虚実1:99 総武線猿紀行 |
総武線猿紀行第261回 総武線猿紀行から本が生まれました! 『ネット限定恋愛革命 スパムメール大賞』 発刊記念! その2 人生をスパムにしたくなければ スパムを知れ!(この本で) え〜、おかげさまで好評売り出しました! え〜、群馬にてサイン会が行われることが 急拠(ほぼ)決定しました! 12月22日(木) 文真堂/ブックマンズアカデミー(前橋市内)にて 18時頃から小トークイベント〜サイン会 詳しくは、追ってここでお知らせします。 なお、文真堂さんのご好意で、 本当に豪華な賞品があたる、 「あなたのスパムメールのコンテスト」を 行う予定もありますで、 PC内のスパムメールを御保存ください! なお、同日22日、16時ごろから FM群馬に出演する予定であります! さて、7月に「混浴のことですが」というスパムで 「スパムもちょっと違う次元に突入したな」という 感覚を感じた、というところからです。 スパムメールのねらいは、メール中に記してある リンクをクリックさせ、自分のサイトにひきこむことです。 しかし「混浴のことですが」で 果たして客寄せになっているのでしょうか? あまりにもノンビリとしすぎている。 はっきりいってこのメールを書いたスパム業者、 かなりイっちゃってます。 スパムメールがやってきた最初のころ、 例えば携帯には 「初めてだからやさしくお・し・え・て、 フェラ? はどんなふうにすればいいの? なんてウブな会話ではじまる 禁断の・・・」 といった調子でした。 これは、繁華街でいえば客引きともいうべきもの。 男にとっては定番の、直接的なササヤキです。 テレビにはCMというものがあり、CMの原型は 「一粒300メートル(の栄養)グ*コキャラメル」 というような内容のわかりやすい 訴えかけだったことにも似ています。 明朗な客寄せであります。 それが、今ではユニクロのCMのように イメージだけで訴えかけてくるようなものに 進化しました。 CMの体裁をとってない番組内CMも多いです。 「混浴のことですが」も、たとえば、 そういった意味でのスパムの進化形かもしれません。 エロはエロでもはずれている。 いや、すでにエロでもないかもしれません。 そして、スパムはみなさんが普通に出している メールと限りなく内容が近づいていたり、 あるいはとんでもない飛躍をしていたり。 「スパム」という命名は、 米国ホーメル社のランチョンミート缶詰から来ています。 それが「SPAM」という商品だったのです。 可愛そうなホーメル社の立場についても、 詳しく書いてあるので、御覧になっていただきたいです。 「スパムメール大賞」では、 「スパムの歴史」というコーナーもあります。 スパムメールは、78年という まだコンピュータがデカかったころに、 コンピュータ・セール博覧会の宣伝として、 第一号が発生。そのメールの原文と訳も載せてあります。 スパムはコンピュータの発達と共に 同時発展してきたといえます。 同時送信が可能という機能がいけないのです。 郵便が出せば宛先さえ書けばだれにでも 届いてしまうという機能から ダイレクトメールが発達しましたが、 それよりももっと簡単に発展できる。 ボタンをおせば届くから。 これはだれかが出すにきまっていた、ともいえるでしょう。 それをとどめるのはモラルだけ。 犯罪というわけでもないから、 社会的にとどめるものは今のところ、ないのですね〜〜。 「スパムメール大賞」でとりあげている メール文の世界は、「ママさんバレーボールの会」 「逆援助額数億円」「フェラーリに乗って 孫娘にアナを開けてくれ!という老婆」など、 この世のものとは思えない内容になってます。 なぜ、このようにSF的な世界を 作り出すにいたったのでしょうか? 紙に印刷したダイレクトメールでも、 かなり怪しげな保険とかエロ本とか 玩具の売り込みとかはあります。 しかし、それはたとえサギではあっても 一応実在とリンクさせて作成されている文面です。 インチキであっても、現実存在と 必ずどこかで接点があるのです。 ところがPCメールの世界は、 現実との接点が完全になくても成立する。 手紙を書くペンも、印刷するインクも、 届ける郵便屋さんも、ポストも、 捨てるゴミ箱も実在しません。 PCの世界は、すべてが実在であると同時に、 同価に、幻である、という独特の世界なのです。 したがって、最初はエロダイレクトメールと似ていた エロスパムも、徐々に現実との接点という カケガネを失ったのではないでしょうか? そんなマボロシ性を増したスパムメールを、 現実の出版物に印刷するということは、 面白い効果を生み出します。 ぜひスパムを印刷した紙面を、 手にとって見ていただきたいのです。 ネットの中だけで消されるのを待つだけの、 全くの架空の存在スパムが、実在する紙の中で アナザーワールドを語り始める。 やっぱ、紙で印刷するのって違うんですよ〜! 重いんですよ! 確かにスパムは腹立たしい、忌むべき存在です。 しかしスパムの中にこそ、IT礼賛の美辞麗句からは 知ることの出来ない、PCのドジっこで、 おせっかいなジャンク性の本質が隠されている。 「あ〜〜、スパムってこういうことだったのか?」 「こんなことも書くのか?」と知ってから PCやスパムに立ち向かっても遅くはありません。 というより、敵を攻略するなら、 一番大事なことは敵を知ることなのです! ぜひ、年末アンチウィルスソフトを お入れになるのと同時に、 「スパムメール大賞」で、スパム免疫、 メールマナー免疫を貴方の頭脳に インストゥールしていただきたいのです。 人生をスパム化したくなければ (この本で)スパムを知れ! 次回は、ついに鈴木バカボン復活!のパール兄弟で レコーディングされた「スパム天国」、 その他をお送りします! (続く)
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2005-12-13-TUE
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