるのが見えました。 5歳の私は本物の蛇など見た事もなかったのですが、 天井から床から一面にいる蛇を目の当たりにして、 声も出ません。 助けて〜っと声を出したくても出ないのです。 やっとの思いで、 キャー−ー−ーッと泣きに泣いていました。 しばらくして、母と祖母が驚いて登ってくると、 私はがむしゃらに母によじ登り、 「蛇、蛇、白い蛇!!!」 と泣叫びました。 でも、母にも祖母にも見えない様子。 一生懸命指差しても、解ってもらえません。 恐くて恐くて目を瞑ってしまった私ですが、 しばらくしてから目をそっと開けてみると もう、そこにも仏壇にも蛇はいませんでした。 母はこの不思議な出来事を 会社から帰ってきた父に話したそうです。 すると父は大変驚き、一つの話をしてくれたそうです。 昔、父やお爺ちゃんが満州に居た頃、 あちらの方々が祝賀の儀をあげるということで 祖父が招かれた時のことです。 ぜひとも見てくれというその行事は 白蛇を絞め殺して壺に入れ、 酒漬けにするというものでした。 あまりの凄まじさに気分が悪くなった祖父は 家に戻ってきました。 倒れこまんばかりの勢いで家に辿り着いた祖父は 真っ青な顔をしていたそうです。 そして、気分が悪いと床に入ったそうです。 その夜から凄い高熱で祖父は 1週間程大変な思いをしていました。 そこへ玄関先に一人の托鉢の僧が来て ぜひとも奥さんに話があるという事でした。 祖母は話を聴きました。 僧は「ここを通りかかったら、ものすごい霊気を感じた。 そして入ってくると天井の梁という梁に ビッシリと白い蛇が絡まるようにいる。 これは大変な恨みをもっている。 このままだと、ここの御主人が危ない。 ちゃんと供養をしないと、子孫まで代々、恨まれますよ」 という内容だったそうだ。 その話に驚いた祖母は 「今現在、主人がものすごい熱で床にふせっています」 という事情を話すやいなや、 すぐさま供養の経があげられました。 そのおかげか、熱も下がった祖父でしたが、 このままで済まぬというお告げを恐れ、 供養塔を建てたりしましたが、 数年後には木犀号という飛行機事故で 亡くなってしまいました・・・・ ●りんの 中学生の時のお話です。 唐突ですが、ワタクシは末っ子でして、 弟などおりません。 布団で寝ていたら、深夜にふと目が醒めまして、 暫くそのままほけ〜っとしていると、 なにやら足下の方がふわ〜っと 浮かぶ感覚がしたのです。 「ふに〜?」 と思ってそのまま目を瞑ると、 するするっと足下から更に浮き上がる感覚が。 「おおっこれは噂の幽体離脱!?」 と思ったのですが、 更には戻れなくなったらいやじゃんと思い、 「魂出ちゃ駄目〜戻れ〜〜〜」 と念じていたらすっと足下が下に下がる感触がして、 ぱちっと目が開きました。 見回すと、部屋には何の異状も有りません。 体ももう別に何ともない。 なんだ、今のは寝ぼけてたんだ〜と溜息ついて、 寝返りをうって横を向き、 再び目を瞑ろうとしたその時です。 「きゃはは」 ちっちゃい、男の子の声が真後ろでしました。 後ろを振り向けなかったのは 言うまでもありません・・・。 ●もくせい それは、学生時代の夏休み。 青森に一人旅に出た時のことです。 小雨降る中、恐山に行ったのがコトの始まりでした。 妙に不気味な恐山を後に、今日のねぐらを探し、 麓のユースホステルを訪ねました。 部屋は2段ベッドに上下3人ずつの6人部屋。 「ここでいいですか? ここしか空いてないんで」 と、私は入り口際の下段に案内されました。 当時は夕食後に 若い根っこの会的ミーティングがあったのですが、 一人の私はその時、部屋で横になっていました。 部屋の6人中4人が出てゆき、 残ったのは、私と一番離れた奥の上段の子と2人。 カーテンを閉めてノートを広げていたら、 何やら、上の方から私を見ている視線を感じます。 しかも相手は一人じゃない。 そのうち 「ヒソヒソ……、コソコソ……」 と何人かの男がつぶやく声がしてきました。 「ん?」 と思っているうち、 その声がだんだん、だんだん、大きくなってくるのです。 最後にはわめき声に変わり、 ドンドン、ドンドン、と天井をたたく音まで。 たまらず、カーテンを引いたら、 声も音もピタッと止まりました。 ベッドから飛び出した私は、 残っているもう一人の子に、 「今、すごい声がしなかった?」 と聞いたのですが、 何のこと? という顔をされました。 私のベッドの上には、上段のベッドがあるわけで。 そこには人がいなかったし、建物自体が平屋で、 部屋の上には屋根があるのみなわけで。 恐山から宿泊先に、きっとだれかを 連れてきてしまったのだと今でも思っています。 |
2000-09-01-FRI
●ラッシー ●いかさし 4〜5年前のちょうどお盆の頃。 仕事が終わって一杯やるかと3人で会社を出て 歩きながら店を探していましたが、 お盆休みでどこのお店も満員で、 やっと空いてた店がうらぶれたどうでもいい店。 じいさんがひとりでやっていて、 清潔とはいえないし、料理もダメ。 焼酎をボトルで頼んで、勝手にやってました。 するとテロンテロンの夏のワンピースを着たばあさんが 湯飲みを持って調理場から出てきて 店の入り口でテレビを見ていた じいさんの前の椅子にちょこんと座り、 じいさんと話をし始めました。 「腰が曲がっているとはいえ、 ばあさんも達者なんだから店の手伝いをすれば、ねえ」 と次の店で連れの二人に言うと 「ばあさんなんて、いなかったじゃないか」 連れに言わせると 「じいさんが独り言を言っていた」 変な夜でした。 ●こひ 10年ほどまえのこと、 忘れもしない巨人の桑田投手が セリーグタイ記録の16奪三振を奪った日。 夏休みで家族そろって 新潟のおばあちゃんの家に遊びに来ていました。 その日は、なぜか朝から 父親に対して違和感を感じていて、 少し避けるようにしていました。 夕食を外で食べ、タクシーで帰る途中、 前に座っている父親のほうから強烈な視線を感じました。 前を見ても父親は、真っ直ぐ前を向いていて 僕を見ているふうではないのです。 その視線を感じながら家に着きました。 端っこに座っていた僕は降りるのが最後になり、 すっかり暗くなった足元に注意しながら タクシーを降りて顔を上げると、 玄関の門の前に立っている父親の頭の上に、 青い着物を着た女の人が立っていました。 顔が大きくて、真っ白い顔していて、 おかっぱ頭で、女の人というよりもこけしみたいでした。 本当の心臓が止まりそうになるという経験でした。 ●まきまき 8年くらい前のことですが、 友人の結婚式に招かれて長野県の飯山市のとある旅館に 同じく式に出席する友人と2人で泊まりました。 披露宴でちょっとした出しものを することになっていたので早めに就寝しましたが、 眠りについてから少しして 「おい、おい」 と呼ぶ声で目がさめました。 部屋には私と友人だけ、 おまけに声は中年男性のものでした。 (友人も私も女性です) 怖くなった私は、声の聞こえてきた押入れに 机を押し付けて布団を思いっきり 友人の布団にくっつけてもう一度眠りました。 うとうとしていると、 強烈な金縛りに遭い、また 「おい、おい、なぁ」 と呼びかける声がします。 それに、横を向いて寝ていたせなかと肩辺りに、 トントンとつつく感触がします。 声は上の方から聞こえてきて だんだん大きくなってきます。 怖くて隣の友人に助けを求めようと彼女の方を見ると 目をあけてグーグー寝ています(彼女のいつものくせ) それを見て余計に恐怖が増したわたしは逆上して 「あした早え〜んだよ、 出しもの失敗したらおまえのせいだからな!! いいかげんにしろよー!!」 と心の中で叫びました。 それから先の記憶はなく気付いたら、 朝になっていました。 それから少したってから、 結婚した友人達と話している時に 「ひどい目にあったよ〜」 と冗談めかして話していると 一緒にいた友人の妹が青ざめて 「えええ、やっぱり」 というので聞いてみると、 そこの旅館の旦那さんが首つり自殺されたんだとか・・・ それを聞いたとたん、急になまなましく思い出しました。 あの時、からだの上のほうから声が聞こえてきた時に 肩をトントンとたたかれた感触、 あのときはあまり考えなかったけれど、 あの感じは、つま先だったのではないかと・・・・。 あのときに声につられて上を見なくて 本当によかったと思いました。 ●nishiyama とある一戸建ての建ち並ぶ住宅地に 夫婦と子どもが住んでいました。 その子どもは、すこし前から週に一度、 きまって夢を見るようになっていたのです。 が、最近、どうもその夢が、 なんだか実際におこっていることに気付きます。 たとえば、同級生が風邪をひいた夢をみると、 次の日に、その同級生が本当に学校を休んだり。 そのうち、これは、全部、 次の日におきることの正夢なんだ、 ということがだんだん解ってきたのです。 その子は、自分で本などを調べ、 自分が予知能力を持っていることに気付きます。 そして、そのことを人に話すのはいけないと思い 誰にも言わずにいたのです。 いい夢をみれば、目が覚めて楽しいし、 悪い夢だと辛い思いをするようになりました。 そんなある夜の夢で、 父親が死んでしまうという夢を見てしまうのです。 そして次の朝、その子は、 近づいてくる救急車のサイレンの音で目を覚まします。 その子は、あまりの悲しさに起きることができず、 布団の中で泣きました。 そうする内に、誰かが階段を上がって来る音がします。 そして、その子の部屋のドアが開きました。 そして・・・・ 「おい、隣のご主人が、 今朝突然、亡くなったみたいだぞ!」 と、お父さんの声がしたのでした・・・・。 |
2000-08-31-THU
●えみりん ●紫雲 9年程前、当時は通勤に 地下鉄の赤坂見附を利用していました。 赤坂見附の駅は、 銀座線と丸の内線が同じホームにあるのです。 通勤には銀座線を利用していましたが、 ある日銀座に行く用事があり、 丸の内線の方が目的地に近いので、 丸の内線を使うことにしました。 何気に丸の内線の赤い車両に乗り込むと、 私の丁度前に和服を着た中年の女性が立っていました。 私の顔を見ているのです。 何となく気味がわるく、 直感的にこの車両じゃなくて、 他の車両に移ろう、と思って 私は車両を出てもっと銀座寄りの車両まで 小走りに走りました。 (丸の内線は銀座線との待ち合わせもあるので、 しばしば停車するのです) 3両ほど銀座よりの車両に乗り込んで ほっとしたのですが、 顔を上げるとさっきの和服の中年の女性が立っていて、 私のほうを見ているではないですか。 私は驚いて車両から降りました。 と、同時に地下鉄のドアが閉まり、発車していきました。 全身鳥肌でした。 あの人、だれだったのでしょう。 ●masa もう20年も前の事。 私が前の夫と並んで寝ていた時の事、 枕元に誰か二人立っている気配がして目を開いた。 白い着物を着て、一人は白髪、もう一人は白髪まじり、 どちらも髷を結っている。 大きな声で何か怒鳴っている。 知らない人達だったので、 夢だと思いまた寝ようとすると、一人が口を開いた。 「早くしないからもう間に合わない」 意味がわからないので、また寝ようとすると、 「我が家の墓守りはどうなったか。もう間に合わない」 と同じ事をくり返す。 良く見るとお歯黒をしてる。 余りにリアルだったので、 隣の夫を揺り起こそうとしたが起こせずに朝を迎えた。 すっかりそんな事も忘れて二ヶ月。 前夫の父がバイクで事故で亡くなった。 通夜の時ふと思い出して夢の話をしたら、 二人の老婆は義父の叔母達そっくりと判明。 先祖の墓が放置されている事もわかった。 話を真剣に聞いて墓を整理する気になった義父の弟が 郷里へ向かう予定を立てた直後、 自動車事故で大怪我。 前夫は結局何も信じてくれなかった。 誰も話を聞いてくれないので 困って嫁の枕元に立った大叔母達の事を思うと 今でも切なくなる。 ●ニカラグア ゆみ 高校時代の先生から聞いたお話です。 先生の実家はお寺さんでした。 ある晩小学生だった先生は 真夜中にトイレに行きたくなりました。 トイレは、お寺の続きにあった御自宅の 庭に面した、壁のない渡り廊下の先にありました。 慣れているとはいえ、 真夜中に独り、暗闇の庭を通り抜けるのは 良い気分はしないものです。 こわごわ渡り廊下に続く扉を空けると 渡り廊下の先、トイレの入り口の前に 白くぼーっとした物が立っていました。 「!?」 急いでドアを閉めました。 「どうしよう。」 でもお腹は苦しくなってくるし たまらなくなった先生は 思いきってドアを開けました。 すると、目の前には真っ白い女の顔が! その次の晩から夜な夜な、寝ている先生のところに その女が訪れるようなりました。 女は何か呟きながら先生の枕元に立つのです。 先生は日に日に体調が悪くなっていきました。 数日後、先生のお父さんであるその寺の住職が 家族をお寺の本堂に集めました。 住職は仕事柄か、霊感のようなものがあったそうです。 「この中に誰か、 何かに取り付かれている者がいるだろう」 先生は住職にあった事を全て伝えました。 早速お払いが行われ その晩から女は現れなくなったのです。 数年後、新しく庭を作り直すために 倒された石灯籠の下から 人の骨が見つかったそうです。 その庭は昔はお墓で、 何かの折に敷地内の他の場所へ移動され その時に骨が残されたままになっていたという事が わかったそうです。 それを聞いた先生は、 その時、女が毎晩のように呟いていた言葉を 思い出しました。 「重い・・・苦しい・・・」 ●おかじ ぼくの祖父が亡くなった時、 伯母の夢に現れた祖父は、 可愛いがっていた犬をつれ、 鯉の群れに取り巻かれながら、 伯母に別れの挨拶をしたのだそうです。 伯母は祖父に 「その子たちをどうするの?」 と聞くと、 「この子らも連れてくよ」 と答えたそうです。 祖父が亡くなった夏、 室内犬として飼っていた犬が 突然、家から飛び出し車に轢かれて死に、 また祖父の家の池の鯉が 理由も分からないまま全滅してしまったそうです。 当時、小学生だった僕は 池が埋め立てられたことしか覚えていません。 ●さち これは、私が中学3年生の夏のことでした。 夏期講習の宿題で夜遅くまでおきていたのですが、 いつまでたっても終わりそうにないので、 とりあえず紅茶を入れに 階段を下りてすぐの台所にいきました。 紅茶の入ったコップをもって戻ってきた部屋のなかは、 何か妙なにおいが残っていました。 線香で血抜きをしない魚を焼くと、 こんなふうになるかも、というにおいでした。 暑かったので窓は全開にしていたし、 どこかの魚を焼く(夜中にそんなことをするのは 不思議な感じはしますが)においが入ってきたのだと、 そのときは無理に自分を納得させました。 宿題も終わりに近づき、伸びをしたときです。 両足首をぎゅっとつかまれ、 耳元には生臭い息がかかりました。 「こっちへこぉい」 「こっちへこぉい」 「こっちへこぉい」 何度もささやかれました。 驚いた私は椅子から転げ落ちてしまい、 畳にしりもちをつきました。 そうすると、足首にかかっていた力が 急に強くなったのです。 「おにいちゃーん、たすけてぇ」 隣の部屋に眠っている兄に、助けを求めました。 足首にかかったものはいっこうに離す気配もなく、 もう少しで私のからだが 引きずられるほどになったのです。 次の瞬間、部屋の扉が開きました。 そこには兄がいました。 ふっ、と足首の力は抜けて、耳元の声もやみました。 それ以来、夏になると何もないところでも、 ときどき生臭いにおいがするのですが、 これは気のせいなんでしょうか。 ●らぶえもん 僕の家は、父と兄と僕の3人で 自動車整備工場を営んでいます。 この話しは、父に聞いた、 まだ父が1人で働いていた頃の話です。 その日父は,飛び込みで入ってきた 故障車を修理していました。 日が沈んであたりが暗くなり始めた時、 父は故障の原因のパーツをつき止めました。 お客さんが明日も車を使う用があるのと なるべく安く上げて欲しいのとで 結局、父は解体屋へパーツを取りに行く事にしました。 解体屋へ着くと、 そこの従業員が二人だけ事務所に居ただけで、 父は真暗な中、一人きりで 目当ての車のパーツを外し始めたそうです。 暗い中、なんとかパーツを外し 事務所に行こうと歩き始めると 父の向かう先のほうの、 スクラップの車のトランクから 白い布がはみ出して揺れていたそうです。 父はそれを別に気にも留める事無く 事務所に向かって歩いて行ったら、 その異変に気付きました。 暗くて良く見えないのですが, 『風に揺れている布』にしては 動きが不自然だったそうです。 もう少し近づいて、 持っていたハンド・ライトの光を向けると・・・ なんとそれは、『無数の手』だったそうです。 その手は、全て骨が無いように 蛇のようにグニャグニャに動いて 外に出ようともがくように動いていました。 父は、恐怖のあまり 動こうにも動けず、声も出ず。 しばらくその光景を凝視していたそうですが、 残っていた従業員に肩を叩かれて ふと視線を外し、 もう一度見た時にはすでに無くなっていたそうです。 父はその時の事をハッキリと覚えていて、 今でも解体屋に昼間に行っても、 周りに人が居ても居心地が悪いそうです。 ●うらん 私が体験した実話です。 実は、私は霊感少女だったんです。 今はもう、うば桜ですが それでもたまに金縛りに遭います。 で、一番怖かったのが、19歳頃の体験です。 大体、ナニか出そうな時は 寝る前からイヤ〜な雰囲気がして判るのですが、 その日もそうでした。 なかなか寝る気になれなくて本を読んだりしていました。 で、やっと眠りについたと思ってしばらくした時に、 イヤな夢を見ました。 内容は忘れたけれど、気持ちの悪い夢で その夢にうなされて目が醒めると、 金縛りに遭っていました。 気がつくと私のお腹の上に 男の首がふたつ乗っかっているではありませんか。 なんじゃこりゃ〜と思って唖然としていると その首は何か卑猥な事を (何を言っているのか判らないけど) ニヤニヤしながら言っているんです。 金縛りに遭った時は、南妙法蓮華経を唱えるのですが、 それをしてもまったく効き目がなくて、 そのうち部屋の中には赤、青黄色といった 原色の魑魅魍魎が飛び交い、 金縛りから解けそうになって、 ほっとするとまたぐっ! と金縛りの力が強まる、 という事を繰り返していました。 ものすごい眠気に襲われるのです。 もう、ダメだ・・・・・。 私はこいつらの世界へ 連れて行かれてしまうと思いました。 突然死の人って、 こうして死ぬ人もいるのではないかと思いました。 そのとき、どこからか読経の声が聞こえてきました。 それと共に部屋中に飛んでいた魑魅魍魎が 消え失せました。 ふと見ると、私が寝ているベッドの足元の方に、 笠をかぶって黒い法衣を着たお坊さんが立っていました。 よく道端で見かける托鉢僧のような人でした。 そのお坊さんが現れると、 私のお腹の上にいた悪霊? たちも チッ! と舌打ちをして(本当にそんな感じでした) 忌々しそうな顔で消えて行きました。 私は呆然として、しばらくお坊さんを見ていましたが やがてそのお坊さんも消えました。 私は、それからしばらくして やっと助かったことに気が付いたのでした。 これは、本当に実話なんです。 |
2000-08-30-WED
● にゃんこ ●ゆみたろ まだ、私が実家で暮らしていた頃の話。 父が、入院していて 外出許可をもらって帰宅した夜のこと。 「同じ部屋のあの若い奴、今朝死んでしもた。 ついこの間、散髪して元気やったのに。 かわいそうになー。」 「そー、気の毒やなー。」 こんな会話をしながら夜を過ごし、 私は歯を磨きに洗面所へ。 そしてまた、居間に戻ると両親が口を揃えて、 「○○帰ってきたんか?」 と弟のことを聞くのです。 「えっ?まだやで。」 「あんた、玄関で“おかえり”ってゆうてたやんか。」 「違うよ、そんなこと言ってない。」 両親は不思議そうに顔を見合わせていました。 そして、次の日の朝5時、 誰もいない洗面所でドライヤーが ブーンとうなっていました。 きっと、父についてきたのでしょうね。 そして、散髪したての頭を気にしていたのかな? ●カシュー 寝苦しい夜だった。 夏であり、妹のいびきもうるさかった。 目が冴えて、どうしようもなくなった、真夜中。 突然、私の部屋の方から、 なんとも言い様のない、 澄んだ鈴の音が響いてきたのだった。 鞄につけていた鈴が鳴っているものだと思い、 しばらく聞いていた私は、おかしな事に気付いた。 音が違う。 風が吹いているところに、鞄はない。 寝ていた部屋と私の部屋の間には、 2階だが居間があり、 どちらも開けっ放しのふすまで繋がっていた。 起きて居間まで行くと、音は廊下へ移動する。 廊下に進むと、音は階段へ。 階段へ行くと、階下の廊下……。 何かが私を闇の中から誘導している気がして 布団まで戻ると、 音はまた私の部屋から聞こえて来た。 長く感じる時間が過ぎ、音は自然と止んだのだった。 何年かたった、夏。 どこかの家で鳴っていた、鉄製の風鈴により、 あの時の鈴の音が蘇る。 ああ、この音か、と。 私の家には、その時から現在まで、 風鈴があったことは、一度も、ない。 ●TOKO 私が、今のだんなと駆け落ちをしていた頃の話。 親に内緒で同棲していて ほんとその頃の私は対人恐怖症で、 人と会うのがいやだった。 家から一歩も出ないということは、しょっちゅう。 それは、寒い日の事。 朝早く会社に行くだんなを見送ったあと、 いつものように暖かいコタツに身を任せ、 うつらうつらし、横になっていました。 ちょうど私が横にねそべっていると、 テレビが見れるのですが、 テレビがのっている台は、ガラスになっていて 私の姿がうつるんです。 ここんとこ体の調子が良くなかった私・・・ 右を向いて寝ようと ねむりにはいる瞬間、それはやって来た・・・ 耳もとで息をする音・・・ 金縛りにあいながらも、 テレビの下にあるガラスの台に目をやると・・・ 私の背中にぴったりと 寄り添っている人(霊?)の姿が・・・ 左肩の方に痛みを感じながらも必死に 「南無阿弥陀仏・・・」 と唱えつずけました。 その時はもう必死でした。 で、そのあと何事も無くだんなが帰ってきて、 いっしょにお風呂にはいったんです。 そしたら・・ 「その肩(左)どうした?青くなってるよ」 って言われたんです。 そうです、その霊がつけた青あざだったんです。 それ以外にも、頭巾をかぶった人(霊)とか、 顔だけの観音様とか、幽体離脱とか いっぱい経験しました。 どうしてそんな経験するか・・・二人で考えました。 それは、住んでいるマンションは 一階が“墓石屋さん”だったのです。 しかも、その経験した頃私の体は、 大変な状態だったのです。 なんと、子宮外妊娠をしていて、 体の中は血の海。(卵管破裂) 後日、救急車で救急医療病院に運ばれましたが・・・・ 一命はとりとめました。 (人間、体が異常になると 幽体が肉体から離れようとするんですね。) ●もぎ・カエル タイに行ったときのこと。 目の前がお寺のホテルで、ってタイには、 いっぱいお寺があるから、 まあどうっつーことはないけど。 明け方、金縛りに会う。 金縛りだけなら、まあいいじゃないか、それぐらい。 しかしながら、そのときは、 ベッドの上をびよんびよんと なにかがジャンプしているような感じで、 自分のまわりをぐるぐる何かが飛び跳ねているわけです。 いかにも同行者は、愉快な御仁ではあるが、 明け方に人のベッドの上を飛び跳ねるほどの お茶目はやらかさないと思ったわけです。 ややや。 これは、もしや、よろしくない? なので、金縛りを解こうと努力したところ、 足先から解けだしたので、 その「びよんびよん」が足下にきたところで、 蹴飛ばしましょ、というわけで、 足をのばしてみたところ、 「じゃり。」という感触がありました。 やれやれ。 で、その日は、レストランやカフェにいくたびに、 塩をちょっとづつもらってきておいて、 夜に自分のベッドの上に結界をつくっておいたわけです。 同行者がいましたが、 自分のことしか考えてませんでした。 で、ワタシはぐっすりと寝まして、 朝、おきてみると、同行者が、ニヤリとわらって、 「あ、今日はワタシ。 明け方、いやーな気がしてさ、 薄目をあけてみたら、君の正面に、 おさるの影がじっとたたずんで、みてたよ。」と。 なるほど、それは猿の何かでしたか。 というわけで、その日スーパーにいって、 塩を購入し、部屋のあちこちに 盛り塩をしてみました。 その晩はよく眠れました。 塩の効果は、グローバルにあるんでないかと思います。 ●みい 悪戯な避暑地。 12年前のことです。 友人3人と車で軽井沢に行きました。 旧軽井沢のほうには宿が取れず、 北軽井沢に泊ることになりました。 いわゆる貸し別荘です。 昼間、旧軽井沢に出掛けていて 別荘地内に帰ってきたのは、 それでも8時くらいでした。 地図をみて目印を曲がったらあるはずの別荘が ないんです。 いくらなんだって建物が消えるなんて・・・。 間違えたのかと思って、振り出しの入り口に戻って 最初からやり直しをすること数回。 だんだんパニック状態になるのは必然で、 違う行き方をしてみようと 別荘地内の地図をみてチャレンジすることに。 すると・・・林間に立ち並ぶ別荘群のなかに入りました。 突然、白い物体が車の中に飛び込んできました。 これを見たのは、私ともう1人。 他の2人は見なかったそうです。 しかし、車内が急に 息苦しい感じになった事だけは感じたようで、 窓をあけよう!と言いましたが、 見えた組の二人が 強行に反対したためにあきらめたようです。 何故反対したか・・・ 窓の外から見えない何かが 車内に入る隙を狙っていた様に感じたからです。 実際車内にも居た感じはあったのですが 開けた方が怖い事になりそうだったのです。 無我夢中で車を走らせ気づいたら、 また入り口に戻っていました。 どういうわけか涙でボロボロの見えた組は、 車から降りて何かから開放されたのを感じ取り、 もう一度最初と同じ道を辿ってようやく、 別荘についたのでした。 なんと11時を過ぎていました。 この話を知人にしたところ、 知人のお姉さんが、北軽井沢から軽井沢までの間で 喉が異常に渇いたので店を探していたら 脇道の入り口に茶屋があったそうです。 茶屋で一服して軽井沢に向かっているのに 2時間運転しても着かなかったそうです。 (30分くらいで着く位の位置だそうです。) 変だと思って、元の茶屋まで戻ろうと思ったそうです。 これまた2時間経っても茶屋はなく、 更に戻ったら北軽井沢に着いたそうです。 不審に思って近所のお店に聞いたところ 途中に茶屋はなく、1本道なのだから そんな時間がかかるはずがないと アッサリ言われたそうです。 お姉さんの友達にも 似たような体験をした人がいるということです。 これで行方不明になったら神隠しですが 悪戯でよかったと思います。 北軽井沢に行く方は悪戯にご注意を。 ●ヒロ これは僕がバイトの後輩から聞いた話です。 後輩の彼はバイト先まで自転車で通っていました。 そして普段通り9時にバイトが終わり、 家路につきました。 彼はいつも近道をして帰るのですが、 その日は前日に見たホラー番組を思い出してしまい、 遠回りをして帰ったそうです。 なぜなら、近道をする為には ある有名な武将の首塚の脇を通らなければならず、 その日の彼には恐すぎたのです。 遠回りで帰った彼は何も恐怖する事なく、 帰宅する事ができる筈でした。 しかし、彼の乗る自転車が 小さな交差点に差し掛かった時です。 そう、そこは近道と遠回りの道が合流する場所、 そこに立っていた女性が一言 「ねぇ、なんできょうはこっちでかえらなかったの」 と一言呟いたそうです。 |
2000-08-29-TUE
●キユ ●TOKO 私が中学の頃、家庭教師をしていた先生の話。 その先生(女の先生)が、 まだ大学生で漫画家のアシスタントをしていた頃、 みんな(5〜6人)で、 いなかの方に取材を兼ねて旅館を一部屋借りて、 仕上げもおおずめにきたので、 ここらで一息いれましょう!! ということになり、 先生が代表でジュースを買いにいくことになったのです。 旅館の周りは、もう真っ暗。 暗い道をとぼとぼと歩き、 昔お城があったらしき石垣の前を通り過ぎようとした時、 後ろから一人の小学生が走って行ったそうです。 「あっ子供が・・・」 とその時は、ただ思っただけで線路を渡り、 明かりのついた自動販売機に向かったそうです。 で、帰りも石垣の前を通り過ぎようとした時、 またあの少年が今度は前から走ってきて スーと消えたそうです。 「えっ?」 と、思い振り返ると、 今度は石垣の一番上のほうで、 また走っていたそうです。 先生は恐くなり一目散で旅館に帰り皆に話したそうです。 そして、次の日旅館の人に尋ねたら、 事故で亡くなった少年がいたそうです。 ●あかり あれはいつのことだったでしょうか。 多分小学3年生くらいのことだったと記憶しています。 当時私は習い事をしていて、 稽古場までは母に送り迎えをしてもらっていました。 その日、なぜか母と口喧嘩をした私は あと少しで家という所で車から降ろされ、 「自分で歩いて帰れ」 と言われてしまいました。 家まで歩いて5分程の所でした。 道を挟んで反対側には、 対岸まで10Mほどの用水路が流れています。 夕日が私の影を長く落とさせ、 それはとなりの壁にかかって黒々と映っていました。 私は何とはなしに自分の影を見ていました。 母が戻ってくる気配はありません。 あきらめて歩き出そうとした時、 目の前の壁にこちらに向かって歩いてくる 人の影が映りました。 長い髪をしていたので、女の人のようでした。 何となく心細かった私は、 「犬の散歩でもしているのかな」 と思い、影の主を捜しました。 でも、周りには誰もいませんでした。 まぶしいくらいの夕焼けに照らされた道には、 誰の姿もないのです。 「おかしい」 そう思ってもう一度、塀に目を向けました。 女の人の影はやっぱりそこにありました。 私と同じように夕日に照らされた長い影、 しかし有るべき影の主の姿はどこにもありません。 私はすいこまれるように、その影をみつめていました。 影はゆっくりとむこう側に歩いていき、 やがて、見えなくなってしまいました。 その女の人はだらりと手を胸の前で垂らし、 額には三角の布のようなものをしていました。 絵に描いたような日本の幽霊の姿です。 作り話に聞こえるかもしれませんが、 これは実話です。 ●sea うちの祖母の話です。 祖母には、家出をして行方不明になった弟が居ました。 祖母を初めとする、親戚に随分迷惑を掛けて、 その後行方不明になっていたそうです。 ある夜のこと。 祖母がガラス張りになっている玄関の戸の外に、 弟の姿を見つけました。 もう、20年近くも行方不明でしたから、 祖母は驚き、同時に 「困った。また、どんな迷惑を掛けられるかわからない」 と思ったそうです。 一瞬、目をそらして、もう一度玄関を見ると、 そこには、もう弟の姿はありませんでした。 慌てて、外に出た祖母でしたが、 そこには、もう誰の人影もなかったそうです。 祖母は、なにかの見間違いだと思っていましたが・・・ その日の深夜。 ある病院から、祖母の元へ電話がかかってきました。 その弟が、危篤状態だという報せでした。 かなり危ない状態なので、 荷物を調べたところ、写真が1枚入っていて、 そこに、祖母の電話番号と住所が記されていたそうです。 祖母は、今でも言います。 「あの時、最後に弟は、わたしにお詫びに来たんだ。 困った、などと思わずに、 よく来たね、って言ってやればよかった。」と。 なんだか、悲しいですね。 ●瑠璃 私が知っている怖い話・・・。 経験したのがうちの彼氏ということで信憑性は高いです。 3月まで短大生だった私たちは、 お互い短大の近くのアパートに住んでいました。 で、彼氏が二十歳になるまでは そういった心霊現象を経験したことはなかったのですが、 二十歳の誕生日を迎えた直後から経験し始めたのです。 キーワードは『声』でした。 最初に聞こえたのは夜中に、 近くのコンビニに買い物をしに行こうとして アパートの階段を下りたところで、 「ヒャハハハハ・・・」 という気味の悪い笑い声を彼氏一人で聞いたこと。 その時私も一緒にいましたが聞こえませんでした。 しかしそのときの彼氏の怯え方は 尋常ではなかったので事実です。 そのあとは、短大を卒業し、 そのアパートを出るまでの半年間、 「もうすぐ・・・」とか 「待ってて・・・」の声を 彼氏自身のアパートで聞き、 「ごめんなさい・・・」の声を、 私のアパートで聞きつづけたそうです。 未だに彼は、この話のことを聞くと 嫌そうな顔をします。 ●熊母 20年程前、父の仕事の関係で離島に住んでいた時、 夜家族と歩いていたら、 オレンジ色の物体がボォォォッと空を飛んでいた。 近くで歩いていたおばあさんは突然しゃがみこみ、 「火の玉だぁ!」 といって念仏を唱えはじめ、 小さかった私は 「大きな流れ星だぁ」 と眼を輝かせたものです。 その離島は昔土葬で、 亡くなった人の魂がお世話になった人の家々を 夜訪れるという話があるという事で、 母は火の玉を見た夜は 寝られなかったと言っておりました。 そしてそして当時借りていた家は お墓があった所に建っていたそうで、 夜ではなくなぜか昼寝をしていると 金縛りによく遭っていたと、両親は言っておりました。 小さかった私は、何も恐い事はなく 楽しい日々を過ごしておりましたが・・・・ ●りんりんちゃん 10年程前の事です。 当時高校生だった弟は ボランティアを主な活動とする部活動に 所属していました。 神奈川県では、どうもその辺りの部は 外部と良く一緒に活動をしていたらしく、 その日は数校の生徒と合宿をしていました。 そこは海の近くだったのですが、 何を思ったのか弟と友人のA君は 夜中に海を見に行く事になったのです。 折りしも、「あぶない刑事」にはまりまくっていた二人は それはそれは「あぶ刑事」な格好をして 野郎二人で柴田恭兵・館ひろし気分に浸っていました。 すると・・・・ A君がいきなり後ろから抱き付いてきたそうです。 弟は 「何してるんだよ!」 と言ったのですが、A君も 「お前こそいきなり何するんだよ!」 と言い返したのです。 お互い動けません。 でも確かに誰かががっしりと抱き着いているのです。 もしや、これは・・・・。 そう思った二人は「せ〜の」で力一杯振り払って 走って逃げたそうです。 その話はそれで終わりましたが、 弟はしばらく霊感がついて、 よく故池田貴族さんが出演していた 「プレステージ」を見てると、 「あ、あそこ霊が歩いてる」 と言っていました。 ●はじめ いつも仲良く暮らしていた、 目の見えないお婆さんと犬。 ある日の夜、台所で、ゴソゴソと物音がした。 お婆さん、犬の仕業と、犬を注意した。 犬は、お婆さんの手を舐めて、「ごめんなさい」。 次の日の朝、台所で「ご飯だよ!」 犬を呼んでも、犬が来ない。 その代わり、 「ぴとっぴとっ」 風呂場のほうから音が聞こえた。 お婆さん風呂場に行って、手で確認。 何かが吊り下げられて、 そこから水滴が「ぴとっぴとっ」。 可愛がってた、犬だった。 泥棒が入って殺された。 お婆さん、警察を呼んだ。 警察が、メモがあるとお婆さんに言った。 メモの内容。 「泥棒だって、手を舐めますよ。」 |
2000-08-26-SAT
●おいこ。 ●ななこ 私の会社は、火事で死者が多数出た 千代田区のホテルN・Jの 隣りにあるビルの中にあります。 今、ホテル跡に新しくビルを建ててるのですが、 私のつとめている会社からも そこに品物を納めています。 ところが、その現場に納める機械、 納める機械、ほとんど故障してしまうのです。 機械ですから、故障するということはよくあります。 でも、今まで故障したこと無い機種まで、 聞いたこと無い故障の仕方をするのです。 たとえば、しっかり点くのを確認して納めた電灯が、 先方に持っていくと点滅してしまうとか…。 でも戻ってきた物を点検するとなんともないのです。 ほかにも、10時過ぎまで残業していると、 窓の外を女の人が歩いているとか(ビルの3Fです) 泣き声が聞こえるとか、いろいろありますが…。 原因不明の機械の故障はその後も多発しましたが 先日、その時の社長が死亡しました。 するとピタリと故障のクレームも無くなったのです。 ゾッとしました。 余談ですが、力道山が刺されて亡くなったのも このホテルの地下のバーだそうです。 ●クリまる こっくりさん、やはり流行るんですね。 中学生の頃、部活が終わり、 部室で5人くらいでやりました。 みんなはじめは半信半疑。 でも、10円玉は勝手に動く。 すっごーい。 そのうち、誰かが 彼女を(そのとききたのは女の人だった) 怒らせてしまい、 「帰っていただけますか?」 の問いにも、 「いいえ」 の方向に進むだけ。 そんなことが10回ほど繰り返された頃、 10円玉はこんな文字をなぞりました。 「ぜ・つ・た・い・か・え・ら・な・い」 恐怖で泣き出す子も出てきてしまい、 そのままで私達は5時間、 部室に閉じこもりっきりでした。 夜9時を過ぎても帰らない子供を 心配した親からの通報により、 私達は無事救出されました。 以後、学校では「こっくりさん禁止令」が出たのは いうまでもありません。 心霊現象を遊びにしてはいけないと、 学んだ出来事でした。 ●ゆっちゃん それは高校生の頃のある日、 試験勉強をしていて AM4:30ごろに床に入りました。 およそ30分くらいたったAM5:00ごろ 私は眠ってるはずなのに、 横に2人の男性が立っている気配がしました。 私はとてもとても怖くて 「なむみょうほうれんげっきょう」 とひたすら心で唱えてました。 すると、一人の人が 「何を言ってるの?」 と、私をのぞきこむようにかがみました。 そこで意識がはっきりしましたが 心臓がドキドキドキ・・・・・・・ と異常な速さでした。 なぜか、母も起きていて なにか気配があったと言ってました。 今では夢だったような気がしますが あの波打つような心臓の鼓動は 忘れる事はできません。 ●kana この話は私が高校生の時の担任の先生が、 学生の時家庭教師先で聞いた話です。 彼女のクラスで男の子が、 窓から転落する事故が起きたそうです。 これは新聞にも載ったのですが、 彼女が話したのは新聞には載らなかった部分でした。 窓に一人の男の子が腰をかけていました。 そのすぐ側で数人がふざけていたそうです。 その中の一人が突き飛ばされ、 窓の腰をかけていた男の子は、 その子をよけようとしてバランスを崩し、 後ろ向きに落ちていったのです。 その瞬間をクラス全員が見ていました。 慌てて全員が窓から下を覗くと、 仰向けに男の子が倒れていました。 後頭部を強打したため、 片目が飛び出ているのが 3階からでもはっきりとわかりました。 「死んでる」全員がそう思った瞬間、 男の子は飛び起き、 はいつくばって「目玉、目玉」と言いながら、 辺りを探したそうです。 目玉をぶらさげたまま。 |
2000-08-25-FRI
●松本理恵 ●うやま うたこ 私、現役の看護婦。 準夜(16時〜24時)の勤務を終え自宅に帰り、 やれやれとふとんに潜り込みました。 しばらくすると、寝ているはずの夫が 苦しそうに唸りはじめました。 「うおっ!」 いきなり大声をあげて夫が起き上がりました。 「髪の長い女が首をしめてきた・・・」 その後も、私は何度かその女を連れてきたようで、 夫の顔をのぞきこんだり、 ふとんの上にのしかかったりされたそうです。 幸い夜勤をしなくなってからは、 ついてこなくなったようです。 ●ちんちろりん 17年前に父の実家で 一度だけ経験した事がある私の恐怖体験。 毎年お盆に遊びに行く父の実家は、 高台にある、立派ではないけれど、 ちょっとしたお屋敷でした。 ある日、祖父に頼まれて、 祖父の部屋まで眼鏡を取りに行くはめになった私。 母屋から離れた所にある祖父の部屋は、 長い廊下を通って行かなければいけないのですが、 一日中陽の当たらないその廊下は、 何度通っても真っ暗で、気味が悪い為、 私はなるべく近寄らないようにしていました。 あいにく両親も夕飯の買い物に出かけていた為、 甘える事が出来ず、 かと言って、孫の顔を見ては 小言ばかり言う祖父に私はなつく事が出来ませんでした。 仕方なく祖父の部屋へ続く廊下の扉の前に立った私。 祖父の部屋まで真っ直ぐに伸びている廊下は、 今思えばそんなに長くなかったのでしょうが、 小学生の私にとっては非常に長く思えました。 「電気を点けて、 一気に走り抜けちゃえば怖くないもんね!」 そう自分に言い聞かせ、 扉の脇にある廊下のスイッチに手をかけました。 2〜3回スイッチを押しても、 パチパチッと音を立てるだけで、 電球に明かりは灯りませんでした。 「も〜。なんで(電球の)紐を引っ張って 電気消しちゃうんだろう・・・。」 早く任務を遂行して、 この何ともいえない恐怖感から脱したい私は、 ブツブツ文句言いながらも、 暗がりの中、扉の脇に置いてあった三脚を 重そうに引きずりながら、 電球の下まで歩いてきました。 三脚を広げ、その上に足を乗せ、 暗がりの中手探りで電球の紐を捜したら・・・。 確かにそこにあったんです。 生暖かく、ちょっと脂っぽい感触の、 平面ではなく、凹凸のある何かを触ったんです。 「!!!」 思わず手を引っ込めた私は三脚から落っこち、 余りの大きな音に驚いた祖父と、 買い物から戻ったばかりの父に抱き上げられました。 驚いた父に一生懸命 「誰か電気の下に立ってたよ。 だって、紐引っ張ろうとしたら 誰かの顔触ったから・・・。」 と何度説明しても眼鏡を取りに行きたくない為に 私が嘘を付いていると 小言を言う祖父に相手にしてもらえず、 大目玉を食らった私・・・。 今は叔父夫婦によって改築され、 あの長い廊下ももう無くなってしまいましたが、 今もあの手の感触はしっかり残っています。 ●OCEAN CHILD もう10数年前。 私は大学生で、トイレ・台所共同の 古い学生アパートに住んでいました。 ある夏の夜、ふと目がさめると まくら元のドアが開いている。 「おかしいなあ、ちゃんとカギかけたはずなのに」 と寝ぼけた頭で思っていたら、 そこから誰かが覗いています。 よく見ると、 陽に焼けた小学校中学年くらいの男の子。 坊主頭に、くたびれて破れたランニング、半ズボン。 目の白い部分だけが暗闇にくっきり浮かんでいました。 身体は金縛りにあったように動けず、 いつのまにかそのまままた眠ってしまったようで、 気づけば朝。 ドアはちゃんと閉まっていました。 「なんだー、夢だったんだ」 と思って、管理人のおばあちゃん(当時75歳くらい?)に 「こんな夢見ちゃって」 と話したら 「それはきっと戦時中に 空襲で亡くなった近所の子だわ」 と名前まで教えてくれました。 私の前にその部屋にいた人も、 同じ子を見たとのことでした。 霊感には無縁で幽霊なんて信じない私の、 唯一の経験です。 今ではそのアパートは取り壊されて マンションになり、 おばあちゃんも10年ほど前に亡くなりましたが、 この季節が来るたびに 「あの子は成仏できたのかな」 と思い出します。 ●くろきち 十年以上前の話です。 姫路にあった、某というラブホテルの廃墟に 幽霊が出るというウワサを聞きつけ、 当時のカノジョと探索しに行った時の事です。 結構有名なウワサでした。 だいたいあたりを付けた場所で、 30分ほど聞き込みをしたところ、 どうやらそれらしい証言を得る事が出来ました。 そこは丘になっていて、進入路は一つ、 それも生い茂った植物のせいで 見落としそうになっていました。 一応舗装してあるその坂を上っていくと、 クモの巣や、例の黄色と黒の工事現場にあるような 通せんぼ(?)、封鎖するためのロープが 置いてありました。 それらの妨害もなんのそので 我々探検隊が進んでいくと、ありました。 それは外観だけで我々のトリハダを立ててくれました。 思い出してもサムケがします。 何がというわけではないのですが、 強いて言うなら、まるで 恐ろしい事を語りかけてこられているかのようで。 今なら恐くてとても入っていけませんが、 当時はそんな事が大好きだし、 恐いもの見たさが勝って、 二人手を繋いで入っていこうということに。 表からのぞいた内部は不自然に暗く、 それでも壁や床のコンクリートが ボロボロになっている事、 そこに長いこと生きた人は 入っていなさそうな事はなんとなくわかりました。 またクモの巣をよけながら、 よけ損ねて顔に付けながら、 とりあえず一歩踏み出そうとしたその時です。 「あかん(関西弁で「だめ」の意)」 声がしました。 幻聴でしょうか、 それともアタマの中で思っただけでしょうか。 僕にしか聞こえていないようでした。 とっさに踏み出しかけた足と体を戻し、 握っていたカノジョの手を引っ張り戻したその時です。 「ゴロン」 人間の頭ほどの大きな岩が丁度目の前に落ちてきました。 落ちてきた上を見上げましたが、暗闇があるばかり。 言わずもがなですが、 落下地点は踏み出した後 われわれが立つであろう位置です。 もちろん探検は中断です。 二人で叫び出しそうになるのを必死で押さえて 早足でその場を立ち去りました。 その後一日寝込んでしまいました。 あの時の「声」を無視していたらと思うと、 ぞっとします。 |
2000-08-24-THU
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