ROBO
風前の灯火。

『緊急掲載 ロボットは、今どこに!?』

前回からまた1カ月以上のごぶさたです。
ちゃんと追跡していたつもりですが、
ホスト・ムラさんから日記が送られてきて
「これで安心」
とかなり気を抜いてました。すいません。

で、ロボットの行方は、というと、
先週末までムラさんの手もとにあったんです。

ムラさんはずっと仕事が忙しくて、
メールでは音信不通状態になっちゃったんですよ。
で、ほぼ日スタッフが思い切って、
というかムチャをして、
職場に電話をかけてしまったんです。

ではまず、前回の更新から(10/19)から
約1カ月後(11/24)、ムラさんと編集部の
電話のやり取りをご覧ください。



ムラさん 「はい、●●●(会社の名前)ですが・・・」。
スタッフ 「ほぼ日刊イトイ新聞と申しますが、
 いつもお世話になっております。
 ムラさんはいらっしゃいますか?」
ムラさん 「わ、わたしですが・・・」
突然の電話にムラさん、かなり動揺してしまい、
結果的にほとんど脅迫電話みたいに。
スタッフ 「ロボットは、今どこにいますかねぇ」。
ムラさん 「すいません、まだ次ホストに渡せてないんです・・・」。
スタッフ 「えっ! そうですかぁ・・・なるほど。
 もしムラさんのご負担になるようでしたら
 送り返していただいてもいいんですがねえ」。
ムラさん 「えーと、今週末には必ず・・・渡します・・・」。
スタッフ 「わっかりました。では、お待ちしています!」

で、電話を切ったあとに、失礼だったことに気づいた
スタッフはメールでお詫びしました。
さらに10日後・・・。


12月6日(月)

スタッフさま

札幌のムラオカです。
先日は、失礼しました。
会議の直前でしたので、バタバタしていて、
ぶっきらぼうな返答になってしまいました。
すみません。

この週末にようやく次のホストにロボくんを
バトンタッチしました。
お待たせして申し訳ありません。
数日のうちに、残りの日記を
提出させていただきますので、
よろしくお願いいたします。

長々とご迷惑をおかけしてしまいまして、
すみませんでした。

言い訳になりますが、ロボくんを受け取った後に、
急に会社の同僚が退職することになり
引継ぎをしたり、進行中のプロジェクトの対応を
しなければならなくなったりと、
忙しくなってしまったもので、
すっかりロボくんのお世話が
お留守になってしまいました。
すみませんでした。

今後も、ロボくんをはじめ、ほぼ日をかげな
がら応援させていただきたいと思っています。
よろしくお願いいたします。



ムラさんの事情も知らず、催促ばかりして、
すいませんでした。
長い間、ロボットがお世話になりました。

とにかく、再びロボットの旅は動き始めましたよ。
(そう信じたい)
今後をおたのしみに!

1999-12-07-TUE

39人目 ムラさんの家 (1999.9.6〜)

ホストのコメント

みなさま、大変ご迷惑をおかけしてしまい、
申し訳ありません。ロボくんを軟禁していた犯人は私です。
お騒がせいたしました。
これまでのロボくんの生活をざっとダイジェストで
ご報告させていただきたいと思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

9月6日(月)
出社すると、机の上にどささっと宅配便の袋がのっていた。
バリバリと開封すると、そこにはロボくんのお姿が……。
(↑反則なんですね……。ごめんなさい……)
週末にちょっとブルーになる出来事があって、
うつうつとした気持ちになっていたで、
ロボくんとのご対面はとてもうれしい。
「よろしくっ」。
早速、課長に見せびらかしたところ、
「これがホンモノだという証拠はどこにあるの?」
と詰め寄られてしまった……。反論できない。
でも、ホンモノなんです!……きっと。

と、からかわれながらも、仕事を終え我が家へ。ようこそ。
散らかっているけれど。
ベッドに一緒に入ったけれど、
ベッドに持っていったビールをこぼして、
ロボくんにかけてしまわないかだけが心配。


9月9日(木)
99年9月9日。ゾロ目。
こんな日をあなたと過ごせるなんて素敵ね、ロボくん。
日付入りのカメラで写真を撮りたかったけど、
そんなヒマはなかったわ……。残念。


9月10日(金)
今日は、うちの母の誕生日。
もう還暦も過ぎているので、どーでもいいようなものだが。
ま、せっかくなので、ロボくんも心の中で祝ってあげてね。
私も心の中で祝うから。


9月11日(土)
なじみのコーヒー屋さんにロボくんを紹介に。
しかし、次のホストになってくれそうな人とニアミス。
ついさっき帰ってしまったそうな……。残念。
おまけに、ロボくんを紹介しようと
カバンから取り出したとき、わたしったら、なんと
ロボくんをお皿の上に落としてしまった!
ご、ごめんなさいぃ〜。
でも、ロボくんもお皿も無事でした。ほっ。
せっかく札幌まできてくれたのだから、
やはりこれでしょう。ラーメン。すすきの。
ラーメン横丁もいいけれど、
わたしのお気に入りのラーメン屋さんに参りましょう。
ちょっと濃い目のおしょう油味。
ロボくん、お味はいかがかしら?


9月16日(木)
い、忙しい……。
でも今日は東京から友達がやってくるので、
せめて晩御飯くらいは付き合いたい。
ロボくんも、うちと会社の往復にあきたでしょう。
たまにはおもてなしを……。
知り合いがやっているお店にお食事に。
ここは、日本酒を多くおいている居酒屋。
食べ物もとてもおいしいのよ。
刺身、焼き魚など、北海道のお魚はおいしいでしょ?
ロボくん。おすすめはタコキムチ。
ここにくるといつも食べるのよ。
やわらかいタコとぱりっとしたキュウリの食感が
絶妙でしょ?
ようやく、少しだけおもてなしらしいことをできたわ。
ごめんね。次のホストに会えるまで、も少し辛抱してね。


9月17日(金)〜10月12日(火)
あぁ、今日もなにもできなかった……。
ホストを探さねば……。日記を書かねば……。を繰り返す。
どうして、忙しいときにいろいろなことが重なって
やってくるのかしら?
おまけに風邪が長引いて体調も悪い。
そして、今日もロボくんは、私のところに……。
ご、ごめんなさいぃ〜。
でも、無事にカチカチうごいとる。よしよし。


10月13日(水)
ついに、捜索隊の手が……。
すみません。犯人はわたしです。
神妙にお縄を頂戴いたします。
今週末にはとりあえず、ロボくんが元気であることを
お知らせさせていただきます。


10月16日(土)
ロボくんは今日も元気。いいわね、あなたは元気で……。
わたしはちょっとくたびれ気味。もう若くはないのよ。
とほほ。わたしもロボくんのように
いつまでも元気な体がほしいわ。
体の硬さは同じ位なのにね……。
来週には、次のホストのところにいけるので、
それまでもちょっとだけ、お付き合いしてね。

1999-10-19-TUE

ちょっと戻って39人目 ムラさんの家 (最後の日)

(編集部註)
話が前後しますが、ロボットの前ホスト・ムラさんから
最後の日記が届きましたので、掲載します。


12月4日(土)

捜索隊の出動があってから、
すぐにも次のホストに届けようと思っていたのに、
どうしてロボくんはまだうちに?
日ごろの忙しさにかまけているうちに、
気がつけば、また一ヶ月も過ぎてしまっている...。
あぁ、わたしのおバカさん。

ようやく次ホスト予定の人のお仕事が
ひと段落したようなので、
このチャンスを逃してはいけない!
なんとしても捕まえなくてはっ。

そう思い、ロボくんのことは一言も口に出さずに、
次のホスト(予定)のEbiさんを呼び出した。
しめしめ、まんまと罠にかかったわね。ふふん。
ロボくん、ついに、ついに、あなたとお別れのときが
やって来たわね。
ほぼ日スタッフの方々もさることながら、
あなたが一番ほっとしていることでしょう。
おつかれさま。

Ebiさんがやってきたところで、
おもむろにロボくんバッグを差し出した。
きゃぁ やったわ! ついに渡したわ!
Ebiさんは、ロボくんの話をすっかり忘れていた様子。
それもそうよね、ロボくんの話をしたのは
気が遠くなるほど前のことだもの。

Ebiさんも、ようやく地獄のような忙しさから
抜けることができたところなので、最初はしり込み。
そそくさと手を引っ込めてしまった。
でも、そんなことで引き下がる私ではないのよっ。
ここであなたを逃したら、
この先はもうロボくんを強制送還する以外に
すべはないのよ。それはなんとしても避けたいの。

いいから、いいから、何も言わずに受け取って、と、
まるで賄賂を無理やりねじ込むかのように、
Ebiさんにロボくんバッグを押し付けたわ。
それでも後ずさりするEbiさんに対して、
私は強攻策をとった。
Ebiさんの元にロボくんバッグをおいて、
そそくさとその場を離れてしまった。
そう、やったもん勝ちよ。
今日から、あなたにロボくんホストの名誉を与えるわ。
まるで女王さまのように高飛車な態度で
Ebiさんに引き継いだのでした。
高飛車な私の態度にあきれながらも、
Ebiさんは快く(?)ロボくんを受け取ってくれました。
私がもてなしてあげられなかった分、よろしくね。

さよなら、ロボくん。これでほんとにお別れね。
何もできなかった私を許して。
あなたの今後の人生を陰ながら見守らせていただきます。
何ヶ月も軟禁してしまって、ほんとにごめんね。
幸せになってね。
あなたが無事にゴールする日を待っているわ。
ばいばい。(涙)


最後になりましたが、ほぼ日のスタッフのみなさまには
本当に、ご迷惑・ご心配をおかけしてしまい、
申し訳ありませんでした。
ロボくんファンのみなさま、ほんとにごめんなさい。

1999-12-14-TUE

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