総武線猿紀行第270回
「君づけの人間関係はどうだ?」その2
「オタクという言葉の効用について」
前回で「オタク」地雷を軽く踏んだようです。
オタクがらみは、鬼門ですね。
長文の論考などが届きました。ありがとうございます!
そんなオタクという言葉については中森明夫氏が
「おたくの研究」という文章を発表されたことが、
広めるキッカケになったといわれておりました。
その辺の状況は、竹熊健太郎さんのホームページに
詳しく書かれておりまして、面白いです。
竹熊さんによれば、「おたく」という言葉は、
最初から「おたく」の間だけで使われていた
「自分たちを差別する言葉」だったということです。
差別する側と、差別される側が最初から一致していた、
つまり
「自分で差別していたのは自分だった」ということ。
現在の「やおい」もそうだといってます。
それは自嘲ともいえますし、他の人達とは違う、
という微妙に自分を選別した感じも
混じっているようにも感じられるのです。
(多少の特権意識があるような‥‥)
つまり「後ろめたさとうれしさの
微妙な味のミックス・ジュース」
それがオタクという言葉なんでしょうか?
(文中、カタカナで「オタク」と
表記したものについては、
サエキの文脈であります)
また「オタク」という言葉には、
微妙に人と人との間の距離をとる
効能があると思われます。
「キミ」ではちょっとだけエラそうだし、
「オマエ」じゃ、もちろんヤバい。
「君(きみ)」という言葉でさえも
自分のエラそうさが相手にニオわせそうな
現場だといういうことです。
ましてや、貴方じゃ、オカマになってしまう。
漫画マニアの会話は、自分が何を持ってるか、
相手が何を持っているか? を話すことに終始します。
そこでは常に「持てる者の自慢」が
会話の本質をなします。
だから、ちょっとでも言葉ツキで
マサツが発火しやすいのでしょう。
上下関係的摩擦回避のための特効薬、
それが「オタク」という言葉だったのでは
ないでしょうか?
君やお前で作られる、
一般社会の人間関係に組み込まれないための
「マニア同士の傷つかないシステムアイテム」
そうしたものだったのだと思います。
さて、オタクについては、前述のように
中森明夫氏の文章が、有名ですが、
知り合いの編集者S氏から、
中森氏に至るまでの経過について描いた説が届きました!
驚くべきオタク発生の源流についての説を
ここで引用します。
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おたくという言葉がはやった原因としては、
ハードボイルドで著名な大薮春彦の主人公が
相手のことを「おたく」と呼び、
その影響を受けたSF作家・平井和正が
ウルフガイ・シリーズ中で主人公に
「おたく」と呼ばせ、それにさらに影響を受け、
マンガファン、アニメファンに人気の高い
女性SF作家・新井素子がやはり主人公に
「おたく」と呼ばせたことが
いわゆる「オタク」層で二人称の呼称を
「おたく」と呼びはじめたように
当時(80年前後?)感じておりました。
中森明夫氏が83年に「おたくの研究」を発表した時は、
すでに上記のような感覚は、
いわゆる「おたく」層で認識されていたと思います。
中森氏は、二人称を「おたく」と呼びあう、
独特な格好と性格と趣味をもった人々、
つまりトライブ(部族)を「おたく」と名付けました。
そして該当する「おたく」な人々も、
シャレとして自嘲的に「自分はおたくだから〜」
と使っていたような気がします。
それはそのちょっと前、80年前後に流行った
「ほとんどビョーキ」というもの言いと
変わらなかったのではと思います。 |
なんと、あの大薮春彦センセイが、
源流かもしれない!
ということ。これは驚きです。
ここでは、懐かしい人名がたくさん出てきます。
SF作家、新井素子さんと、
その先輩にあたる平井和正さんまでは、
思い当たる人も多いでしょう。
自分は、筒井康隆氏や小松左京を大好きな
SF小説ファンでしたが、
70年代後半から平井和正氏ファン、
新井素子さん(78年デビュー)ファンが
増えてきたのを横目で眺めていたのを思い出します。
筒井ファンと、新井ファンもしくは
平井ファンであることは
ちょっとニュアンスが違ったんですね。
僕は山上たつひこの漫画「がきデカ」が
同時に好きだったわけですが、
新井さんのファンなどは「宇宙戦艦ヤマト」ファンも
相当混じっていたのではないでしょうか?
僕が「オタク」と別れていったその分枝の幹が
どうやらその辺に見えてきた気がしました。
中森さんの「おたく」宣言の前に、
こうしたSFマニアの間でささやかれていた
言葉だったのですね。
そしてそれは、その前に小松左京・筒井康隆・星新一の
御三家のファンだった僕のようなSFファンから
ヒョイとわかれた道だったようです。
ハードボイルド(大薮春彦)から平井和正に、
そして新井素子さん、宇宙戦艦ヤマト、
もうひとつの青春の道が‥‥。
ああ、「君(くん)」から
ずいぶん離れてしまいましたね〜。
でもちょっと続けさせてください!
(続く)
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【MODERN MUSIC RESTURANT CROCODIL
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〜クロコダイル〜】
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-18-8 ニュー関口ビルB1
TEL:03-3499-5205 FAX:03-3499-5206
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