MUSIC
虚実1:99
総武線猿紀行

総武線猿紀行第285回
「こんにちわ! セブンティーズ」
〜サエキ70年代本出版!
 そこに書けなかったことなど‥‥その4

いや〜、ご無沙汰してしまいました。
夏はパール兄弟の、本牧野外ライブや、
ローリング・ストーンズトリビュートへの参加、
秋からは、フランスの国民的アイドルで
マイ・ウェイの作者である
クロードフランソワのトリビュート盤作りなどで、
本当に忙殺されてました。
しかし、そんなこと、
みなさんの知ったこっちゃないですよね。
間が空いて本当にすみません。
その昔、パール兄弟が最も忙しかった1989年、
「TOYVOX」というアルバムを作っている頃に、
後輩の歯科医の先生に
「先生、最近は露出しませんね、
 山ごもりでもしてたんですか?」
といわれてガッカリしたことがあります。
人間は、自分の手にしている媒体に見えなければ、
山にこもってると思われるものなのですね。
というわけで、至近距離にいる人間にさえ、
何やってるかわからない、
といわれがちな最近の僕ですが、
前述したとおり、フレンチ・ポップの最高峰、
クロードフランソワの
日本人若手アーティストによるカバーアルバムが、
来新春、日仏同時発売することになりました!
そのことはまたお知らせしたいと思いますが、
至近のイベントのお知らせです。
「ゲンスブールTOナイト」というイベントが
12月19日水曜日にあります。
もう6年以上やっていない伝説のイベント
「ゲンスブール・ナイト」が
新しくできた、阿佐ヶ谷のロフトAという
ライブハウスでほぼ復活!
緒川たまきさんをゲストにお送りします!
サエキけんぞう&クラブ・ジュテームも
アコーディオンの田ノ岡三郎を迎えて
ゲンスブールをたくさん演奏します。
チェルシー(まつゆう)や梶野彰一君、
松蔭浩之さんもでます。
期日が近いですが、ぜひ、来ていただきたいです!

さて、中断していた、70年代話の続きです(笑)。
先日、この「さよなら!セブンティーズ」で
多く取り上げた、中学校の同窓会が、
先日、あったのです。
そこでの白眉の出会いは、布施聡君。
彼は、うちのクラスで最もとがった人間で、
早くからギターの名手でした。
僕とはとんでもない悪仲間で、
授業中にエロ本(それもSMのハードコア本)を
読み回すことはもとより、
美人の教育実習大学生に対する
考えられないワルい妄想を繰り広げたりしてました。
(ここではとてもいえません。
 先日、同級生の女友達に話したら、
 顔色を変えられ、恐れられました。
 中学生あたりのワルとは、
 大人もついていけないものです。)

彼は四街道という、今は住宅地ですが、
当時はまだ田舎がかなり残っていた場所に住んでいました。
教育実習をしにきた若いウブな先生を相手に
「先生はよう、しらねえだろうけど、
 俺は田舎モンだからよう、
 毎朝、牛をひっぱって駅に行かなきゃなんねんだ!
 大変なんだよう」
と、普段、使いもしない
方言様(よう)の言葉を駆使して説明。
次の授業で、先生は本気で目を赤くして
「布施君は、毎朝、牛をひっぱって
 駅まで世話して働いているそうです。
 みなさんも頑張りましょう!」と挨拶しました。
布施君の家は、酪農家ではありませんし、
当時、四街道に牛はいませんでした。
第一、酪農をしていたとしても、
駅に牛を連れていく用事はあまりないと思われます。

布施君は、ディープ・パープルやレッド・ツェッペリン、
あるいはフリーといった
先端アーティストを次々にカバー。
また、我々は、少年ホームランズという
架空の宴会バンドを組み、
歌謡曲を歌っていたりしました。
布施君は千葉南高校に進み、
鈴木智文君と「ロード・ランナー」
というバンドを組みました。
そこでザ・バンドのような曲や外道のカバーをして、
大スターになりました。
鈴木智文君は僕の生涯の音楽仲間で、
その後、野宮真貴と、
ピチカートファイヴのひながたとなる
ポータブル・ロックというバンドを1982年に組みます。

中学校の同窓会は、
JR千葉駅から徒歩10分、
京成千葉駅を過ぎてちょっといったビルの7階の居酒屋。
千葉に詳しい人ならわかる、
千葉市の心臓部の繁華街の場所です。
ちょっと遅れていくと、みんなやあやあやあ、と挨拶。
そこで、たった一人、
「やあサエキ」とものすごく柔らかく、
微笑に満ちた挨拶をしてくる
中肉のオッサンがいました。
「この人だれだろう」と思いましたが、
「久しぶり〜〜」と調子を合わせていました。
20分後判明しました。
そのオッサンは、かつて痩せ細って、
目のふちが切れていそうな大きな瞳が
ヘビのように鋭い眼光をたたえながら
「お前なにやってんだよ!」
とキビしいツッコミを入れてきた
布施聡その人だったのです!
(以下続く)

 

サエキけんぞうPresents
『ゲンスブールTOナイト!
 (GAINSBOURG TONIGHT)』

gainsbourg

6年ぶりに、LOFT Aの熱烈なラブコールで、
あの「ゲンスブール・ナイト」が「ほぼ」帰ってきた!
‥‥といっても知らない人もいると思うが、
フランスの、いや、世界のカリスマ、
セルジュ・ゲンスブールを探求し、楽しんじゃう会。
初心者&一見さんから、
フレンチ・エキスパートの方まで
ディープに楽しめる出し物満載!
ホストはサエキけんぞう、
メインゲストは緒川たまき!(ソリトンコンビ?)
ゲストに、松蔭浩之、チェルシー(まつゆう)他多数、
生演奏には、サエキけんぞう&Club Je t'Aime、
本格ミュゼット・アコーディオンの田ノ岡三郎、
そしてDJには、梶野彰一(L'APPAREIL-PHOTO)が参加!
他、ミニ・ファッション・ショウ、
そしてそして当日お楽しみのアトラクションも用意!
予感超絶濃厚な一夜になります!

■公演日■ 2007.12.19 (Wed)
■場 所■ Asagaya / Loft A(阿佐ヶ谷)
 JR中央線阿佐谷駅南口を降りて、左手、
 マクドナルドの右ナナメに入るアーケード街、
 「パールセンター!」そこに入り徒歩2分だ!
 〒166-0004 杉並区阿佐谷南1-36-16-B1
 JR中央線阿佐谷駅パールセンター街
■時 間■ 18:00 OPEN 19:00 START
■料 金■ 前売 2,000円 当日 2,500円(飲食別)
■出 演■ サエキけんぞう
      緒川たまき
      松蔭浩之
      chelucy(まつゆう)
      田ノ岡三郎(アコーディオン)
      サエキけんぞう&Club Je t'Aime
      その他、飛び入りゲスト有
      DJ:梶野彰一(L'APPAREIL-PHOTO)

saeki

■協 賛■ blues dress
■チケット予約■
 ★チケット予約受付開始 2007.11.10.(Sat)
  前売券はローソンチケットにて発売!
  (Lコード:33351)

『さよなら! セブンティーズ』

book

久しぶりの書き下ろしエッセイ
『さよなら! セブンティーズ』が
2007年2月28日に
クリタ舎という会社から出版されました。
禁断の70年代の記憶お蔵だしで、
大滝詠一さん、YMO、ミカバンドなど、
小学生から高校生時代などに見たライブや、
ハルメンズの前身=少年ホームランズの
生まれる背景まで、また、その頃の日本について、
細かく語りこんだ文章です。
自分としてはかなり思い切った決断であり、
追憶の辺縁をハジキ出す作業でもありました。

■『さよなら! セブンティーズ』サエキけんぞう
定価/1470円(本体1400円+消費税)
体裁/四六判変型並製 224ページ
発 行 クリタ舎
発 売 株式会社ごま書房 
ISBN978-4-341-13132-6
Amazonはこちら

サエキけんぞうの公式ホームページ

http://www.saekingdom.com/

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2007-12-16-SUN
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