MUSIC
虚実1:99
総武線猿紀行

総武線猿紀行46回
チェーンについて、さらにつっこんで考える


いよいよ、夏至が近づいてまいりました。
夜更かしマニアのみなさん、覚悟はいいですか?
3時40分には白み始めますよ!
正気の沙汰じゃな〜い! 生きてらんな〜い!
しっかし、寒い。梅雨は。なんでこんなに寒いの?
秋だなあ?って感じですね。気温は。
これで雨さえ降ってなければ・・・
寒いのじたいはけっこう快適なんだけど。
と毎年同じことを考える今日このごろ。

まず告知させてください。
ジェーン・バーキンのダンサン、
セルジュ・ゲンスブールのパーティ、
「ゲンスブールナイト」があります。
●Gainsbourg Night
 2000年6月23日(金曜日)21:00〜29:00
 六本木Plastic(六本木交差点から東京タワー方向に歩き
 飯倉片町交差点を左折20メートル中華屋地下)
 tel 03-3505-3400
 料金2500円(フライヤー持参の方は2000円)
 ともに2ドリンクつき
 DJ/アモーレ・ヒロスケ、POOKY、
 Syuusaku NAKAGAMI(Sound Impossible)、
 Yasuda(Letro-Rokets)

 出演/永瀧達治(フレンチ狂家元)、
 池端たかこ、TATi、玉貴、熱風音楽市場、
 サエキけんぞう、ソワレ


そして、僕のイベントコアトーク!
音楽を裏まで知りたい方、きてください!

●サエキけんぞうのコアトーク55
 6月28日(水)19:30〜
 「音楽雑誌を作ろう!」
 音楽ファン、音楽ライター、業界希望者絶対必見!
 音楽雑誌や業界まる秘話やコアな話大放出!
 【出演】サエキけんぞう、青木優(音楽評論家)、
 伊藤英嗣(クッキーシーン編集長)、手塚るみ子、他

 at新宿ロフトプラスワン
 新宿歌舞伎町1−14−7 林ビルB2F
 (コマ劇場のJR側向かい、サンクス右隣地下2階)
 tel 03-3205−6864 fax 03-3205−6874


さて、前回の献血チェーンですが、
その後もますます増殖し続け、
大変な物議を呼んでいる模様なのです。
実感ないだけにコワイようですね。
(前回と併せて読んでいただけると幸いです)
僕には結局3通送られてきました。
前回の反響の中では、アメリカに住んでいる方の
同じくアメリカに住む友人が
アドレス帳に載っている全員に送ってしまったという
報告がありました(にが笑)。
アメリカから日本に大量に送られるチェーンのワ!

別の報告では、チェーンメール上で電話番号が
書かれていた人(献血を必要としていた人の知人?)達の
電話が24時間鳴り止まず、
しょうがないので留守番電話にしており、
「****病院のサイトを見て下さい」
と繰り返しているという話もあります。

さて、この話をしていて注目したのは、
このメールが死ぬほど送られてくる人と、
そうじゃない人に分かれていることです。
メールのやりとりというのも
ある交流範囲を示しているわけで、
チェーンが加熱する地域? と
そうじゃない地域? があるわけです。
当然、チェーンに敏感な、インターネットモラルが発達した
人たちのところでは積極的な鎮火が行われ、
このメールがあまりやりとりされなかったようです。

知り合いのコンピュータ雑誌編集部の人2名のところには
“全く”来なかったようで、さすがに
「発達している人たちは違うな」と思いました。

その一方で上記のようなトラブルがたくさん発生している
地域? もあるわけです。
前回のこのページのダーリンの紹介文では
「うちにもたくさん来たけど」となってましたが、
「ほぼ日」は、公共の場に近い構造になっているわけで、
そうした場には不特定多数の人から集中するのでしょう。
こうしたメールの輪というものは、マダラ状になっており、
その分布はちょっと想像がつかない
「模様」の広がり方になっていると思えます。

当然、インターネット初心者には
チェーンチェックについての細かい免疫がありません。
現在はインターネット発展期なので
そうした人の人数だけでも大量と思われます。
つまり、全く平和に日々を過ごしている人の隣に、
チェーンのすさまじい過密地帯があったりするわけで、
目に見えないインターネットの不気味さを表していますね。
「降水量の分布図」のように
チェーン発生地域を濃淡で表す分布図ができたら
面白いですね。
僕の家は3通ですから、水色でしょうか?

今回のチェーンの注目要因は
1,善意が発生の原動力である。
2,初期は確かな身元から出されたメールである

の2点だと思います。
この2つの要因は全くオフィシアルかつ、前向きな要因で、
そのためにチェーン化したときには
手に負えなくなる勢いになる点に注目したいです。
善意ほど怖いエンジンはないのでしょう。
身元がしっかりしていたという初期ニュアンスも、
チェーンじゃない? という錯覚を起こさせる
元になっているのです。
つまり、将来(そんなことがおきてほしくないですが)
何らかの災害や戦争等、非常事態が生じたときに
当然デマも飛び交いますが、もうひとつにはこのように
出所はちゃんとしていてもチェーン化し、
公共の施設にもダメージを与える危険性があるわけで、
これは大変恐ろしいテストケースとして
記憶されるべきだと思います。

善意チェーンの発生源自体は、前回の最後に書いたように、
「良心からメールを広めたいのだが、
 自分のところを連絡先にしたくない」という
「中途半端な良心」につきると思います。

このメールの研究サイトがあるようで、見てみたら、
いくつか興味深い事実もありました。
オリジナルの発生源に近い文面がつきとめられたようで、
その文面がのっていました。

●その1
ご協力お願い致します。
血液型がRH(-)AB型の方がおりましたら
*****にご一報ください。又、情報がありましたら、
御連絡いただければ幸いです。(****−**−****)
〔内容〕
知人方の奥さんが妊娠されておりますが、
先日入院されました。

●その2
突然ですが、みなさんの中でもしくは知り合いなどで
血液型がRH(-)AB型の方がおりましたら
私宛てご一報ください。
〔内容〕
K社(私の友人の会社です)社員の奥さんが
妊娠されておりますが、先日入院されました。
注)個人名および電話番号はふせてあります。

「その1」はちゃんとしていますが、
「その2」では早くも怪しさがたちこめ始めてますね。
前回載せた、僕のところに来たメールは、さらにもう少し、
怪しくなった段階のもののようです。
こうした、チェーン発生の経過は、
背中が寒くなる気配に満ちています。

また、前回僕(サエキ)が指摘したように、
ホームページの存在がアリバイにならない、という考察が
どうやら的中したようです。
受信者が、ホームページで呼びかけ、
メールを転送したことからさらに広まった、
ということもあったようなのです。

メールを受信した都内在住のある男性が
この件の協力しようとウェブサイト上での呼びかけと、
複数へメールを転送を行ったそうなのです。
この際にメールの発信元に対して
事実関係の確認は行っていないとのことですから、
やはり恐ろしいですね。

以下に載せるのは、このサイト管理者が
ホームページ上で公開し、
また不特定へ転送したメールの内容だそうです。

-----------------------------------------------------
私の友人からのメールです。
あなたのお知り合いにもお声かけ
よろしくおねがいいたします。
みなさんご協力おねがいします。
ホームページを運営されてる方は、
TOPでよびかけしていただけるとありがたいです。

*********
一体何者からのE-mailだ?と不審に思った方は、
わたしのHPを確認してください
www.********.com
-----------------------------------------------------

このように、ホームページを中継地点にして
大量に散布されたと思われます。
管理人のアドレスも書いてありますが、
やはりそれでは安心できないわけです。
何よりも、そうした要素を載せれば載せるほど、
みんなが送りまくるわけで、
そこが善意の怖さなわけですね。
ホームページが仲介にはいると、
とてつもない規模になる場合もあるでしょう。
エイズと違って、肉体を媒介にしないわけですから
その伝染性は想像を絶するのです。
全く想像しようがない。

また、もうひとつの興味深い話として、
社会的に信用の高い職業の方も転送したらしい、
というのもあります。
弁護士さんが仲介となったという例もあるようです。
(インターネット上では地位の確認はできませんが。)

そう、実際の医師や弁護士ならメールモラリティが完璧か?
というとそうとは限らないということは予測できます。
メールを始めてすぐの人もいるわけですし。
医師や弁護士が参加していることを謳って信用にしている
ウェブの文章にも注意が必要だということですね。

いつの間にか生活の一部として確立されつつある
インターネット。
「安全なメディア」として発達させたいものですね。
それでは、チャオ!

(ある献血メール研究サイトの文章を一部引用いたしました。
そのURLは伏せさせていただきますがご容赦ください。
また、今回も本八幡ドラゴンボール平岡通威氏の協力を
いただきました。ありがとうございました。)

2000-06-21-WED

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