虚実1:99 総武線猿紀行 |
第37回 「僕とDRIVE to 2000」 みなさんお元気ですか? ちょっとご無沙汰してしまいました。 さて、本題に入る前に、最近テレホーダイが始まる 午後11時と同時に、どのポイントも 1時間ぐらいつながらなくなってしまうのですが、 僕のプロバイダーだけでしょうか? ひょっとしたら回線が限界に来ているのかなあ? 日本は米国よりインフラが遅れているというけど、 これでは本当に先行きが危ないと思います。 とりあえずまず、テレホーダイの時間を 一刻も早く延長してほしいです。集中を分散させるために。 (僕は入ってませんが) さて、ここのところここに登場できないくらい かかりっきりなのが、新宿ロフトで来る10月25日(月)から 31日(日)まで開かれる「DRIVE to 2000」というイベント、 その企画に関わっているからなのです。 この無謀な企画は一週間10回(深夜イベント3回あり)で A/Bステージ両方同時進行で100バンドに出てもらおう という、大胆不敵なものです。 鈴木慶一さんも出ます (27日深夜、この回はサエキも出ます)。 あがた森魚さんは幻のテクノバンド「ヴァージンVS」を 率いて31日(日)に出ます。 YMOの完全コピーバンド「Yセツ王」も出ます。 エロオミホチョノさんや助教授、アノヤキコさん (この人がものすごく似てます)がいます。 そして本物の松武秀樹(YMOの第4のメンバー)さんも 出ます30日(土)。 大槻ケンヂ(25日・月)お化粧バンドの元祖・ オートモッド、幻の名盤開放同盟〜湯浅学+根本敬+ わかたけ(28日・木)。 甲田益也子、幻のバンドFILMSも出ます (29日・金曜日・深夜)。 そしてたくさんの新しいニューウェイブバンドが出ます。 このイベントのルーツはDRIVE to 80'sという ちょうど20年前の79年8月に開かれた 新宿ロフトのイベントで、5日間でプラスチックス、 P-MODEL、ヒカシュー他、30数バンドで 当時のほとんどすべてのニューウェイブバンドが 網羅されました。 (この直後の9月YMOがブレイクしました)。 隔世の感があるのは、今回ニューウェイブバンドを中心に 100数バンドを集めたにもかかわらず、 全然まだ足りないことで、出演希望者も後をたたず、 いったいどのくらいバンドが増えたのか? ということです。 おそらくこうした、新旧問わずバンドを出す、 アンダーグラウンドなオムニバスライブは この規模でやることはできないのではないかと思います。 ロックは本当にひろがった。 今でこそハードコア系、オルタナティブ系の 拠点と思われてる新宿ロフトですが、 70年代は山下達郎さんや吉田美奈子さんや、 あるいはフォーク系も多数出演する どちらかといえばソフトなプログラムだったのです。 もともとロフトの元祖は74年にできた荻窪ロフトですが、 このときにロフトの平野さんはティンパンアレイ系を 選ぶか、後楽園のワールドロック派を選ぶか悩み、 前者を選んだそうですから、そちらとのつながりも 意外なことに深いのです。 そんなロフトが騒々しい パンクの拠点になってしまった(笑)のも このDRIVE to 80'sのせい。 DRIVE to 80'sは当時急速にニューヨークで 勃興しつつあったパンクのスタイルを ライブ現場の雰囲気そのもので輸入しようとしたもので、 総立ちでガシガシにのるスタイルとか、 5バンドくらいのオムニバスでしのぎを削る雰囲気とかは ニューヨークのCBGBといったライブクラブを 再現しようとした試みだったのです。 それが日本でもこのイベントにより、実現したのです。 それからはこうしたライブスタイルがイキナリ盛り上がり、 80年代からの新宿ロフトの隆盛につながります。 それを導火線にロックシーンは一気に盛り上がり、 スターリン(遠藤ミチロウも29日・金に出ます)や 町田町蔵(現在は康)のINUなども登場するのです。 「総立ちの久美子」という異名をとった山下久美子が 盛り上がるのが80年代初頭ですから、 その頃までは大きなコンサートはたいてい座って 観ていたのです。 (もちろんYMOもおとなしく座って見ていた) この頃をさかいにロックコンサートの雰囲気は 全く変わったわけです。 (キャロルのようなヤバい雰囲気のライブもあったが)。 今回は20周年という意味ともうひとつ、世紀末なのに、 なにも起らないので自分たちでなにか起こそう という気持ちもありました。 (そのおかげで我が事務所は機能停止寸前まで 雑務に追いこまれる事になり、文字通りの世紀末を 個人的に迎えている。平穏な暮らしを守るためには 世紀末はイジらないほうがいいかもしれない)。 現在は仲間うちのイベントや、大手事務所の主催による オムニバスライブは多数行なわれますが、 世代を縦断した総合的な試みはフジロックなどの 例外をのぞいて、ほとんど行なわれません。 (かつての日比谷野音はなんともいえない雑多な雰囲気に あふれていた。あれは今から考えてみれば、 グループサウンズあがりのおっかない先輩ミュージシャンと 新興バンドが混ざる緊張感から生まれてきたのではないか? とも思う)。 今回、面白いと思うのは、こうした世代のフュージョンで、 だれかのトリビュートではなく、いっしょの現場に 横並びにいるのが面白いのです。 年齢差はかつてロックがなかったほど 広がりを見せているのです。 日本でロックが生まれてから30年が経過したからです。 新興のバンドには当然エネルギーがあり、 サウンド構築の器用さは舌を巻く場合もありますが、 見ていて欠けていることのひとつに キャラクター力があります。 今回出るDRIVE to 80'sのオリジネイタ―、 例えばヒカシューのようなバンドには 今のバンドに失われつつある、エグみのあるキャラクターが あり、それはけっこう今見ると、醍醐味あるもので、 すべてのベテランバンドが「たたずまい」、必見です!! 是非ともご注目下さい。 そういったキャラクター落差というか、 時間&世代トリップ感といったものを味わう 貴重なチャンスになるのではないかと思います。 もちろんどのバンドもパワー感もスゴイですけど。 チケットは全日ともチケットぴあor新宿ロフト、 ロフトプラスワンで絶賛発売中です。 ●出演予定 |
1999-10-11-MON
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