シェフの話を聞いてから、
なるべくボクは砂糖を使わず
料理を作ろうとずっとしている。
今でも砂糖は一年に一度、小さな袋を買う。
それでも使い切れずに容器の底で固まって残ってしまう。
レシピを見ながら料理を作る時も、
ここに書いている砂糖をなるべく使わないようにするには
どうすればいいだろう‥‥、と思案しながら作っていく。
すると結局、よき食材を時間をかけて料理するのが
唯一の砂糖に頼らぬ手段なんだと実感します。
正しく育ち、熟した野菜を買えばそれらはとても甘い。
果物もそう。
それらを買って素直に料理すれば
砂糖はほとんど必要なかったりする。
骨付きの肉を買って野菜と一緒に煮込む。
時間をかけて丁寧に、
アクをとりつつ煮詰めていけば甘いスープが出来上がる。
甘い食べ物は体を害することがないと、
ずっと昔から人間の体にプログラムされてるから
多分、「甘い=旨い」と感じる
脳の機能があるのでしょうね。
かつて砂糖は高価な食品。
だから、うまいものは
コストも手間もかかる料理であったのでしょうけど、
今や砂糖は気軽な値段で手に入る。
それで「甘いを旨いと勘違いする」人のクセを
悪用する料理がたくさん増えている。
その代表が食パンでしょうか。
コンビニエンスストアで売られている食パンは、
驚くほどに甘く出来てる。
トーストするとすぐ焦げる。
焦げているのにパンの中まで焼けているかというと
決してそんなことはなく、表面だけが焦げるのですネ。
つまり砂糖が焦げただけ。
甘い食パンは決しておいしい食パンじゃない‥‥、
そんなふうに気づく瞬間。
ところで砂糖。
その魔法は、料理をおいしくさせる
魔法だけじゃないのです。
おどろくべき砂糖の魔法。
また来週にいたします。
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