総武線猿紀行第51回
I LOVE喫茶店!! 喫茶店はなくなるのか?
今、原稿を書いているのは喫茶店。
かろうじて市川本八幡には喫茶店が7〜8店も残っています。
これは多いですね! 今時。
いわゆる喫茶店がなくなってきてしばらくたちますが、
なくなった原因はもちろんドトールコーヒーその他でしょう。
180円でけっこう美味しいコーヒーが飲めるドトールが
流行るのは当然ですが、街にドトールとスターバックスと
プロントしかなくなったら、地獄だあああ!
と思っている人も少なくないのでは?
しかし喫茶店とそれらのコーヒーショップとは
空間が根本的にちがいます。ドトール以下は、
すべての店が同じ空間制御になっており、
そこでは客一人の占める空間は刹那的です.
しかし、喫茶店て、本とか新聞読んで
「ガシッ」と自分の空間を占拠する感じがあるのです。
そう、自分だけの空間がそこには作り出せる感じがある。
やっぱり値段相応のことはあるような気もする。
(スターバックスは渋谷の並木橋店のように、
ゴージャスな店もあるようだが)
はっぴいえんどの名曲「風をあつめて」をご存じですか?
この曲は渋谷南口のマックスロードという老舗
(今でもありますよ。南口を246の歩道橋降りてすぐ)で
松本隆さんが書いた詩として有名ですが、
あれこそ喫茶店ソングのナンバーワンと
いえるのではないでしょうか?
「まち〜のはず〜れのお、こおひいやで
(cha/cha~/cha/chaギター合いの手)
ひま〜をおつぶしてたらあ」
というフレーズに、気分はいつでも永遠のプ〜太郎です。
実際のマックスロードにいってみると、
ちょっと歌の雰囲気と違います。
マックスロードは駅前だし、思ったより、あか抜けてたから。
(今見ると普通ですけど、このレベルで、昔はイカしていた)
この歌に合う喫茶店は、もっとススけてて、
コーヒーカップが定番の三角錐形っぽいのか円筒形の
ダサい白カップで出てきて、
できればおばさんの給仕であるとイイという感じ。
当然読むのは漫画とスポーツ新聞です。
でも自分の文庫本も忘れずにね。というイメージなのです。
市川に住んでいる自分としては「風をあつめて」の喫茶店は
勝手に「お茶の水神保町にあるのだ」と決めていました。
もう今はありませんが、貸レコード屋のジャニスのある
(あった)所の近くに「ボルガ」という
メチャクチャやすいコーヒー屋がありました。
(73年当時で80円、それでも今なら280円ぐらいの
雰囲気だからやっぱり喫茶店は高いのだ)
そこはそれらの僕が考えている「風をあつめて喫茶店」の
イメージをすべて満たしていたのです。
さらに細かく条件を突き詰めていくと、
「風をあつめて喫茶店」はお店全体に
「ガランとした」感がなくてはなりません。
週刊ポストとか日刊スポーツ、
ビッグコミック本誌が似合わなければいけません。
そしてちょっと化粧がのってるおばさんのママ。
できればおばさんの娘も働いているとなおグッド。
で、それらを「ボルガ」は全部満たしていたのです。
娘も働いていたのです。
今でも神保町はフェイヴァリットプレイスですが、
行きたくなるコーヒー屋は「神田ブラジル」ぐらいかなあ。
あそこの欠点は、地下にあること。
そしてちょっと人口密度が濃すぎることでしょうか?
もちろん、「ガランとした感」は望むべくもありません。
「さぼうる」もいいのですが、やっぱりちょっと暗いかなあ。
「ガランとした感」はもう郊外の喫茶店に
求めるしかないですね。都心だと銀座や神田あたりに
まだいいのが少しありそうですが、ちょっと狭そうです。
「風をあつめられる」感じはないかもしれません。
ちなみに地元に関しては、既存のチェーン喫茶店で
本八幡「poem」は駅前にしてはけっこうオススメですね。
風がちょっとは集まる感じがします。
市川以外ではちょっと暑苦しいけど
色んな所にある「コロラド」もまあ、許せる。
マイアミやルノアール、シャノアールは、
客がいなくても風が集まらないなあ。
ソファーのせいかなあ。
ドトール以下のディスカウントコーヒーショップ
(カフェ)は合理的だし、そもそも海外のカフェは
そういうところなので、異議はありません。
しかし、かつての喫茶店の中に、
得難い「自分の空間=風の吹く場所」があったことは
忘れられないし、今でもそれを全力で探しています(笑)。
ナナハンライダーのような店も。
現在の「カフェ」ブームがそうした喫茶店に変わる、
新しい「風の吹く場所」を求めてのブームであることは
良くわかりますし、カッコイイ店が多いです。
しかし、定着してくれなくては何もなりません。
プールバー、カフェバー、ワンショットバー、
ノーパン喫茶・・、ブームでできては消えていくものの
ひとつにならないことを望みます。
最後に本八幡のけっこうかなり風の吹く喫茶店を
特別に御紹介しちゃいましょう。
カッコ良すぎるけど。
蛍明舎という珈琲屋です
(047-336-3545本八幡北口まっすぐ信号渡り右2階
市川市八幡2-4-9 かんていビル2F
10時〜23時 無休)。
このページ読んだといえば
珈琲お代わりサービスだそうです。
それでは今回もお知らせ!
7月25日(火)に
「史上最大のポエトリーサミット」と題して、
現在勃興中のムーブメント、ポエトリーリーディング関連に
ついての現在行われている中で、最大の内容のイベントを
新宿ロフトプラスワンで催したいと思っております。
ホストは、自らもリーディングオムニバスCDを
リリースしている東雄一郎君。
出演は、あがた森魚さん、白井良明+さいとういんこ
(ギタポエラ)、ボーイ・ミーツ・ガール(尾上文)、
枡野浩一、園田恵子、田中庸介、三代目魚武、和久井光司、
室矢憲治、と詩にとらわれない多彩な面々で、
オールナイトで御送りしようと計画しております。
そこで、このほぼ日を読んでいる人たちでも、
「詩を朗読したい!」という人、気鋭の新人たちには
「オープンマイク」の場を用意します。
是非ともご参加を御検討願えないでしょうか?
(オープンマイクは夜中過ぎになる予定です)
日時:7月25日火曜日 午後7時30分より翌朝4時ごろまで
at 新宿ロフトプラスワン新宿歌舞伎町1-14-7林ビルB2F
(コマ劇場前のサンクス右隣)TEL3205-6864 FAX3205-6874
どうかふるってご参加ください!
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