サエキ |
こんにちわ、モモーイさん。 |
桃井 |
お久しぶりです。 |
|
サエキ |
桃井さんと会ったのは、
なんとあの、元メガデスの
有名ギタリスト、
マーティ・フリードマンさんが
きっかけですね。 |
桃井 |
マーティさんの昨年7月の
ライブの打ち上げにいった際、
サエキさんに声をかけていただいて。 |
サエキ |
僕がマーティさんと
対談をさせていただいた本
『ヒットの種』の、お礼も兼ねて
ライブにおじゃまさせていただいた時、
ちょっとゴスロリっぽい格好をした
素敵な方がいて
「この人はきっと何かヒトカドの方に違いない」
と思って、声をかけさせていただいたんです。 |
|
桃井 |
わあ、おめかししていって良かったです!
マーティさんには、
向こうから声かけていただいたんです。
大阪のタワー・レコードに、
インストア・イベントに出演にいったら、
マーティさんが、
その前の出演だったんですけど、
終わってから
「桃井に会いたい」って
楽屋で待ってくださったんですよ。 |
サエキ |
わあ、世界のマーティを待たせる女!
すごい! ようするに、
桃井さんはロックのマーティから見ても、
興味深いアーティストなんですよね。
しかし、桃井さんは、
「世界のアキバ」を代表する
歌手でもあるんですよね。 |
桃井 |
そうなんです。
秋葉原の歩行者天国の路上ライブを、
おそらく、ほぼ史上初で
やらせていただいたんです。
その後、あのパフュームと一緒に、
打ち水プロジェクトという、
エコ系イベントもやらせていただきました。 |
サエキ |
へ〜? 打ち水イベントでは、
パフュームに楽曲も
提供なさってるんですよね。 |
桃井 |
そうなんです。 |
サエキ |
それは凄いですね!
しかし、桃井さんが
黎明期にすごしていらっしゃった
90年代の秋葉原に
女の子はあまりいなかったですよね。 |
桃井 |
そうなんですよ。
今はもうなくなってしまいましたが、
ヤマギワ・ソフトとかでCDを買ったりね。 |
サエキ |
秋葉原のCD屋さんは、
昔からロックの砦でもあるんですよね。
僕は70〜80年代には
石丸電気で良く買ったな〜。
ヤマギワは火事で燃えてしまったんですよね。
とても残念だったです。 |
桃井 |
それからインターネット出現以前から、
ニフティ会議室でもない
マイナーでマニアックな
パソコン通信もやっていたんです。
名前が秘密のやつとか(笑)、
アイネットっていうやつとか。 |
サエキ |
名前が秘密のパソコン通信!!
インターネット出現前といえば、
1997年以前ということになりますね。
すごい! でも、そうして
女の子がウロウロしていると、
とても目立ったんじゃないですか? |
桃井 |
でも、とても優しく
していただいたんですよ。
技術のこととかで、
知らないことがあると、
教えてくださったり。 |
サエキ |
秋葉原の男は優しいんだ!
オタクっぽくてキモいという印象もありますが。 |
桃井 |
アハハ。全体的に、大人で、
礼儀正しいですよ。
人の道を説いてくださる方もいました。 |
サエキ |
ホームページも自分で作ったんですよね。
HTML言語も自分で打たれたんですか? |
桃井 |
やりますよ! 今でも(笑) |
サエキ |
すごいなあ、アイドルなのに。 |
桃井 |
そういうパソコン言語って、
エンジニアの人が、ブランケットって
通称したりするんですよね。
言語を織りなしていくのが、
毛織物に似ているからでしょうか。
だから、HTML打ったりするのって、
女性に向いているかもしれない?
って思ったりします。 |
サエキ |
そうした秋葉原的知識が生きて、
雑誌の連載をやられたりしたんですね。 |
桃井 |
パソコン雑誌や、
ラジオライフの連載をしていました。 |
サエキ |
アイドル歌手の活動も同時にすすめるわけですが、
UNDER17というユニットで
ブレイクすることになるんですね。
2002年から「萌えソングをきわめるゾ!」
という旗印のもと、
ギターの小池雅也さん
(Poly-phonic)と結成されて。 |
桃井 |
18歳未満禁止の
アダルトゲームの主題歌がとても良いのに、
17歳以下のファンたちが
聴けないのはもったいない、
歌だけだったら彼らに向けても
いいじゃないのか?
というコンセプトだったんです。 |
サエキ |
すごい大胆不敵ですよね。
アダルトゲームの曲って
「下級生」という作品で、
僕も詞を書いたことあるんですが、
ゲームが、鋭い世界観を
持っていたと思いました。
UNDER17はエレクトリックで、
とてもパンク的だな、と思いましたよ。
もっとロックの人にも聴いていただきたいですね。 |
桃井 |
というか、私は秋葉原って
ハシエンダ的なものだと思っているんです。 |
サエキ |
マンチェスターのクラブ? |
桃井 |
そう、ヤマギワ・ソフトが
日本のハシエンダ? みたいな。 |
サエキ |
それは凄い考え方ですね!
ハシエンダはいわゆる
マンチェ系の元祖のクラブですよね。 |
桃井 |
ハシエンダを描いた
「24アワー・パーティ・ピープル」
(2002年英)という映画があって、
それが大好きなんです。
(パンクとエレクトロ系ダンスの元祖
ジョイディヴィジョンと、
後継のニューオーダー、
そしてそれらがかかわった
ハシエンダからハッピー・マンデーズが出て、
セカンド・サマー・オブ・ラブといわれる
クラブ音楽現象が
世界へ大影響を与えたという映画) |
サエキ |
凄いですね。
あのドラッグで盛り上がる世界と、
秋葉原を結びつけるとは。
でも僕もその映画、
大きな影響を受けたんですよ。 |
桃井 |
秋葉原のパワーって、
ドラッグなしでそういう
クラブ・ムーブメント的な
力があると思うんです。 |
サエキ |
なるほど。
1976年のセックス・ピストルズの
映画に集まったたった42人の客達が
ファクトリー・レコードを作り、
世界を変えていくという‥‥
秋葉原が、そんなパンクな
ポテンシャルを秘めているということですね! |