MUSIC
虚実1:99
総武線猿紀行

第57回
P-inの巻


いよいよ残暑ですね。
みんな8月に入ると「残暑おみまい・・」って書くけど、
僕は断固として8月7日以前には、そう書きません。
だってせっかくの夏を「残暑」なんていったら、
もったいないじゃないかあ!

そんな意地っ張りの僕も8月15日を過ぎたら降参。
間違いない残暑のダレた雰囲気。
さすがにバーゲンももう終わりましたね。
Tシャツってユニクロのせいかしらないが、
バーゲンなどではホントにやすくなりましたね。
平気なのかしら。

さて、前回と今回は現在週刊アスキーに短期連載中の
テストレポートと連動した企画記事を、お送りします。
週刊アスキーの拙記事も合わせてお読みいただけたら
うれPです!週始めには発売されますので読んでね!

前回はウィンドウズメディアプレイヤー7の巻でしたが、
試した人はいるかな?
このプレイヤーのラジオ検索機能はホントすごい!

「カントリーやオルタナティブ・ロックといった
 おなじみのジャンルから
 クリスチャン・コンテンポラリーや
 クラシックロックといったわけわからないものまで、
 「音楽ジャンル名」でも世界ラジオ局が検索できるのです。
  言語別ではラトビア語、ヘブライ語から、ポルトガル語、
 タイ語まで26カ国語によるラジオ局の検索ができる。
 国別では、プエルトリコ、セネガル、ギリシャ、
 リトアニア、ジンバブエなど43カ国のラジオ局が、
 すぐにダーっと出てくる。
 そしてなんとアメリカ国内は州別
 (ミシガン州や、テキサス州など)で、すべての州の
 ラジオ局が検索できる!
 もちろんフランスはもとより
 流行のブラジル・アフリカ音楽など、
 珍しいラジオ放送が当たり前のように
 聞きまくれるわけですよ!
 カントリーなんかホントに死ぬほどたくさんあって
 選ぶのが大変。接続のバッファリングには
 多少時間がかかるが・・。」

というような調子だったわけです。(前回のタネあかし)

さて、このレポートは東芝のポータブルPC・リブレットの
最新モデル1100を使って書かれています。
このリブレット、ウィンドウズ搭載機では
世界最小のコンピュータといえるわけですが、
このたび、なんと生産終了になってしまうのだそうです!
ヒエエエ! 伝説の終焉!

ソニーのVAIO C-1モデルが伸したというのが
直接的な原因でしょう。
でも全く違う個性と長所を持っているんですが…。
残念ですね!

そんなモバイルの為に生まれてきたリブレットにとって
最重要課題は何かといえば、移動通信でしょう。
出向いた先に電話線があればつなぎ、
灰色公衆電話があれば、コードを取り出してつないでました。
灰色公衆電話を使用していたわけは、
通信が安定しているからです。
もちろん携帯接続コードも買いました。
けどいまいち好きになれなかったわけです。
だって接続速度9600bpsじゃないですか?
携帯電話、発達したけど、接続速度だけは
取り残されてるのです。電波も混んでるしね。
港区、渋谷区あたりでは、「フッ」と切れますよ。
前触れなく切れます。
これでは通信には使いにくいですね。
で、編集の矢崎さんに勧められたのがP-inComp@ct。
(以下P-in)。これはPHS。
ええ? 中学生ギャルじゃあるまいし、
こんなに大きく育ったのにピーエッチエスう?
と聞き返すと
「これは電話じゃないんですよ。
 通信専用のツールで電話受けることは出来ないんですよ」
んん? にゃるほど。携帯に圧され、
今や完全に劣勢なPHSだが、こんな活路があるとは?
なんていったって、
PHSは64k通信が可能なのであります。
それはISDNと同じじゃないですか?
リブレットで普段する通信は56Kbps。
モバイルではISDNはあきらめなければならないのですが、
それと同等の速度がP-inで可能になるのか?
これは試してみる価値がある。
早速、店に見に行く。いまや大人気なのだそうだ。
プラスチックの端正な外観はキスミントガム程度の大きさ。
ウゲ! 小セエ! 全くもって邪魔にならねえ?
すぐリブレットの横穴(カードスロット)に差しテエ!
問題は料金プランである。
通常の通話プランと混在したプランもあり、
摩訶不思議人外魔境である。

(以下週刊アスキー・レポートをお読みください、
 製品写真も!)

さて、週アスレポートはひとまず終えたが、
都合によりP-inの試用までは書くことができなかったのです。
使用感ですが、非常に安定しています。
つなぐときには小さな小さなアンテナをたてます。
小さい2個のランプが、ピカピカっと緑に光り、
電波状態によっては赤ランプが点滅します。
しばらくすると、ピっと接続します。
このランプの点滅がミソ。ウンともスンともいわない、
なにもビジュアル信号のない普通の接続より
心がずっとナゴむ。つながらなくても、
緑のランプのつきかたで、「ああ、ここはダメだな」とか
「もう少しでイケそうだな」とかがなんとなく伝わるのです。
問題のPHSの電波の強さですが、けっこうイケます。
千葉の田舎でもつながりました。
あと、地下鉄のホームでもいけるのですね。
それはPHSの特徴です。
PHSいけるじゃねえかよ〜! これで生き残れよ〜。

ただ、64k通信といっても
ISDNと完全に同じ速度というわけにはいかないような
気がします。リブレットのスペックもあり、
単純比較できませんが、56よりはかなり速いが、
ISDNよりは遅めといった印象です。
でも、僕のような「気の短い向き」
(笑)にはオススメですね!
僕はP-inをリブレットに差しっぱなし。
だれがなんといおうと、はずすのはめんどくさい。
多少突き出てますが、もう、こうなったら
差込みっぱなししかないでしょう?
差込みっぱなしだと、コンピュータの一部になったような
感じが出てくるのです。一体感を楽しみたい。
そうしていると、コンサイスディクショナリーみたいな
大きさのコンピュータに、このP-inのような通信装置が
内蔵されているような時代が、遠からずくるのだと、
至近未来を想いやります。
全く持って、技術の進歩はスゴイものです。
数年前にこんなモバイルはちょっと考えられなかったですね。

2000-08-28-MON

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