MUSIC
虚実1:99
総武線猿紀行

総武線猿紀行第282回
「こんにちわ! セブンティーズ」
〜サエキ70年代本出版!
 そこに書けなかったことなど‥‥その3

『さよなら! セブンティーズ』は、
記憶のお蔵だしでした。
「70年代の回想録のようなものを書けないか?」
といわれたのは、名古屋ででした。
名古屋のカフェで、フレンチイベントをやっていたとき、
その一番後にすわって見ていてくれたお客さんの
男女二人組が、クリタ舎という
今回の出版社の人達だったのです。

名古屋の出版社ということにまず、意表を突かれました。
そうか、地方でも出版はできるのか?
と、その手作りのような本作りの姿勢に好感を持ち、
話しをしてみることにしました。
本は、少しずつ、我慢強く、相談しながら作る、
大変根気強い作業です。
まるで、美味しいお米を作る
農作業のようかもしれません。
そのお二人には、信頼できる情熱を感じました。

注文の内容ですが、
確かに昔のことを思い出すのはいいのですが、
最初はなかなかイメージが結ばないものです。
「ああ、そういえば最初に一人で行ったコンサートは、
 小学校を出る春休み、
 鈴木ヒロミツ率いるモップスだったな。
 その記念すべき初ライブ見学の杉野講堂は、
 1986年にパール兄弟の、
 矢野顕子さんがゲストの
 メモリアルなライブを行ったな?」とか、
「そういえば、その時に一番最初に出たのは
 井上陽水さんで、
 アンドレ・カンドレという名前から
 変名したばかりだったな」とか、
「アンドレ・カンドレのシングル曲は、
 確か『カンドレ・マンドレ』だったな?」
とか調子が出てきます。そして
「その後に出てきたのは、
 フォークユニットだったRCサクセションで、
 はちまきをしめてたな、吉田拓郎さんも出たな。
 MCが長くて面白かったな。
 そういえば、そのライブはモップスの、
 フォーク系の仲間を集めたアルバムを出す
 記念のライブでもあり、
 それは『モップスと○○人の仲間達』という
 アルバムだったな。はて、○○は何人だっただろう?」
○○は16でした。
とだんだん記憶の細部が検証されてきます。
記憶はズームレンズですね。
最初に思い出す部分にフォーカスし、
注意深く探ってると、
突如としてオブジェクトが思い出せる。
みんな「単語」「固有名詞」が思い出せなくて
四苦八苦しながら思い出話しをしています。
そこで投げないで
「ちょっと待って! 1〜2時間かけて思い出すから」
と、エクスキューズしておくことがかんじんです。
けっこう本当に1時間後くらいに、
全く文脈と関係なく、頭に電球が灯り、
「さっきの話し、ギターの星勝さん(モップス)だったよ」
と不思議に名前が出てきたりするのです。
あきらめないことがカンジンですね(笑)。
いきなり、相手に告げるので
話しがメチャクチャになることを、
お互いに良しとすることが大事。

しかし、エッセイにするために、
状況をひとまとまり思い出すとなると、さらに大仕事です。
まず、いったんある場所にいった話しなどを荒く仕上げ、
それを半年くらい寝かせておきます。すると、突如として
「あ、あのお兄さんが隣のお姉さんとキスしてた!」
みたいな光景が浮かんできます。
(5章「小学生に話しかけるロック業界の先輩の方々」
 小学6年)
すると不思議なことに、その時にかかっていた
スプーキートゥースといった忘れていたバンド名が
浮かんできて、じょじょにレコードコンサートがあった
千駄ヶ谷の千日谷会館、という、
その後、35年も足を運ばなかった場所の
薄暗い風景が浮かんできます。
それで思い浮かぶのは、なんと、その日の天気だったり、
会場の匂いのようなものだったりするのです。
今回の重要なポイントとして、
70年代の匂いや香りのようなものは、
文字で表現できないか? ということでした。
(この項続く)

『さよなら! セブンティーズ』
出版とイベントのおしらせ




久しぶりの書き下ろしエッセイ
『さよなら! セブンティーズ』が
2月28日にクリタ舎という会社から出版されます。
禁断の70年代の記憶お蔵だしで、
大滝詠一さん、YMO、ミカバンドなど、
小学生から高校生時代などに見たライブや、
ハルメンズの前身=少年ホームランズの
生まれる背景まで、また、その頃の日本について、
細かく語りこんだ文章です。
自分としてはかなり思い切った決断であり、
追憶の辺縁をハジキ出す作業でもありました。
おかげさまでゲラの段階では、好評いただいております。
(レコードコレクターズでは
 安田謙一さんにレビューをいただくことになりました。)
で、出版記念サイン会があります。
買っていただいた方に、
サインと、オマケを差し上げます。
東京では買っていただいた方に、
解説を書いていただいた、詩人福間健二さんとの
トークショウ! を見ていただけます。

■出版記念サイン会&トークショウ!
【東京】
日時:2007年3月3日(土)17時〜
会場:青山ブックセンター HMV渋谷店
出演:サエキけんぞう / 福間健二
問合せ:青山ブックセンターHMV渋谷店 
TEL:03-5428-1775
http://www.aoyamabc.co.jp/45/45230/

【名古屋】
日時:2007年3月4日(日)14時〜
会場:星野書店 近鉄パッセ店
出演:サエキけんぞう
問合せ:星野書店近鉄パッセ店
TEL:052-581-4796
名古屋市中村区名駅1-2-2 近鉄パッセ8F
http://www.rakuten.ne.jp/gold/hoshinobk/sub2.htm

■『さよなら! セブンティーズ』サエキけんぞう
2007年2月28日第一刷発行
定価/1470円(本体1400円+消費税)
体裁/四六判変型並製 224ページ
発 行 クリタ舎
発 売 株式会社ごま書房 
ISBN978-4-341-13132-6
パール兄弟の春の東名阪ライブツアー

今回初披露の新曲、
2003年のアルバム「宇宙旅行」から
バカボン鈴木のヘブン17ばりのベースが光る
「恋の工事現場」、
「サニーサイドにようこそ!」から「陽炎列車」、
そして、パール兄弟名義の新譜
「ダークサイドにようこそ」からなど、
昨年のライブとはかなり違った構成となります。
また、サエキが詞を提供している、
カワイイ女性ボーカルのニューウェイブバンド
「ぶどう÷グレープ」が対バンドを務めます。
ぜひ、いらっしゃってください!

☆パール兄弟ライブツアー☆
『パールとふぞろいな果実達』

★東 京★
【公演日】2007年3月2日(金)
【タイトル】〜CHELSEA HOTEL 4th Anniversary〜
「パールとふぞろいな果実達」
【会 場】チェルシーホテル(渋谷)
東急ハンズのNHK側、道を挟んで向かい。
地下。元CISCOのあったビル。
【出 演】
☆パール兄弟
(サエキけんぞうVo / 窪田晴男G / バカボン鈴木B
 / 松本圭司Key / 宮川剛Ds)
☆ぶどう÷グレープ
☆DJ:ELEKTEL
【時 間】18:00 OPEN /19:00 START
【料 金】ADV 3,000円 (drink別)
/ DOOR 3,500円 (drink別)
【発売日】2007年1月6日(土)発売
☆ローソン 0570-000-777 / Lコード:38791
 (予約0570-084-003) 
☆チェルシーホテル 東京都渋谷区宇田川町4−7−B1
 TEL: 03-3770-1567
 http://www.chelseahotel.jp/top.htm

★大 阪★
【公演日】2007年3月9日(金)
【タイトル】「パールとふぞろいな果実達」
【会 場】ファンダンゴ(大阪・十三)
【出 演】
☆パール兄弟 (サエキけんぞうVo / 窪田晴男G
 / バカボン鈴木B / 宮川剛Ds)
☆ミンカパノピカ
☆ぶどう÷グレープ
【時 間】18:00 OPEN /19:00 START
【料 金】ADV 2,500円 (drink別) / DOOR 3,000円 (drink別)
【発売日】2007年1月10日(水)発売
☆チケットぴあ 0570-02-9999  / Pコード:250-098
 (予約0570-02-9966)
☆ローソン 0570-000-777 / Lコード:51312
 (予約0570-084-003)
☆ファンダンゴ 大阪市淀川区十三本町1-17-27
 TEL: 06-6308-1621
 http://www.fandango-go.com/jp/jindex.htm

★名古屋★
【公演日】2007年3月10日(土)
【タイトル】「パールとふぞろいな果実達」
【会 場】ハートランドスタジオ (名古屋・伏見)  
【出 演】
☆パール兄弟 (サエキけんぞうVo / 窪田晴男G
 / バカボン鈴木B / 宮川剛Ds)
☆ぶどう÷グレープ
☆DJ:IINO
【時 間】18:00 OPEN /19:00 START
【料 金】 ADV 3,000円 (drink別)
 / DOOR 3,300円 (drink別)
【発売日】 2007年1月6日(土)
☆チケットぴあ 0570-02-9999 / Pコード:249-620 
 (予約0570-02-9966)
☆ハートランドスタジオ 名古屋市中区栄1-4-33
 TEL :052-202-1351
 http://www.heartlandstudio.co.jp/

詳しくは、サエキけんぞうHP で御覧頂けます!
http://www.saekingdom.com
サエキけんぞうの公式ホームページ

http://www.saekingdom.com/

トラックバックとか、コメントとか入れてくれんかいのう。
ビデオクリップ「陽の当たる月曜日」が見られます!
しかも、もうすぐ新作クリップ開始!
その曲も入ったサエキのフランス盤
「カマンベール&スシ」(2枚組)の通信販売もやってます!

サエキさんへの激励や感想などは、
メールの表題に「サエキさんへ」と書いて、
postman@1101.comに送ってください。

2007-02-27-TUE
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