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虚実1:99
総武線猿紀行

総武線猿紀行第254回
「本物のドラゴン桜先生と激論!
 偏差値を上げアゲしてから騒げ!!」
泉忠司×サエキけんぞう!! その3
「受験技術は進化しているのだろうか?」

泉さんは、『ドラゴン桜』の歌い文句の
偏差値30から全国トップを地でいった人。
そのドラゴン桜の物語の骨格を考えた人は、
担当の編集者らしいのです!
偶然が重なったことから、
泉さんはその編集者さんと知り合うことになりました。
その編集者さんについてから、
話をはじめたいと思います。
今回も、即戦力話をおさえてますよ。

サエキ 泉さんの人生そっくりの漫画
『ドラゴン桜』。
それを記した原作の出所が問題です。
いったいどんな人が
それを作ってるんでしょう?
漫画は、
三田紀房さんという方が書いています。
そして佐渡島さんという
『モーニング』の編集者の方が
いらっしゃって、その方がどうやら
あの学習法のネタ元らしいです。
サエキ 泉さんみたいな人が
いるってことですよね。
そうなんですね。
その方は灘高から東大にいかれた、
いわゆる受験エリートですけど、
おそらくご本人がそういう
勉強をなさったんでしょうね。
サエキ その方とお会いできそうなんですか?
漫画を読むと、
国語の勉強法もそうですが、
リズムで英語を覚えるという点、
数学で基礎問を反復していた点など、
僕が自分でやっていたのと、
とにかくそっくりだったのです。
純粋に感動したんです。
しかも、『ドラゴン桜』は
単なる受験のテクニック本じゃない。
大学生活や社会を生き抜く知恵に
満ちているすごい漫画だと。
それで、手紙を書いたんですよ。
作者の三田さんと
編集の佐渡島さん宛てに
熱い熱い純粋なファンレターを(笑)。
そして、書き終わって封筒に入れ、
糊を取りに別の部屋に行き、
PCの前に戻ったところで、
何となくメールチェックをしたら、
以前パーティで僕と会ったことが
あるという方がメールを下さった。
受験通信教育で有名な
「Z会」
寺西さんという方でして、
「僕は『ドラゴン桜』の編集をしている
 佐渡島さんという方と
 親しくさせていただいていて、
 泉さんの
 『歌って覚える英文法完全制覇』
 のことを話したら、
 非常に興味を持っていて、
 それで、もし差し支えなければ、
 私が間に入って、一席取り持ちますけど、
 興味はありませんか?」
って書いてあるんです。
まさにその佐渡島さん宛てに手紙を書いて、
封筒に入れた瞬間に
そういうメールがきたので、
「実は『ドラゴン桜』を今日読んで、
 こういう手紙をいま
 書いたところなんです!」
というメールを送りましたら、
セッティングをしてくださって、
「来週13日から28日の間で
 時間を作ってお会いしましょう」って。
サエキ 「Z会」といえば受験勉強業界の
草分けですね。
僕も、Z会と同じように、
受験勉強では伝統ある
駿台予備校の授業を受けて、
なんとか大学に入ることができたんです。
それらの蓄積されたノウハウの
あり方を考えるに、
受験参考書や受験対策は、
一朝一夕で考えつくものではないですね。
たしかに伝統も必要ですね。
しかし、受験勉強法って、
ちょっとマンネリ化している
きらいもありませんか?
そうですよね。
サエキ 一方、『ドラゴン桜』は、
いきなり革命的な受験ツールに
のし上がったとも思います。
マンネリ化した業界に
鉄槌を下したともいえるわけで。
受験業界が手をこまねいていたのか、
それとも斬新なアイデアを
産み出すこと自体は、
すごく難しかったのか、
どちらなんでしょう?
画期的なものを
産み出しづらいんでしょうね。
サエキ それは単純に考え出すことが難しい?
受験を突破するためのアイデアは、
変化球が必ずしもストライクに入るとは
限らないですから‥‥。
斬新なアイデアは難しいんじゃないかな。
サエキ なんで受験技術というのは
進化しないんだろう。
例えば英文だったら、
駿台の『基本英文700選』
たしか70年代前半ごろ出て、
いまだに使えますよね。
30年以上前の本ですよ。
それと、学問だって
変化してるわけじゃないですか。
なぜ学問と連動しているはずの
受験業界が変化しない?
『ドラゴン桜』で画期的だったところは、
長らく沈静状態だった受験業界に
技術の変化を提案したからだと思うんです。
たしかに。技術で受験を
なんとかしようとすると、
それは奇をてらっただけになることが多い。
結局『基本英文700選』のように
オーソドックスでスタンダードな
ものがいいということになってしまいます。
でも、そもそも、問題自体も、
そんなに変化してないですよ。
サエキ 問題が変化してないなら、
なおさら攻略法が変化しても
いいじゃないですか?
普通の世の中のことって、
変化しないものに対する対策ほど、
例えば「ペスト」や
「結核」の対策のように
圧倒的な進化をしそうなものなのに、
なぜ受験技術は
進化しないんでしょうか?
なんででしょうかね?
受験が進化しないのは‥‥
サエキ 毎年、受験生、つまり当事者が
入れ替わってしまうせいでしょうかね?
受験産業も、相手が変わるなら、
同じことやってたほうが楽だし。
結局、受験の場合、
暗記をどれだけしているかと
いうのが絡んできてしまうので、
そうすると暗記術、
「どうやって覚えていくか」に尽きる。
すると、最初の段階である程度、
出尽くすんじゃないですかね。
ただ、その後もいろんな変化が
起こってはいるんですよ。
英単語を覚えるにしても、
最初はABC順に並んでる
英単語集だったのが、
試験に出る順に覚える
スタイルのものになる。
『でる単』が画期的だったのは
まさにこの点。そうかと思うと、
今度は語呂合わせで
覚えようというのが出てみたり。
サエキ 70年代に『でる単』が
画期的だと言われて。
だけど、僕らの70年代後半の
受験の頃には
『出る単』よりも『でる熟』の方が
やりやすいと言われていて、
さらに実戦の現場では、
『出る熟』よりも
『基本英文700選』の方が
大事だとわかりました。
専門的な雰囲気でしたけどね。
さかのぼると、60年代に
『でる単』の前はあの
ABC順の『豆単』だったんですよ。
ABC順じゃ、絶対ダメだ!
かなり哀愁があるものでしたよ。
ですから60〜70年代の頃は、
多少は進化してたと言えるかもしれない。
そういうふうに変わっていって、
いろんなアイデアが産み出された。
でも、所詮は暗記法の変化に過ぎず、
となると、対象の配列を変えるか、
語呂合わせのような
ちょっとした工夫に
頼るくらいしかできない。
だから受験技術の進化って
難しいんですよ。
サエキ 例えば膨大な量の英文を
データ−ベース化して、
もっと効率よくならないのかしら。
最終的には、
手作業になるんだろうけど‥‥
それはもう駿台でも、してるんですよ。
たとえば『システム英単語』
(駿台受験シリーズ)
がそれです。『システム英単語』は
たぶん今出ている単語集の中では
ずば抜けてすごい。
何がすごいかというと、
本当に膨大な量を
データベース化したうえで、
その単語がどういう単語と結びついて、
どういう設問として出る確率が
何%あるのかということを
手作業で調べてる。
『でる単』や『ターゲット』
重要単語としてあげられてる単語でも、
この意味で出ているのは試験何例中、
たった何例しかない、とかね。
たとえば、seniorという単語は、
「年上の」なんて
多くの単語集には書いてるけど、
「年上の」という意味で使っ
ているseniorというのは
パーセンテージにすると
こんなに少ないんだから、
こっちのよく出ている意味を
先に覚えるべき。というのを
コンピューターをベースにしたうえで
手作業でやってるんです。
サエキ 『システム英単語』は必携ですね。
買おうかな(笑)

(次回に続く!)

泉 忠司さん

イギリス文学・文化専門の大学講師
作家・俳優・脚本家・演出家・プロデューサー、
作詞家、歌手、恋愛コンサルタント、元レスラー
泉忠司公式ページ:http://www.izumi-tadashi.net

【著作】
『泉式文科系必須論文作成術』(夏目書房)
『SONGlish!
 宇多田ヒカルSONG version』

(夏目書房)など

【俳優活動】
「木曾義仲−横田河原の戦い−」主演
「kakurega」プロデュース・脚本・演出・主演

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「サエキけんぞうのPod Hunter」

現在、ストックになっている第9回、10回、
そして特別放送は、
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コメントやリクエストもすぐに反映、発表します。
pearlnet@nifty.comまで送って下さい!

レギュラー第11、12回に続き、
10月16日日曜日には特別放送、
「中島ひな」さん特集第2回!!
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カルチャーアドヴェンチャーな放送になってます!
聞いてね!

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ビデオクリップ「陽の当たる月曜日」が見られます!
しかも、もうすぐ新作クリップ開始!
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サエキさんへの激励や感想などは、
メールの表題に「サエキさんへ」と書いて、
postman@1101.comに送ってください。

2005-10-14-FRI

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